プレスリリース
〜内閣府SIP第3期補正予算「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」に採択〜
2024年11月12日
学校法人 自治医科大学
DeepEyeVision株式会社
本リリースは、報道関係者や学術関係者等へ、研究活動情報ならびに企業活動情報等を提供することを目的としています。本文中に、医療機器・医薬品に関する情報が含まれる場合がありますが、一般の方への顧客誘引や医学的な助言を意図するものではありません。
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自治医科大学(所在地:栃木県下野市、学長:永井 良三、以下「自治医大」)ならびに、自治医科大学・筑波大学発ベンチャー・DeepEyeVision株式会社(本社:栃木県下野市、代表取締役CEO:高橋 秀徳、以下「DeepEyeVision」)は、Large Multimodal Model:大規模マルチモーダルモデル(以下「LMM」※1)を利用し、眼底検査の画像※2から、疾患名ならびに読影所見を自動生成するシステムの開発を行いました。これにより、医師が電子カルテ等に読影結果の所見等を記入する時間を大幅に削減出来るようになり、「医師の働き方改革」の推進に寄与することが期待されます。
なお、本システムは、内閣府の戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第3期補正予算「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用※3」(以下「SIP3」)の一環として構築され、2024年度中に、自治医科大学健診センター等にて運用開始される予定です。
1.開発の背景
急速な高齢化の進展により、緑内障や白内障、加齢黄斑変性などに代表される眼科疾患の患者が増加する中、眼底検査画像を読影する眼科専門医の数は慢性的に不足している状況です。その結果、とりわけ健診における眼底検査においては、眼科専門医から、健診医を通じて被検査者に通知する検査所見をシステム等へ入力する際に多くの時間を割く必要が生じ、医師の長時間勤務につながっていることが課題になっています。
2.研究内容と意義
そこで、自治医大ならびにDeepEyeVisionでは、LMMを用いて、眼底検査の画像から、疾患名ならびに読影所見を自動生成するシステムの開発を行いました。具体的には、複数の種類の情報を処理出来るLMMの特性を生かし、眼底画像のほか、電子カルテに記載された受診者の年齢や性別、既往歴等の問診情報などを同時に取り込み、適切な検査所見案をテキストとして出力し、それを参考にして、読影を担う眼科専門医が所見を作成するワークフローを構築します。これにより、読影にかかる時間が、従来に比べて70%〜90%近く削減※4され、「医師の働き方改革」の推進に寄与することが期待されると同時に、所見内容の平準化を通じて、全身所見のとりまとめを行う健診医と受診者、それぞれの理解度、満足度の向上を実現します。
自治医大ならびにDeepEyeVisionでは、今回構築したシステムを、SIP3で開発する日本語医療LMMと結合した上で、2024年度内をめどに自治医科大学健診センターで試験運用するほか、DeepEyeVisionが提供する眼底画像遠隔読影サービス※5のシステムに組み込んで運用し、読影時間の短縮等、定量的な効果測定を行っていきます。
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LMMによる眼底読影所見生成機能を実装したシステム画面
3.第78回日本臨床眼科学会併設器械展示会への出展と、関連研究のシンポジウム登壇について
DeepEyeVisionは、第78回日本臨床眼科学会併設器械展示会にて、本AIモデル※6のデモンストレーションを実施いたします。
第78回日本臨床眼科学会
会期:2024年11月14日(木)〜17日(日)(併設器械展示会は16日(土)までとなります)
会場:国立京都国際会館、ザ・プリンス京都宝ヶ池
小間番号:N-16
出展者名:DeepEyeVision株式会社
また、本研究開発に関連して、DeepEyeVision 代表取締役CEOである高橋 秀徳ならびに、DeepEyeVision顧問の古山 誠が、以下要領にて登壇いたします。
第78回日本臨床眼科学会
シンポジウム19 眼科臨床と人工知能研究
日時:11月17日(日) 8:50〜10:10
会場:第1会場
高橋 秀徳(筑波大・自治医科大学) 『網膜無灌流領域の推定』
古山 誠(南子安眼科) 『OCT 3Dデータからの視野閾値推定』
