プレスリリース
思いあるファイナンスで 1億円の資金調達を支援!ミャンマー政変で経営戦略を変更した新興国ゼブラ企業の「Finance For Pourpose」第一号調達事例
株式会社Zebras and Company(ヨミ:ゼブラ アンド カンパニー、本社:東京都港区麻布十番、代表取締役:阿座上陽平、陶山祐司、田淵良敬、以下Z&C)は、昨年9月にリリースした、企業が社会的インパクトと成長を両立するために"思いあるファイナンスプラン"をデザインする新事業「Finance For Purpose」(以下F4P)を活用し、ミャンマー農村部の課題解決を目指すベンチャー企業の約1億円の資金調達のサポートを行いました。今回はそのF4Pの第1号事例となる資金調達までの内容を公開いたします。
また、今回のF4Pを通じて支援先企業の成長と社会的インパクトを確信し、Z&Cとしても約1,000万円の投資の実行をご報告致します。
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「F4P ( Finance For Purpose ) 」とは
「思いのあるファイナンスプランをデザインする」をコンセプトに、資金調達モデルや資金提供者像を作り出すZ&Cの新事業です。「自分たちの思いと時間軸に合う資金調達の方法がわからない」、「資金調達はしたものの投資家と意見が合わなくなって困っている」といった起業家の課題を基に、企業が求める社会的インパクトと成長をより両立しやすくなる事を目指し、2021年9月にリリースしました。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000081881.html
経営者が抱える「資金調達に関する固定観念」や「資金調達・金融に関する投資家との知見・経験の差」といった根本的な課題に対し、エンジェル投資・企業の戦略投資・純投資・銀行融資・国や地域からの支援など複数の資金調達方法を組み合わせるブレンデッドファイナンスの考え方など、Z&Cがこれまで培ってきた投資や事業運営の経験・ノウハウを用いながら、資本と経営と社会的インパクトが一つにつながり、持続的に活動するための「思いあるファイナンスプランのデザイン」を提供します。
今回の支援先企業
ミャンマーの地方の零細事業者や生活者に金融や物流のサービスを提供し、排除される人のない経済をつくることを目指す2015年創業の日系ベンチャー企業です。
低所得層へ小口融資を行うマイクロファイナンス機関に対してクラウドシステムを提供する金融クラウド事業と、農村で小規模な商店を営む方に食品・日用雑貨等の販売・配達を行うコマース事業の2事業を展開しています。
企業名に関してはミャンマーの社会情勢を鑑みて非公開とします。
※7月12日(火)18:00-19:30に、当該企業の経営者とともに、今回のF4Pで行ったことを共有するオンラインセッションを開催します。参加ご希望の方は文末詳細をご確認ください。
今回の「F4P」資金調達の方法
今回は約7ヶ月間に渡りブレンデッドファイナンスのスキームを用いて、エンジェル投資、株式型クラウドファンディング、助成金などの組み合わせに加え、Z&Cからも約1,000万円を出資し、合計約1億円の調達を実現しました。
「F4P」に辿り着くまでの背景
同社は2021年後半にシリーズAの資金調達をする計画でした。しかし2021年2月に発生したクーデターによりミャンマーのカントリーリスクが増大、3年から5年でのIPOを目指す通常のVC(ベンチャーキャピタル)からの資金調達を行うことが極めて難しい状況となりました。
政変直後から従業員の安全確保やオペレーションの一時休止、金融機能不全や物流インフラの混乱への対処など危機対応に追われる中、資金調達の目途が立たず2021年末に事業をクローズさせる可能性も出た中で、お問合せ頂いたのが「F4P」でした。
実際に行った工程
[画像2: https://prtimes.jp/i/81881/10/resize/d81881-10-c9719b6bc74062366584-1.jpg ]
<F4P(Finanace For Purpose)の約7ヶ月のプロジェクトスタートから完了までの工程図:フェース1においては「Theory of Changeの策定」を行い、社会的インパクトを起点とした戦略を描き、その上で、ヒト・モノ・カネの調達プランを練る。フェーズ2では、実際の資金調達にしっかり並走する。投資家やその他金融機関への提案、さらなる選択肢の検討などあらゆる手段を尽くす。>
