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株式会社テックシンカー

山都町、ユナイテッドトヨタ熊本、テックシンカー、自動車から排出される温室効果ガスの実測ソリューションについて、実証実験結果を公開

(PR TIMES) 2023年04月26日(水)19時15分配信 PR TIMES

〜実態に即した車両のGHG排出量を算出し、より効果的な自動車分野の排出削減対策を提案する〜

株式会社テックシンカー(本社:東京都品川区、CEO:洪 偉豪、以下「テックシンカー」)はUXアクセラレーションプログラム2022において、熊本県山都町(町長:梅田 穰、以下「山都町」)とユナイテッドトヨタ熊本株式会社(本社:熊本市中央区、代表取締役社長:西 治三朗、以下「ユナイテッドトヨタ熊本」)と協働して2023年2月より実施した、「車両のCO2算定サービス」の実証実験について、結果を公開しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/98041/13/resize/d98041-13-e4425e7e46a24b582742-0.png ]

実施背景
我が国政府は2020年10月、国の温室効果ガス削減目標として2050年にカーボンニュートラル・脱炭素社会の実現を目指すことを宣言しました。我が国がカーボンニュートラルな社会に移行するために、国全体の温室効果ガス排出量の2割近くを占める運輸部門において、同部門のCO2排出量の約85%を占める自動車分野で電動化を推進することが重要とされています。しかし、移動燃焼源である自動車由来のCO2排出量は、実測データの収集の難しさ等から、実態との乖離や、それによる対策の適切な評価が困難でした。
そこで3社は、熊本県のUXアクセラレーションプログラム2022の支援を受けて、IoT技術とWebデータプラットフォームを導入し、「燃料ベース手法」と「距離ベース手法」を組み合わせた測定方法を用いて、より透明性のある温室効果ガス排出量の算定と持続可能な社会の実現に貢献する自動車分野のソリューションを提案することを目的とした実証実験を実施しました。

実証実験の成果
山都町が保有する公用車8台と山都町職員の自家用車2台を対象に、2023年2月上旬から3月下旬にかけて、GPSトラッカーを設置し実際の走行距離の実績データと車両のモニタリングを行うとともに、Webアプリを使った燃料使用量の記録等を通じて、車両ごとの「単位走行距離あたりの排出量(kg-CO2e/km)」、「燃料単位あたりの排出量(kg-CO2e/l)」を算出しました。その結果、山都町において自動車由来の温室効果ガス排出量の削減を進めるにあたり、次の4つの重要な成果が得られました。これらの成果を用いることによって、今後、広く企業・自治体においても、より実態に即した持続可能なソリューションの検討・実施に役立てることができると考えます。
註:CO2e(CO2 equivalent)とは、温暖化係数を用いて各温室効果ガスをCO2相当量に換算した値である。
[画像2: https://prtimes.jp/i/98041/13/resize/d98041-13-3f3e5735ba008914a315-0.png ]

(1)エンジン種別ごとの単位走行距離あたりのCO2排出量の実態
エンジン種類ごとのCO2排出量を比較した結果、ハイブリッド自動車の単位走行距離当たりのCO2排出量(0.1035kg-CO2e/km)が最も少なく、ディーゼル車(0.2810kg-CO2e/km)はガソリン車(0.1439kg-CO2e/km)より2倍ほどCO2排出量が多いことが明らかとなった。これにより、今後、山都町において、それぞれの車ごとの特性と中長期的な削減効果等を踏まえた、より具体的なソリューションの検討が可能となりました。

(2)山都町全所有車両のより正確な排出量の検証
現状、我が国では多くの企業・組織がCO2排出量の算出において、 理論値や換算値を用いた方法を採用するのが一般的です。活動量データの収集が、企業・組織に大きな負担となるためです。しかし、自動車走行時ではメタンガス(CH4)や亜酸化窒素(N2O)も排出され、排出量の検証や対外アピール等を行うためには、正確性が高いデータ/算定手法を採用する必要があります。
本実証実験では、CO2を燃料使用量から、CH4及びN2Oを移動距離から算定することで、自動車が排出した温室効果ガスをより正確に算出しました。また、車の走行実績について、オドメーター(測定単位:km, キロメートル)よりも精度の高いGPSトラッカー(測定単位:m, メートル)を用いることによって、より詳細に排出量を算出することができました。
エンジン種類毎の燃料当たりの排出量を用いて、山都町の全公用車両の温室効果ガス排出量を推算した結果、理論値で用いた算出より、+1,755 kg-CO2eという結果となりました。また、エンジン種類毎の燃料当たりの排出量を用いて、山都町の全自家用車両の排出量を推算した結果、理論値で用いた算出量よりも、+10,301kg-CO2eという結果となりました。これにより、今後、排出量の算出においては、エンジン種類毎の燃料当たりの排出量係数を活用することが推奨されました。