https://convention.jtbcom.co.jp/78ringan/program.html
■本研究開発に関するコメント
自治医科大学 永井 良三 学長 からのコメント
AI技術の進展は著しいものの、日本国内の医療分野に限っていえば、社会実装は進んでいるとは言いがたい。
そのような状況において、既に複数の医療機器プログラムの医療機器認証を取得し、着実に医療AIの社会実装を進めている、高橋医師率いる自治医大発ベンチャー第1号企業・DeepEyeVision社の存在は大変心強い。
同社を通じて、本学の研究開発成果が社会に還元され、より良い医療の提供につながることを期待したい。
(※1)LMM(Large Multimodal Model:大規模マルチモーダルモデル)は、LLM(Large Language Model:大規模言語モデル)の基盤上に展開されるモデルであり、従来の自然言語に加えて、画像や音声、動画など複数のモダリティを入出力情報として扱うことが可能です。
(※2)目の奥の網膜を撮影した写真。目の中は透明であることから、人体で唯一血管を傷つけずに撮影でき、高血圧・糖尿病などの全身疾患も分かります。
(※3)内閣府SIP第3期補正予算 「統合型ヘルスケアシステムの構築における生成AIの活用」
機関名:東京大学・先端科学技術研究センター
研究開発テーマ名:テーマ2:医療LMM基盤の研究開発・実装
研究課題名:高信頼・高性能医療LMMの研究開発と社会実装
共同研究開発機関である自治医科大学の「眼底画像を読影支援する医療LMMの開発」に臨床医学チームとして参加
https://sip3.ncgm.go.jp/
(※4)長岡ら.判断根拠を示す人工知能ヒートマップの眼科専修医読影への効果 第126回日本眼科学会総会抄録集 2022
橋本ら.判断根拠を示す人工知能ヒートマップの眼科医読影への効果 第3回日本眼科AI学会総会 2022 等
(※5)DeepEyeVisionが提供する遠隔読影受託サービスで、株式会社エスフィルおよびシーメンスヘルスケア株式会社のプラットフォーム上で展開しています。なお、本件システム本体は第三者へ提供されず、DeepEyeVision社内でデータを解析する際にのみ利用されるものであり、医療機器には該当しません。本システムと、DeepEyeVision社によって医療機器認証を取得した医療機器プログラムとは、システムアーキテクチャ、学習データ、アルゴリズム等も含めて、別個のものとなります。
(※6)本モデルは、未承認医療機器(非医療機器)として、学会に申請を行った上で展示されるものです。販売・授与は一切できません。
・自治医科大学について
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自治医科大学は、医療に恵まれないへき地等における医療の確保及び向上と地域住民の福祉の増進を図るため、昭和47(1972)年に全国の都道府県が共同で設立した大学です。医の倫理に徹し、かつ、高度な臨床能力を有する医師並びに保健医療と福祉に貢献できる総合的な看護職を養成することを目的とし、併せて医学及び看護学の進歩と福祉の向上に資することを使命としています。
お問い合わせ先
学校法人自治医科大学 大学事務部・研究推進課
Tel. 0285-58-7550
Fax. 0285-40-8303
・DeepEyeVision株式会社について
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筑波大学 サイバーメディスン研究センター 教授、自治医科大学 准教授である、高橋秀徳(医学博士)が、学術研究の場で生まれた医療AI技術を社会に還元することを目的として設立した、自治医科大学・筑波大学発ベンチャー企業です。AIによる画像診断技術をいかし、眼科領域に留まらず、あらゆる医療分野の高度化をミッションとして、研究開発を行っています。
代表者:代表取締役CEO 高橋 秀徳
本社:栃木県下野市薬師寺3311-1 自治医科大学眼科学講座内
ウェブサイト:https://deepeyevision.com/
資格
第二種医療機器製造販売業(許可番号 09B2X10014)
医療機器製造業(登録番号 09BZ200083)
管理医療機器販売業(届出番号 第B42917号)
加盟団体
日本眼科医療機器協会(JOIR)
日本画像医療システム工業会(JIRA)
AI医療機器協議会
Japan Ocular Imaging Registry
日本眼科AI学会
お問い合わせ先
DeepEyeVision株式会社
E-mail: pr@deepeyevision.com
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