毎週2時間の定例ミーティングを行い、事業の“棚卸し”と戦略策定を実施。最初に議論したのは、同社が起こしたい社会的インパクトを起点に事業戦略を整理し再定義する「セオリーオブチェンジ(*Theory Of Change:以下「TOC」)」です。その後、TOCの議論を踏まえ、新たな事業戦略や資金調達プランの議論に移りました。
今回同社が計画する成長シナリオは、10年以上の時間がかかるとしても大きな規模へ成長していく可能性が高いため、「配当」の形で株主還元するよりも、IPOを目指す形が向いていると判断し、資金調達のプラン策定しました。
当然”茨の道”であるが、同社のビジョンや社会的インパクトが持つ共感を呼び起こす力、ミャンマーの政治混乱が解決した先にある高い経済成長の可能性、事業の大きなポテンシャルを見込んでチャレンジすることになりました。
*セオリーオブチェンジ(Theory Of Change:TOC)とは
TOCとは、社会課題の解決を目指す事業に必要なものとして、アメリカで考案され世界中で広がっている経営骨子の考え方のこと。
具体的には、「自分たちが取り組んでいる社会課題が、どのような仕組みの中で生まれて来ているか」、「その課題に、どのように働きかけて変化を起こしていくのか」を説明する理論のことです。
出来上がったTOC
[画像3: https://prtimes.jp/i/81881/10/resize/d81881-10-2d27fad2d9af08a289ed-2.jpg ]
資金調達がうまくいったポイント
今回の支援先企業は、『社会的不公正を是正する』といった理念を掲げて2015年からミャンマーにコミットし、2021年2月以降に生じたカントリーリスクこそあれ、実際に事業を開発してきた企業です。今回の資金調達も、慈善事業でもお涙頂戴のストーリーでもなく、経済的合理性があり長い目で見れば大きな成長・リターンが見込める事業であるという点を丁寧にバランスよく伝えたことで、応援投資・共感投資を受けることができたのだと考えます。
※詳しくはこちらの記事で紹介しています
https://www.zebrasand.co.jp/1452
Z&Cが投資をした理由
F4P事業の一貫として支援する中で、同社は長期的な視点で社会性と経済性を両立しているまさに"ゼブラ企業"だと感じました。ゼブラ企業の成長を支援して社会課題の解決・見える化を推進することや、その姿を見せることを通じてゼブラ企業・サポーターの増加や資金供給の増大に貢献していくという私たち自身が目指しているTOCとも合致していることもあり、F4P完了後に私たちとしても出資させていただくことになりました。
また、同社は、政変下のミャンマーという極めて厳しい環境においても、地道で泥臭い事業開発を着実に積み重ね、将来の大きなインパクト・高い収益性の可能性を投資家に見せることに成功しています。今後とも、同社の事業展開を通じて、他のゼブラ企業の参考となるような学びが得られるのではないかと考えたことも、私たちとして出資をさせていただいた理由の一つです。
投資先経営者のコメント
2021年2月にクーデターが発生し年内の事業撤退を覚悟しました。こんな状況で投資が集まるとはとても思えなかったからです。
しかし、クーデターによる経済悪化により弱い立場の人々がより苦しい環境に追い込まれる中、私たちの事業でしか届けられない価値がありました。
ダメ元で手を尽くそうと始めた資金調達でしたが、Z&Cさんのフルコミットの伴走(単なるコンサルに留まらず手も足も全力で稼働して頂きました)のおかげで、奇跡的に1億円超の調達が実現しました。
成長可能性と社会的価値の両方をバランスよく伝える戦略やコミュニケーションを、Z&Cさんと一緒に丁寧に作り上げたことで、多くの投資家の方に共感頂けたと感じています。
勤勉な国民性や若者の成長意欲などミャンマーの潜在力は揺るぎなく、この国には必ず明るい将来が戻ると信じています。この調達を活かして、真にミャンマーの人々の生活を支え機会を拡げられる事業を創る、その挑戦を続けていきます。
投資家のコメント
・株式会社taliki 代表取締役CEO 中村多伽さん
https://www.taliki.co.jp
創業者の方のご経歴や事業計画の蓋然性・長期的な市場成長率などを鑑みた上で経済的なリターンへの期待はありますが、社会課題解決を真に目指す仲間として参画できたことを嬉しく思っています。
