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日本ロレアル株式会社

ロレアルリサーチ&イノベーション、毛髪研究による知見に基づく先端成分アミネキシル(Aminexil)を抜け毛スカルプケア製品に応用

(PR TIMES) 2022年09月06日(火)13時40分配信 PR TIMES

世界最大の化粧品会社ロレアルグループの研究開発部門であるロレアルリサーチ&イノベーション(所長:バーバラ・ラベルノ、41、リュ マルトル、92117クリッシー、フランス)は、長年の毛髪研究に基づいて開発した、アミネキシル(Aminexil)を、抜け毛スカルプケア製品に応用します。この成分は抜け毛の原因の一つと考えられている毛根鞘の肥大を防ぎ、頭皮を健やかに保ちます。
■ 日本人女性の抜け毛悩みについて
ロレアルが日本人女性15,560名(15-74歳)を対象に2019年に行った毛髪の悩みに関する意識調査では、抜け毛に悩む人の割合は平均27%、10代-30代の若年層でも32-35%と高い割合を示しています。頭頂の毛髪ボリュームの低下は全年齢層では19%の人が悩んでいると回答しましたが、年齢層が上がると共に徐々に増加し、50代以降では平均して27%となっています。

■ 毛包の構造と抜け毛

[画像1: https://prtimes.jp/i/72207/12/resize/d72207-12-2bcaf802ebee1e3d5aa4-0.png ]

毛包は毛を産生している皮膚の器官で、毛の生育をコントロールする毛乳頭、毛の基となる毛母細胞が分裂・増殖する毛球、それらを取り囲んで毛を皮膚に繋ぎ止めている毛鞘などの組織から形成されています。毛包の周りには毛細血管が巡り、酸素や栄養分を供給しています。
健康な頭皮では毛包は皮膚の深い部分に根付いていますが、脱毛症の頭皮では毛包の位置は浅く、毛包周囲の鞘組織が肥大し(図1:右下の写真赤丸部分)、また毛髪が細くなっていることが観察されます。このことから、コラーゲン代謝の不具合によって毛包周囲の鞘組織にコラーゲンが沈着し、鞘が肥大することによって、毛細血管から十分な酸素や栄養が与えられていないことが脱毛の一因ではないかと考えました。

コラーゲンは生体を形成する鎖状タンパク質で、皮膚、腱、骨などを構成し、かつ細胞外マトリクスの主成分です。コラーゲン分子が多く集合して形成されたコラーゲン繊維の構造は、それぞれのコラーゲン分子に含まれるリジンまたはプロリンというアミノ酸が架橋されることによって構造が強化されます。この架橋に関連する酵素の一つであるリジルオキシダーゼをターゲットとして選択しました。

■ リジルオキシダーゼを抑制する分子の開発とその効果

[画像2: https://prtimes.jp/i/72207/12/resize/d72207-12-d3d37265a103c79e67c9-1.png ]

ピリミジンN-オキシドがリジルオキシダーゼの活性を抑制することはよく知られていますが、血圧降下性(血管拡張性)を示すことが化粧品の原料としては問題でした。そこで、ピリミジン N-オキシドの誘導体を150個以上合成し、リジルオキシダーゼの活性を有効に抑制し、かつ血圧降下性を示さない分子、ジアミノピリミジンオキシド(2,4-diamino-pyrimidine N-oxide、アミネキシル)を選択しました。アミネキシルはリジルオキシダーゼの活性だけではなく、この酵素の発現をmRNAレベルで抑制することが分かりました。また、この分子は線維芽細胞が生産するコラーゲンのマトリックス形態を整え、コラーゲン繊維の凝集を防ぐことも示されました(図2)。

■アミネキシルが頭皮に与える影響について
アミネキシルが頭皮に与える影響について、再構築ヒト皮膚モデルを用い、mRNAの発現をQ-PCR(定量的なPCR法)という方法で検討しました。皮膚刺激や酸化ストレスに関与するサイトカイン(細胞が分泌する物質)やコラーゲンの分解に働く酵素などの発現が低下する一方で、表皮細胞のホメオスタシス(恒常性維持)や表皮の再生に関与するタンパク質の発現が上昇することが観察されました。以上の事から、アミネキシルは頭皮の健やかさを保つことが期待されます。

■ アミネキシルを含んだフォーミュレーションの使用テスト
アミネキシルを含んだフォーミュレーションを作製し、日本人女性105名で6週間の使用テストを行ったところ、使用中のアンケートでは「髪のボリュームが出てきた」、「ハリ・コシが感じられる」と回答した割合が時間と共に増え、それぞれ57%、66%と半数以上が毛髪の変化を認識していました。

さらに、中程度の脱毛が認められる男性232名において使用テストを行ったところ、アミネキシルを含むフォーミュレーションを使用した群(n=127)では3か月後には休止期の毛包の割合がコントロールのフォーミュレーションを使用した群(n=105)に比べ、有意に低減していました(図3:左グラフ)。また、使用1.5か月後は休止期の毛包が季節的に増加する時期にもかかわらず、その割合が減少したことが観察されました(図3左グラフ、矢印)。
また、中程度の脱毛が認められる男性119名によるもう一件の使用テストでは、アミネキシルを含むフォーミュレーションを使用した群(n=68)ではコントロール群(n=51)に比べ毛髪密度が6%も増加したという結果が得られました(図3:右グラフ)。
[画像3: https://prtimes.jp/i/72207/12/resize/d72207-12-ea2af781ecacf780afb8-2.png ]

ロレアルはこれらの知見を基に、より高い効果を発揮するスカルプ・ヘア製品開発の可能性を広げていきます。

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ロレアルグループについて (https://www.loreal.com/)
ロレアルは、100 年以上にわたって美に専念してきました。35*の多様で補完的なブランドからなる独自の国際的なポートフォリオにより、グループは 2020 年に 279 億 9,000 万ユーロの売上高を達成し、世界中で 85,400 人の従業員を雇用しています。世界有数のビューティーカンパニー であるロレアルは、マス市場、百貨店、調剤薬局・ドラッグストア、ヘアサロン、トラベルリテール、ブランドリテール、E コマースなど、あらゆる流通ネットワークに展開しています。 研究とイノベーション、そして 4,000 人の研究専任チームは、ロレアルの戦略の中核であり、世界中の 美への熱望を叶えるために活動しています。ロレアルは、2030 年に向けてグループ全体で意欲的な持続可能な開発目標を掲げ、より包括的でサステナブルな社会に向けてエコシステムを強化することを目指しています。*L’OREAL Annual Report 2021 に基づく

ロレアルリサーチ&イノベーションについて
https://www.loreal.com/ja-jp/japan/articles/science-and-technology/beauty-research-and-innovation/
日本における研究開発は1983年にスタートし、現在、日本ロレアル リサーチ&イノベーションセンター(所在地:川崎市、所長:アミット・ジャヤズワル)として、戦略的なイノベーション拠点としての役割を担っています。数ある外資系化粧品企業においても、もっとも歴史ある研究開発部門であり、いち早く日本の文化、歴史、社会を深く理解し、200名以上の研究員が、ラグジュアリーブランドをはじめ、グループの各ブランドおよび様々なカテゴリーの製品開発を行っています。代表的なブランドはランコム、シュウ ウエムラ、キールズ、ヘレナ ルビンスタイン、ケラスターゼ、ロレアル プロフェッショナル、メイベリン ニューヨークなど。



プレスリリース提供:PR TIMES

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