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立命館大学宇宙地球探査研究センター(ESEC)、初開催の宇宙ビジネスの展示会「SPEXA(スペクサ) -Space Business Expo- 」に出展

(PR TIMES) 2024年05月10日(金)11時45分配信 PR TIMES

研究者たちがカンファレンスで登壇、ESECブースにも計800人が訪れ盛況

立命館大学(京都市中京区、学長:仲谷善雄(なかたに・よしお))の研究組織「立命館大学宇宙地球探査研究センター(英語名称:Earth & Space Exploration Center(ESEC)」は、4月24〜26日に東京ビッグサイトで初開催された、宇宙ビジネスに関する展示会「SPEXA(スペクサ) -Space Business Expo- 」に出展しました。
SPEXAカンファレンスでは6人の研究者が登壇し、「ESECが切り拓く宇宙地球フロンティア」と題したセッションを展開。ESECの展示ブースには3日間で計約800人 が訪問し、関心の高さがうかがえました。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-93e1c3be70ad801ea1163804f9c50293-928x488.png ]

(左から、カンファレンスに登壇したESECの湊宣明教授、センター長の佐伯和人教授、長岡央准教授、仲内悠佑助教、加古川篤准教授、小林泰三教授)

立命館大学では昨年7月1日に、月・惑星における人類の生存圏拡張と、探査拠点となる宇宙開発・インフラ構築に取り組む日本初の研究組織としてESECを、立命館大学宇宙地球探査研究センター(ESEC)を設置しました。
昨年末には宇宙飛行士の野口聡一氏が本学の学長特別補佐、ESECの研究顧問に就任しました。現在、学内30人の研究者がESECに所属し、宇宙・地球を舞台に幅広いテーマで研究活動に励んでいます。
SPEXAは「宇宙ビジネスに関するすべてが集まる展示会」として、官民挙げての宇宙開発の重要性が増している今、宇宙ビジネスに関するすべてが集まる展示会として初開催されました。ESECは、ビジョンに共感する企業・組織の皆様との協働やパートナーシップの構築を目的に参加しました。

「ESECが切り拓く宇宙地球フロンティア」6人の研究者がシンポジウムに登壇


[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-7edf120df8d6094de9e137a81f25876c-3900x2598.jpg ]

企業や専門家による60のカンファレンスが実施された中、ESECは佐伯和人センター長以下6人の研究者が登壇し、「ESECが切り拓く宇宙地球フロンティア」と題して30分間のセッションを行いました。
セッションでは司会を務めた湊宣明教授より、ESECが掲げる5つの研究ビジョンである「1. 月の水資源を探す」「2. 探査機器をつくる」「3. 月の物質を分析する」「4. 基地を建てる」「5. 宇宙飛行士を育てる」について紹介しました。
[画像3: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-188c281808e62fd76dbe7a57b45610c7-888x594.png ]

その上で、「1. 月の水資源を探す」「2. 探査機器をつくる」の2点を中心に具体的な研究内容を解説。佐伯和人センター長は、世界各国が今、月を目指している理由についてこう語りました。
「水を電気分解してロケットの燃料などに活用する試みが成功すると、人類が太陽系に行くコストが大幅に下がるため、世界が月の水資源を目指しているのです。人類を再び月に送る米国主導の探査計画『アルテミス計画』の着地候補地点は、氷があると思われている月の南極付近の永久影と言われるクレーター周辺。つまりアルテミス計画は有人探査の再開というだけではなく、水資源開発を強く意識した探査なのです」
[画像4: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-e7749f85b0b9450e1406d786ed91e4c9-874x640.png ]

佐伯センター長はESECの位置付けとして、発見型の探査を第1フェーズ、探査拠点開発を第2フェーズ、将来的な宇宙での都市開発を第3フェーズとすると、ESECは人類の生存圏構築に向けて宇宙開発の現場を切り拓く第2フェーズにフォーカスを当てた日本初の研究組織と説明。
「多くの大学の研究機関が、将来月や火星に都市ができる時代の研究開発を行っていますが、我々ESECはまさに今、これからの月面探査に必要な研究開発を手がけていきます」と語りました。
[画像5: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-953ae6c38f4a1726054a9097c07d3ffd-846x556.png ]

[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-ac9f1971e669912e5ca3374426b1c251-894x510.png ]


SLIM、LUPEXなどの月面探査で科学観測装置を手がける


そして話題はJAXAが打ち上げ、世界で初めて月面へのピンポイント着陸に成功した小型月着陸実証機(SLIM)や、日本とインド共同の月極域探査機(LUPEX)プロジェクト に及びました。
SLIMに搭載された唯一の科学観測装置である「マルチバンド分光カメラ」と、LUPEXに搭載される予定の「近赤外画像分光装置(ALIS)」 は、いずれも佐伯センター長が開発チームリードを務め、他のESECメンバーもコアメンバーとして開発しています。
[画像7: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-2b7ecbe3f0040ba6f76b3c181c130456-896x502.png ]

仲内悠佑助教はSLIMのマルチバンド分光カメラの開発メンバー・SLIM-MBC運用デザイナーでもあり、またLUPEXの可視・近赤外分光器の開発サブリードとして、撮影したデータやカメラの特徴を紹介しました。
「これから月面探査で主流になるこの分光カメラは、着陸した後、カメラ側で視野を動かしたり、フォーカスを合わせたりすることができます。4キロと最軽量の分光カメラにたくさんの駆動系を持っており、日本初の機能をメーカーの皆さんの協力で搭載しています。我々はまず鉱物岩石の組成を調べることにトライしています。今後の探査についても、着陸地周辺のどこにどのような鉱物があるかを理解することが重要になってきます」 (仲内助教)
[画像8: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-bbeabbb390bad86cb77cdf8271f2aec4-890x592.png ]


