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一般社団法人 K-BOOK振興会

初の2作品同時受賞の快挙! 第7回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」受賞者決定

(PR TIMES) 2024年05月22日(水)16時15分配信 PR TIMES

一般社団法人 K-BOOK振興会(所在地:東京都千代田区、代表理事 中沢けい、 以下 K-BOOK振興会)と、株式会社クオン(本社:東京都千代田区、代表 金承福)が、優秀な新人翻訳家の発掘を目指して共催した第7回「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」の受賞者が決定しました。
同コンクール初、課題作2作品ともに金子博昭さんによる同時受賞となりました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/77664/13/77664-13-26222eec130bbff6622c701ce5aa45d6-567x139.jpg ]

第7回「日本語で読みたい韓国の本」翻訳コンクールには、国内外から昨年を上回る総勢155名の方にご応募をいただきました。

一次審査を通過した10名の作品を審査員(星野智幸、オ・ヨンア、古川綾子)による厳正な審査を行った結果、この度次の通り、各作品の最優秀賞者が決まりましたので発表致します。
なお、コンクールの開催趣旨にそって課題作ごとに最優秀賞受賞者を選ぶ予定でしたが、審査会でも熟考の末、第7回につきましては金子博昭さんの2作品同時受賞となりました。

受賞コメント


「 」(偶像の涙(仮))(チョン・サング著)最優秀賞/金子博昭
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/77664/13/77664-13-b89238c9dfc0500257cff7bc2109f40c-307x460.jpg ]

思いがけない名誉な賞をいただき、本当に夢のようです。機会をくださった皆様に心から感謝いたします。小説を精読するとはどういうことか、このコンクールに3回続けて挑戦させていただき、少しだけわかりかけてきたような気がします。
「 」の登場人物にはそれぞれ表と裏があり、それが織り成す人間関係を丁寧に読み解いていくと、1970年代の韓国社会がうっすらと立ち上がってくるのが魅力的でした。著者の先生は私の母と同い年。歴史を刻んでこられた大家の作品と巡り会え、貴重なご縁をいただけたことに深い感慨を覚えます。

「 」(夏にあたしたちが食べるもの(仮))(ソン・ジヒョン著)最優秀賞/金子博昭
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/77664/13/77664-13-9320b892a4de89d57e5ce1428cb8ae63-297x447.jpg ]

「 . (編み物は全部できるよ。 解けば新しく作れるよ)」。編み物については何も知らない私ですが、登場人物のこの言葉に何だか背中を押される、勇気をもらえるような気がしました。そう、人生は何度でも再チャレンジできる。人物の内面を見つめてエールを贈る著者さんの優しさに導かれ、悩みつつも楽しく翻訳することができました。
新潟の読書会やチェッコリ講座でご指導くださった先生方と勉強仲間の皆さん、韓国の小説と出会うきっかけを与えてくれた友、励ましやアドバイスをしてくれた友人知人、応援し続けてくれた家族に感謝します。本当にありがとうございました。

審査員評



【総評】星野智幸(作家)
今回も総じてレベルの高い訳文が並ぶなか、私は両作品について金子さんの訳に魅了されました。審査会に臨むと、なんと古川さんもオ・ヨンアさんも二作とも金子訳を最高評価に。つまり満票です。文脈をしっかり捉えて細部を訳す、的確で過不足のない日本語にする、原文の雰囲気を日本語に移し替える、といった日本語力の面からも韓国語原文の読み解きの面からも、越えるべきハードルをクリアして余りある、非常に完成度の高い翻訳だと思います。何より、1980年ごろの男性作家による城壁のような作品と、現代の女性作家によるミルフィーユのような作品とを、まったく自然に訳し分けられる力に感心しました。なかなかできることではなく、今回はその点も評価したいということで、コンクール初の、単独での2作品受賞といたしました。

【審査評】オ・ヨンア(翻訳家)
『 』では、話者の軽快ながらも自嘲の入り混じった語りや言葉遊び、ユーモアなどを生かしきれているかどうか、『 』では、原作の時代背景を考慮した語彙の選択や文体に加え、話者を始め登場人物の性格を反映させた翻訳になっているかどうかなどが評価のポイントになりました。さまざまな訳注も登場しましたが、誰のために、なぜ必要なのか不明瞭な訳注も見受けられ、完成度に影響した点も記しておきます。最優秀賞受賞作品は、二作品ともに作品全体を貫くトーンが原作のそれに等しい空気感を維持しており、細部まで的確な配慮が行き届いた完成度の高い訳出でした。今後のご活躍に期待しています。

【審査評】古川綾子(翻訳家)
応募された皆さま、お疲れさまでした。
『 』は淡々とした文章の中に蠢く登場人物一人ひとりの悪や思惑、そして暴力の不穏さが浮かび上がってくるような文体、『 』は軽やかな語り口調の中に垣間見える自虐やユーモア感覚など、作品全体のトーンが活かせた訳文になっているかに着目して審査しました。
訳文に創意工夫を凝らすことも大切ですが、原作の文体やテーマをできるだけ忠実に再現する日本語の語彙力や表現力、この二つが翻訳には必要だと改めて感じました。

*なお、惜しくも受賞には至りませんでしたが、次の方々も一次選考を通過されました。掲載を承諾いただいた方のみ、ここに掲載をさせていただきます(五十音順)。
梶浦 珠代、兼元 尚子、榊原 悠加、清水 綾子、高木 伸子、任 萌子、松渕 優子、尹 朋美

第7回日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール 開催概要


【主催】一般社団法人K-BOOK振興会、株式会社クオン
【協力】ブックカフェCHEKCCORI
韓国の本に関する様々な情報を発信している一般社団法人K-BOOK振興会と、 韓国の優れた文学作品を紹介している株式会社クオンでは、優秀な新人翻訳家の発掘を目指して、第7回 「日本語で読みたい韓国の本 翻訳コンクール」を開催。

●応募資格
・文芸作品の翻訳出版(単独での訳書。共訳・翻訳協力は含めない)の実績が1作以下の個人であること
・国籍、年齢、居住地などは問わない

●課題図書
1. 「 」(著)(『 』に収録)
2. 「 」(著)(『 』に収録)
・上記各短編集に収められている、「 」(著)と「 」(著)の2篇をそれぞれ日本語に翻訳し、両作品ともに提出する
・書籍は各応募者が自ら購入・入手すること

●審査員 (※順不同、敬称略)
星野智幸(作家)
オ・ヨンア(翻訳家)
古川綾子(翻訳家)

●授賞内容
・作品ごとに最優秀賞1名を選定する
・最優秀賞作品をもとに編集作業をおこない、短編シリーズ「韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション」の作品としてクオンから出版する(なお編集過程で訳文の修正を依頼することもあり得る)
・出版が決定した翻訳作品に関しては、受賞者とクオンが翻訳出版契約を締結する
※「韓国文学ショートショート きむ ふなセレクション」とは、翻訳家きむ ふなが今お勧めしたい作家の短編を日本語と韓国語の2言語で紹介する新シリーズです。

●スケジュール
応募期間 :2023年9月 〜 2024年1月末日
選考期間 :2024年2月 〜 2024年4月
結果発表 :2024年5月 ホームページ等にて発表
受賞作刊行:2024年11月予定
授賞式 :2024年11月 K-BOOKフェスティバル内で開催予定
※授賞式はK-BOOKフェスティバル2024内で開催の予定です。追って詳細はお知らせいたします。
※受賞者による邦訳2作品は、「韓国文学ショートショートシリーズ」として2024年晩秋の頃に刊行予定です。どうぞご期待ください。



プレスリリース提供:PR TIMES

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