プレスリリース
DATASALADとTポイントのデータを活用し地域経済の活性化に取り組みます
公益財団法人九州経済調査協会(所在地:福岡県福岡市、理事長:高木直人、以下「九経調」)と、CCCMKホールディングス株式会社(本社:東京都渋谷区、代表取締役社長:高橋誉則)にて、『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として地方課題をさまざまな方と共に解決していくことを目指すCCCマーケティング総合研究所(所長:新橋実、以下「CCCマーケティング総研」)は、2022年9月23日(金)に開業した西九州新幹線について、開通駅エリア(武雄温泉駅、嬉野温泉駅、新大村駅、諫早駅、長崎駅周辺)の開通後1ヶ月の来訪者数や宿泊施設の稼働状況、来訪者像の変化を分析し、その結果を共同で発表しました。
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■取り組みの背景
西九州新幹線の開業により、地域経済の活性化や観光客増加への期待が高まっています。西日本有数の情報拠点として多様なサービス・活動を展開する九経調は、オープンデータやビッグデータを収集・解析できる九州地域経済分析プラットフォーム「DATASALAD(データサラダ)」を活用し、開通後1ヶ月の来訪者数や宿泊施設の稼働状況の変化を検証しました。また、CCCマーケティング総研では全国約7,000万人が利用するTポイントのデータをもとに、来訪者の特徴や来訪者像の分析を行いました。
九経調とCCCマーケティング総研は、それぞれが有するデータについて地域経済への利活用を進めており、本発表はその一環として取り組むものです。両社の分析結果を組み合わせることで、市場というマクロ視点と来訪者というミクロ視点の両方で変化を捉えることができ、地域経済の分析を一気通貫で行うことが可能になります。
■九経調の分析
西九州新幹線が開通した2022年9月23日を基点として、開通後の1カ月間(2022年9月23日〜2022年10月22日)と、前年の同期間(2021年9月24日〜2021年10月23日)について、スマートフォンの位置情報をもとに算出している来訪者数(おでかけ指数)、および宿泊予約サイトに掲載の空室情報をもとに算出している宿泊施設稼働状況(宿泊稼働指数)の市町村別の変化を分析した。
<分析結果>
・観光需要が大きい沿線自治体で来訪者数が増加
おでかけ指数によれば、開通後1カ月間の来訪者数(20km圏外からの通勤・通学以外の来訪者)は武雄市で90%、嬉野市で73%、長崎市で66%増加。開業初日の記念イベントの効果に加え、特に武雄市では翌日以降も増加傾向が持続。
・周辺地域への波及はまだら模様
周辺地域も含めた西九州エリアでは、佐世保市や伊万里市でも同期間に来訪者数が増加。一方、在来線沿線の鹿島市や佐賀県太良町のほか、武雄市に隣接する佐賀県有田町や長崎県波佐見町では伸び悩みも。
・宿泊施設の稼働は周辺地域含め上昇
宿泊稼働指数によれば、西九州エリア全体で宿泊施設の稼働が上昇し、空室が少ない状況。供給が大きい長崎市でも稼働が大幅に上昇。全国旅行支援も後押しに。
■CCCマーケティング総研の分析
西九州新幹線が開通した2022年9月23日を基点として、開通後の1カ月間(2022年9月23日〜2022年10月22日)と、前年の同期間(2021年9月24日〜2021年10月23日)の西九州新幹線開通駅周辺1.5kmのTポイントの利用データを用いて、西九州新幹線開通後の開通駅エリア利用者(開通駅エリア居住者は除く)の変化を分析した。
<分析結果>
・西九州新幹線開通後の開通駅エリア利用者は、旅行好きなミドル層(40〜60代)の男女
休日は夫婦や家族と出かけるアクティブ志向で、自分の好きなものはこだわりをもって楽しむ。国内旅行や写真・映像が趣味で、お酒も好む。好きなお酒に関しては、プレミアムラインの限定品や新商品などを積極的に試したいタイプ。
・東京都を中心とした関東エリアからの来訪者が増加
九州エリア内では、福岡県・熊本県・大分県・鹿児島県からの来訪者に伸長傾向がみられる。
・「鉄道好き」「乗り物好き」なコアファンの傾向が見られる
「JR時刻表」が特徴的に購入されており、「るるぶ長崎」「まっぷる長崎」の購入割合も高い。また、育児雑誌も特徴的に購入されており、子育て中のファミリー層でもある。
・開通後に九州外からの来訪者拡大傾向が見られるのは、「長崎駅」「諫早駅」
開通駅の中で九州外からの構成比が最も高くなったのは「長崎駅」で、関東エリアからの来訪者が+5.4ポイントとなった。次いで「諫早駅」で、関東エリアからの来訪者が+3.9ポイントとなった。
今後も両社は継続してデータ分析を行い、西九州新幹線開通後の変化の可視化に取り組みます。地域の観光業や観光行政に役立てていただくべく、2022年度中に共同セミナーを実施する予定です。引き続きデータを活用した地域活性化に取り組み、課題解決に向けたアクションを地域の皆さまと共に検討してまいります。
■今回の分析結果の詳細は下記からご覧いただけます
<九経調の分析結果詳細>
https://datasalad.jp/report/news/20221124/
<CCCマーケティング総研コラム>
https://www.cccmk.co.jp/thinktanks/co-creation-04
■九経調の概要
名称:公益財団法人九州経済調査協会
URL:https://www.kerc.or.jp/
設立:1946年10月25日(2013年4月1日に公益財団法人に移行)
九州・沖縄・山口の地域経済産業に関する総合的調査研究と政策立案、ならびにそれに関わる事業を行い、もって地域経済の伸長を図り、ひいてはわが国の発展に寄与することを目的として、産学官の連携のもと1946年に設立されました。九州・沖縄・山口地域を中心とする経済社会に関する調査研究や統計・調査研究報告書および機関誌の発行は、地域振興に役立つ「知の生産」として、その歴史を積み重ねています。そして、国内外の経済資料の収集という「知の蓄積」と、セミナーおよび講演会の開催といった「知の交流」。九経調は、これら3つの機能を兼ね備えた西日本有数の情報拠点として、多様なサービス・活動を展開しています。
■CCCマーケティング総合研究所の概要
名称:CCCマーケティング総合研究所(CCCマーケティング総研)
URL:https://www.cccmk.co.jp/thinktanks
設立:2020年7月21日
生活者の消費データ、インサイトや心の変化、さらには社会環境や経済情勢などを踏まえ、生活者のみなさまの「ちょっといいな」を実現するために、2020年に発足しました。
我々は『生活者の皆さまと共に歩み、共に考えるシンクタンク』として生活者の意識把握に努め、その声をもとに「データ」×「クリエイティブ」×「コンサルティング」のチカラによって皆さまの未来創造に伴走します。
プレスリリース提供:PR TIMES