カントリーリスクが高い時期だったからこそ、投資検討プロセスそのものが社会課題解決を標榜している私たちの存在意義を見つめ直す機会となりました。今後も当社の発展から少しでも多くのミャンマーの方々の生活が豊かになることを願います。
・高木ビル/BIRTH/TAKAGIパートナーズ 代表 高木 秀邦さん
https://t-bldg.jp
政変という不確定変数の投資リスクは小さくなかったですが、数年前から着実に事業を構築し信念を持って小さな成果を積み重ねている姿に明るい未来を感じました。単独の投資判断として困難を感じているときに、Z&Cの支援の動きが活発化し、投資家側としても伴走者が多くいる心強さを感じ投資判断に至りました。「思いに寄り添う投資」と「経済合理的投資」の両立がZ&Cの支援とF4Pの価値であり、経営者にはこの両輪に応えるべく、ひたむきなチャレンジを続けてほしいと願ってます。
・株式会社Zebras & Company 代表取締役陶山祐司
今回の支援先の経営者とは、元々2019年にあるビジネスコンテストにてお会いしました。その際も大変素晴らしい経営者だなと感じていましたが、その後も事業開発を着実に進め、社会的インパクトを生みつつ高い経済性も見込まれる事業を本気で進めてきたことが、今回の調達に繋がったと感じています。今回のF4P事業をきっかけに、今後の事業展開もご一緒できること、大変嬉しく思っています。
イベントのご案内
当該企業の経営者とともに、今回のF4Pで行ったことを共有するオンラインセッションを開催します。参加ご希望の方は、下記フォームより登録してください。
<Z&C主催:F4P事例共有イベント>
・開催日時:7月12日(火) 18:00-19:30
・開催方法:オンライン(追ってURLご案内致します)
▽参加申込み用フォーム
https://forms.gle/8Pua6sRR1AQWF72Y8
F4Pについてのお問い合わせ
「F4P」によるファイナンスプランのデザインには基礎計画でおおよそ2-3ヶ月、さらに資金調達の実行に3−4ヶ月がかかると見込んでいます。具体的な実施概要やスケジュールなどはこちらでご確認下さい。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000004.000081881.html
■対象企業
1:ある程度のプロダクトマーケットフィットが終わって次なる成長を考えるアーリー段階にあるゼブラ企業
2:老舗企業のように長く事業を続ける中で地域やコミュニティのために事業を開いていくために新しい関係性作りとしてファイナンスプランを検討している企業
■F4Pお問い合わせフォーム
https://www.zebrasand.co.jp/contact
以上
▼株式会社Zebras and Company(ゼブラ アンド カンパニー)とは
「Different scale , Different future」をテーマに、誰もが社会課題解決と持続的で健康的な企業経営に挑戦できる「優しく健やかで楽しい社会」を目指し投資と経営支援を行う会社です。投資・経営支援、行政や金融企業との連携、「ゼブラ企業」に関するリサーチと情報発信を通してゼブラ的経営を体系化し、「ゼブラ企業」という概念が全ての企業にインストールされる世界を目指しています。
※「Zebra」という概念はZebras Uniteが提唱している概念です。Z&Cは本概念に賛同しパートナーとして「Zebra」の日本社会への実装を行っていきます。
https://www.zebrasand.co.jp
▼株式会社Zebras and Company 会社概要
社 名:株式会社Zebras and Company
設 立:令和3年3月12日
事 業:「ゼブラ企業」という概念の認知拡大のためのムーブメント・コミュニティづくり、及び、社会実装のための投資や経営支援の実行
代表取締役:阿座上陽平、陶山祐司、田淵良敬
監査役:三尾徹
公式サイト:https://www.zebrasand.co.jp
公式Facebookページ:https://www.facebook.com/zebrasandco/
公式instagram:https://www.instagram.com/zebrasandco/
公式Twitter:https://twitter.com/zebrasandco
プレスリリース提供:PR TIMES