(3)実測ソリューションの開発により、精緻な排出量の算出を標準化
本実証実験で採用した実測ベースの排出量の算出手法においては、活動量のデータ収集が必要となります。ただし、その分算定に係る作業負担が大きくなるため、事業者の作業負担を減らし、算出精度を最大化するための新たなソリューションが必要です。そこで本実証実験では、エンジン種類ごとに集計した全燃料使用量に、本実証実験で算出した燃料当たりの排出量係数を掛け、全公用車・自家用車両の排出量を算出できる算出ツールを開発しました。これにより、燃料使用量を入力することで、より簡易に温室効果ガス排出量の算出が可能となりました。

(4)長期的なエネルギー転換のロードマップづくりが可能に
脱炭素へといち早く移行していくためには、地域の特性に応じた効果的・効率的な取り組みを検討する必要があります。2030 年の温室効果ガスの削減目標と、2050 年カーボンニュートラルの実現といった目標を踏まえ、地域特性を考慮したうえで実現するロードマップづくりのために、本実証実験ではシミュレーションのツールを開発し、長期的なエネルギー転換計画または脱炭素計画の検討が可能となりました。
[画像3: https://prtimes.jp/i/98041/13/resize/d98041-13-f95d6a8e4dd7c2083e25-0.png ]

■今回の実証実験を通じて
昨今、異常気象などの気候変動による問題が顕在化し、主な原因である温室効果ガスの排出削減が世界各国で求められるようになりました。今後、我が国においても温室効果ガス排出量の外部開示が広く求められていく中で、より高い精度のデータを収集し、より正確に排出量を評価していかなければなりません。
テックシンカーは、引き続きこうした実測に用いる技術やソリューションの開発により、業界の測定実績を積み上げ、実測技術や取り組みを標準化していくことを目指します。

実証実験の概要(ご参考)
1. 概要:熊本県のUXアクセラレーションプログラム2022の支援を受けて、「燃料ベース手法」と「距離ベース手法」を組み合わせた測定方法を採用し、IoTデバイスとWEBアプリを通じて走行距離と燃料使用量をモニタリングすることで、より透明性のあるCO2排出量の算定と、持続可能な社会の実現に貢献する自動車分野のソリューションを提案することを目的とした事業である。
2. 実施期間:2023年2月上旬〜3月下旬
3. 実施場所:熊本県山都町
4. 実測車両数:山都町の所有車両8台、職員の自家用車2台(合計10台)

■UXアクセラレーションプログラム2022について
UXアクセラレーションプログラム2022では、熊本県の半導体・自動車関連産業に続く「第3の柱」として、新たな産業の創出を目指すUXプロジェクトを推進しています。熊本県内企業の多様な事業領域、豊富な経営資源と全国のスタートアップの特徴ある技術・サービスを結びつけるオープンイノベーションにより、新たな事業・サービスを創出し、地域経済の活性化に寄与することを目指します。
▼ホームページ:https://unidge.co.jp/project/ux_accelerationprogram2022 

■山都町について
山都町は、熊本県の中央東部に位置し、阿蘇南外輪山と九州脊梁山地に挟まれ、緑川や御船川の源流を発する豊かな自然に恵まれた山間地です。同町では、令和3年5月にSDGs未来都市に選定されたことを受けて、庁舎から排出される廃棄物の削減をはじめ、行政活動により排出されるCO2削減に向けて様々な取組を進めています。
▼ホームページ:https://www.town.kumamoto-yamato.lg.jp/ 

■ユナイテッドトヨタ熊本について
ユナイテッドトヨタ熊本は、1962年に熊本3番目のトヨタディーラーとして誕生した「カローラ熊本」をはじめ、国内外の5ブランドを展開。県下最大となる25店舗のネットワークでお客様のカーライフをトータルサポートしております。同社は、「Passion for the Future」をビジョンに掲げモビリティに関わるサービスを通して、人々の生活を豊かにし、熊本に無くてはならない存在を目指しています。
昨今、運輸部門におけるカーボンニュートラル、脱炭素化への対応が必要になる中で、脱炭素化に向けての知見・仕組みが無い企業・自治体に対し、同社は「車両のCO2算定サービス」を企画します。本サービスを通じて、企業や自治体の脱炭素化を促進し、運輸部門におけるCO2排出量の約85%を占める自動車分野の電動化を加速させます。
▼ホームページ:https://www.united-toyotakumamoto.jp/ 

■株式会社テックシンカーについて
株式会社テックシンカーは、CO2排出量算出ソフトウェア及びカーボンオフセットのプラットフォーム「オフ・エミッション」を運営しております。これまでの消費者や企業は、CO2排出量計算やカーボンオフセットに取り組む際に「専門知識が必要」「コンサル費用が高額」「プロセスが不透明」「手続きが煩雑」といった課題に悩まされてきました。弊社は、こうした課題の解消を目指して、CO2排出量算出のソリューション/カーボンオフセットのプラットフォームを提供し、持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
▼ホームページ:https://www.offemission.com 

※本リリースに記載されている会社名、製品名、サービス名は、各社、各団体の商標もしくは登録商標です。

◆本実証実験に関するお問い合わせ先
株式会社テックシンカー オフ・エミッション事務局
e-mail:service@offemission.com



プレスリリース提供:PR TIMES

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