続いて長岡央准教授は、自らも開発に参加しているLUPEXに搭載予定の分光装置について説明した後、専門である放射線を使った観測装置について話しました。
「実際に極域の月面に降りるローバーに観測装置を複数搭載し、例えばレーザーで元素の組成を測定したり、岩石を研削し、微細な岩石組織を顕微分光カメラで詳細に観察したりする構想です。放射線を使って地下にある水資源を観測する装置についても開発を進めています。月面の岩塊や土壌にどのような物質が存在して、どのような特性があるかを知るための研究開発を進めています」(長岡准教授)
[画像9: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-aaacabaf580923ac06af6ca969bf7bdf-884x586.png ]


地球上のロボティクス技術を宇宙探査に応用


「2. 探査機器をつくる」というビジョンについては、月面というフィールドに向けて、極限のフィールドで探査装置を動かす技術もESECメンバーの得意分野として紹介。
地球上での厳しい環境で探査や調査を行うロボットの研究開発を進める加古川篤准教授は、昨今老朽化が問題になっている下水道などの配管の中に入って破損や異常を検査できる、水中を泳げるヘビ型ロボットや、ガス管の中で検査可能なロボットなどを手がけています。
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「地球上でも狭い、息ができない、有毒であるなど、人間が行けない環境はたくさんあります。そういったところに人間の代わりに入っていき、探査や作業ができるロボットの研究開発をしています。こういったロボティクスの技術は地球上の探査や調査を対象にしていますが、要素技術は宇宙にも使える可能性があるので、これからESECとして、宇宙における探査機器や調査機器に応用していきたいと考えています」(加古川准教授)
[画像11: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-9328c6001cb55e4cd73f901e800adb50-894x590.png ]


土木工学が専門の小林泰三教授は、将来的に基地を建設する前の地質調査や地盤調査に向けて、月面を移動しながら月の地盤調査ができるロボットを開発中。
「月面の地形を3次元で測量するツールや、月面に人工的に地震を起こし、その揺れをキャッチして地下構造を解析するツール、放射線で地盤の密度を測定するツール、土の硬さや強さを測るツールを搭載するロボットの研究開発をしています。月面を科学的に探査するだけではなく、その先にある建設や開発も見据えて、基礎的な技術開発や研究を進めています」と小林教授。「皆様と共同研究や次なる宇宙開発をともに進めていきたいと思っています」と呼びかけました。
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ビジョン実現のため、連携と協力を呼びかけ


最後に佐伯センター長がこのように挨拶し、セッションを締めくくりました。
「立命館大学ESECは、SLIMとLUPEXに観測機器を提供しているほか、今後の日本による月探査の観測機器の多くを担当していきます。我々は月探査の最先端の立場から、次の月面や火星面での探査、開発に何が必要かを真剣に考えています。我々だけの力ではビジョンを実現することはできませんので、ぜひ企業や自治体などの皆さんと連携し、実現に向けて一緒に頑張っていきたい。月や火星に広がっていく人類の未来において、日本の立ち位置を高め、平和的に宇宙開発ができるよう進めていきたいと思っております。ご協力をよろしくお願いします」
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研究者たちの幅広いテーマに関心、ESECブース盛況


ESECのブースでは、実際に地球上のフィールド探査用に開発中のロボットを展示したほか、映像やポスター、研究者の著書、パンフレットなどでESECの活動を紹介。3日間で計800人の参加者がブースに足を運び、研究者や学生たちと情報交換や意見交換を行いました。
[画像15: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-58eb7b5285879ac1fa4f72b77587d64a-812x534.png ]

大学の研究機関の出展は少なく、文理問わず探査研究を行うESECの幅広い研究テーマに、多くのビジネスパーソンや研究者、専門家らが関心を寄せた様子でした。
佐伯センター長は「SPEXAは初開催にもかかわらず多くの参加者で賑わっていて、将来への芽吹きを感じました。参加者の皆さんと話していると、『宇宙が好き』という方が多く、そういう方々が今後、それぞれの所属機関で宇宙にまつわる事業を立ち上げていくのではないかと思います。ESECもぜひ協力していきたいと思います」と語りました。小林教授は「研究に関連する企業の方から情報交換のお声がけを既にいただいています。実際にこのような場でしか生まれないつながりができて、有意義な機会でした」と振り返りました。

5月23日、ESEC設立記念シンポジウムを開催


[画像16: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/22771/13/22771-13-d21da4201601ed2aaab44179e06c235b-1298x964.png ]

ESECでの研究開発と発信を加速させていくため、2024年5月23日には初の主催シンポジウムを本学朱雀キャンパスで開催します。
第一部では、先ごろ世界初の月面のピンポイント着陸に成功した「小型月着陸実証機(SLIM)」、そして将来の月面活動拠点の構築にむけた研究を、佐伯センター長ら最前線の研究者からご紹介します。
第二部では、立命館大学学長特別補佐・ESEC研究顧問に就任した野口聡一宇宙飛行士が登壇します。「挑戦をやめない生き物を人類と呼ぶ」「宇宙新時代を生きる」というメッセージのもと挑戦した数々の宇宙ミッションの経験とともに、「宇宙時代における人間の生き方」についてパネルセッションを行います。
どなたでも立命館・ESECの多様な研究に触れていただけるシンポジウムです。皆様のご参加をお待ちしております。

◆ 開催概要
日時:2024年5月23日 (木)15:30〜18:45 (第1部、第2部入れ替え制)
場所:立命館大学朱雀キャンパス(https://www.ritsumei.ac.jp/accessmap/suzaku/
参加費:無料
申込先:https://bit.ly/esec240523
プログラムの詳細はESECWebサイト(https://esec.ritsumei.ac.jp/)をご覧ください。



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