プレスリリース
東日本大震災発災から12年3ヶ月/語り部さんのお話を聞いた児童・生徒の73.5%が「自分の中で変わったことがある」65.0%が「家族に話した」
2021年度「JRCオンライン語り部LIVE」に参加された、21校1,247名の児童・生徒(小中高校)に、事前・直後・3月(年度末)の3回にわたるアンケート調査にご協力いただきました。
回答集計結果から、オンライン語り部に参加した年度末の時点で、次のような意識・行動の変化を確認することができました。
「自分の中で変わったことがある」73.5%
「聞いたことを家族に話した」65.0%
行事主催:日本赤十字社 宮城県支部/調査協力:東北大学災害科学国際研究所 佐藤翔輔准教授/開催協力:公益社団法人3.11メモリアルネットワーク
[画像1: https://prtimes.jp/i/110976/8/resize/d110976-8-3e188d0fb2a376c3d96c-0.png ]
※調査結果は、引用可能です。詳しくは、3.11メモリアルネットワークWEBサイトをご参照ください。
「『語り』が生み出す意識・行動変化調査結果(引用可能)」https://311mn.org/info39
2011年以降、東日本大地震被災地では、震災の経験と教訓を伝える「語り部」の活動が継続され、多くの方が参加されています。「2022年震災伝承活動調査」では、2022年は年間約16万人の方が「語り部」を含む震災学習プログラムに参加したことがわかりました(岩手・宮城・福島の3県25団体の合計)。
※3.11メモリアルネットワーク「2022年震災伝承活動調査(速報)について」https://311mn.org/info35
一方で、「語り部さんのお話を聞いた人は、実際にどう変化するのか」については、これまでほとんど実証されてきませんでした。
参加者の変化やその要因を捉えるために、2021年度から、日本赤十字社宮城県支部、東北大学災害科学国際研究所佐藤翔輔准教授の全面的なご協力の下、「JRCオンライン語り部LIVE」参加者へのアンケートを実施しています。
<意識の変化>
語り部さんのお話を聞く前と、聞いた後で、「自分の中で変わったこと」があるかどうかを質問したところ、お話を聞いた直後は85.6%、年度末(3月)の追跡調査時には73.5%の児童・生徒が「自分の中で変わったことがある」と回答しました。
「変わったこと」の一例として、次のような回答がありました。
「大切な人を守りたい」という気持ちになりました。
今までは災害の映像を見ても「大変そうだな」と他人事のようにとらえていましたが、語り部さんのお話を聞いて「もし自分だったら」と考えるようになりました。
家族や地域の人にあいさつをよくするようになった。
1日1日を大切に過ごすようになった。
<行動の変化>
[画像2: https://prtimes.jp/i/110976/8/resize/d110976-8-941a73d5b6d42faf025a-1.png ]
「聞いた話を誰かにしたいと思うか」という質問では、語り部を聞いた直後は78.7%の児童・生徒が「家族に話したい」と回答し、年度末(3月)の追跡調査時には、65.0%の方が実際に「家族に話した」と回答しました。
※参考:「友達に話したい/話した」と回答した方は、直後18.9%、年度末14.2%
家族で話し合った内容としては、次のような回答がありました。
ハザードマップを見て、近所の避難場所をチェックした
安全なところにひなんするため、計画を立てた
(災害発生時に)もしも1人だった場合のことを話し合った
家具の固定、防災バッグの準備をした
今回の調査で、オンラインで語り部さんのお話を聞いた児童・生徒の約3/4が「自分の中で変わったことがある」、約2/3が「聞いたことを家族に話した」と、明確な意識・行動の変化が生まれていることが、明らかになりました。
震災の「語り」は、実際の防災行動を促す力を持っています。
多くの方に、「語り部」に触れていただき、災害に対する意識・行動を変えていくきっかけが生まれることを願っています。
プレスリリース提供:PR TIMES