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特定非営利活動法人人と動物の共生センター

猫のロードキル『28万9,572頭』人と動物の共生センターが推計を発表

(PR TIMES) 2021年12月06日(月)13時45分配信 PR TIMES

殺処分の10倍の猫が野外で死亡。一方、5年前からは21.6%減少。

認定NPO法人 人と動物の共生センター(所在地:岐阜県/以下、同団体)は、野外で死亡した猫の数に関する全国調査を実施(2020年8月〜9月)。同団体の理事長・奥田順之獣医師が、2021年11月3〜7日に開かれた野生動物と社会学会において、2019年に野外で死亡した猫の数について、推計で、28万9,572頭であったことを報告しました。
[画像1: https://prtimes.jp/i/50590/13/resize/d50590-13-19d5cdee103435a790e0-7.png ]


調査背景
猫の殺処分数は10年間で83.6%減少(2010年:165,771頭⇒2019年:27,108頭)しています。殺処分数の減少は、猫の保護活動が広がったことや、TNR活動・地域猫活動を通じ、不妊去勢手術が浸透したことが、要因になっていると考えられます。一方で、不妊去勢手術の浸透が、本当に野外で生息する猫の個体数の減少に影響し、収容数や殺処分数に影響を与えているかについては全国的な研究がおこなわれてはいませんでした。

調査目的
当団体では、野外で生息する猫の個体数動態を把握すること、不妊去勢手術の浸透などの各種要因が個体数動態に与える影響について考察することを目的に、本調査(全国ロードキル調査)を実施しました。

調査方法
各自治体では、道路管理や清掃を行う業務の中で、野外で回収される猫の遺体回収数を把握されている自治体が多くあります。本調査では、政令指定都市・中核市を対象に、各自治体で把握している猫の遺体回収数について、質問紙を用いたアンケート調査を行いました。
[表: https://prtimes.jp/data/corp/50590/table/13_1_2b13b8b454a615358a3e08eb07957d3d.jpg ]


調査結果
2019年の日本全体の猫の遺体回収数は、推計で『28万9,572頭』でした。
2019年の殺処分数『2万7,108頭』に比べ、10.68倍でした。
以下、結果の詳細について報告します。

【結果1.】
猫の遺体回収数は、68,553頭⇒53,736頭 5年間で21.6%減少
[画像2: https://prtimes.jp/i/50590/13/resize/d50590-13-b1e61f3bbfffffe4fe62-2.jpg ]


【結果2.】
猫の遺体回収数は、人口と強い相関
[画像3: https://prtimes.jp/i/50590/13/resize/d50590-13-1b55625f374c6a05fe79-3.jpg ]


【結果3.】
猫の遺体回収数は、保健所等への幼齢猫収容数とかなり相関
[画像4: https://prtimes.jp/i/50590/13/resize/d50590-13-b13f76b27f9936bedb89-4.jpg ]




5年間で遺体回収数の減少は38都市、増加は3都市
人口10万人あたり遺体回収数は229.4頭(41都市平均)(※1)
日本全体での遺体回収数の推計は、289,572頭(※2)
月最低平均気温が-2℃以下になる6都市(札幌、盛岡、長野、八戸、宇都宮、甲府)に絞ると、月最低平均気温と人口あたりの遺体回収数が強い相関(相関係数=0.939 , p<0.01)

※1 野生動物と社会学会では「230.7頭」と報告しましたが、正確には「229.4頭」でした。本リリースを以て修正いたします。
※2 ※229.4頭/10万人×1億2623万人(2019年4月人口)=289,572頭

考察


●人口が遺体回収数と強い相関を示したことから、人口が、エサ(ゴミや人が与えるエサ)や棲家(家の軒下など)の量に影響し、これらが環境収容能力(その環境で猫が生息できる数)を定め、生息数に影響していると考えられました。また、人口は、交通量にも影響するため、猫の死亡率や、人目につきやすい交通量の多い道路で死亡する確率に影響していることも考えられました。
●今回の結果ではサンプル数が少ないものの、気温が低い地域では、月間平均最低気温が生存率、生息数、遺体回収集の影響しているのではないかと考えられました。
[画像5: https://prtimes.jp/i/50590/13/resize/d50590-13-d7085ae19a825150dd73-6.jpg ]


今後の課題
●人口以外にも、野外で生活する猫にエサを与える人が多い地域では、環境収容能力が高くなると考えられます。地域の餌やりモラル・猫への考え方が猫の生息数に影響を与える可能性があります。
●餌やりモラル・猫への考え方に関連し、野外で生活する猫にエサを与えるかどうかという点だけでなく、完全屋内飼育の実施率、猫は屋内で飼育するものだという認識についても、野外で生活する猫の生息数に影響を与えると考えられます。
●近年、各地で野外で生活する猫に対する不妊去勢手術を行う活動が行われており、2015年から2019年にかけて遺体回収数が年々減っている要因として不妊去勢手術の普及が考えられます。一方で、生息個体数に対し、どの程度の割合で不妊去勢手術を実施することが、どの程度の繁殖抑制効果を生み、どの程度遺体回収数に影響を及ぼすかについては明らかになっていません。
●餌やりモラル、完全屋内飼育実施率、不妊去勢手術、気温等の気象条件などの要因が、猫の生息数にどの程度の影響を与えるかについての検証は、今後の課題です。

▼リンク一覧
公式サイト:http://human-animal.jp/
Facebook:https://www.facebook.com/hasc.tomoiki/

▼ご取材について
本件に関するご取材は、以下の連絡先までお願いいたします。

認定NPO法人人と動物の共生センター 担当:理事長・奥田順之
住所:岐阜県岐阜市岩地2-4-3
TEL:058-214-3442
FAX:058-214-3640
MAIL:info@tomo-iki.jp
HP:http://human-animal.jp



プレスリリース提供:PR TIMES

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