プレスリリース
九州大学の星野友教授の特許技術をコア技術とし、福岡市をはじめとする公的機関からの支援・共同研究を経てJCCLが完成させた、産学官連携による成果です。
九州大学発スタートアップの株式会社JCCL(本社:福岡市西区)は、このたびCO2分離・回収装置の製品化に成功しましたので、お知らせいたします。
今回製品化されたのは、CO2分離膜性能評価装置「VSS1」及び固体吸収剤によるCO2回収装置「VPSA1」です。
これらの装置は、九州大学工学研究院の星野友教授の特許技術をコア技術とし、福岡市をはじめとする公的機関からの支援・共同研究を経てJCCLが完成させた、まさに産学官連携により生まれた成果です。
株式会社JCCLは、政府が目指すカーボンニュートラルの実現に向けて低コストなCO2分離回収に貢献してまいります。
1. 減圧蒸気スイープ型膜分離性能評価装置(VSS1)
CO2分離膜に、調湿されたCO2含有ガスを流し、透過側を減圧、蒸気供給することで膜の性能を評価する装置。
[画像1: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/125440/7/125440-7-adcbfdba7c64ac9d90f01995d1da0863-1382x649.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
減圧蒸気スイープ型膜分離性能評価装置(VSS1)モデル図
<装置の特長>
・独自の減圧・調圧・蒸気供給・温湿度制御システムにより透過側の相対湿度、圧力、スイープ水蒸気供給量を任意に設定してCO2分離性能を評価し、最適なCO2分離条件を探索・検証可能。
・供給ガスの温湿度およびガスの量、CO2の濃度を任意に設定し、各種燃焼後排ガスや空気などを模擬したガスを供給し、対象ガスに合った最適な分離条件を検討可能。
・供給側および透過側に回収されたガスの量、CO2の濃度、温湿度、圧力を計測、記録可能。
・独自の調圧・調湿機能および排水機構により加湿・水蒸気供給実験で課題となる結露を防止し、万が一結露水を生じた際も装置を止めること無く排水が可能。
・CO2濃度計の自動校正及び装置の自動制御システムにより長期間の耐久・実証試験が可能。
<優位性>
・1%のCO2を75%以上の濃度まで濃縮できることを確認済み。13%のCO2を1ヶ月以上安定して97%以上まで濃縮できることを確認済み。関連特許の出願・取得済み。
・JST、JAXA、文部科学省、福岡市などの公的機関からの支援・共同研究を経て完成。量産及び拡販に向けたパートナー企業との連携体制を構築。
・アミン含有ゲルを分離膜の材料に使うことで乾燥に必要なエネルギーが不要となり、低コストなCO2分離プロセスを実現可能。
2. 減圧蒸気スイング型CO2回収装置(VPSA1)
調湿されたCO2含有ガスを固体吸収剤に供給してCO2を吸収させ、相対湿度が自動制御された減圧蒸気を定量供給することで1日2kg程度のCO2を97%以上に濃縮・回収できる装置。
[画像2: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/125440/7/125440-7-1f3ed96dc8d1d13517fca32d4fc05fe5-1249x594.png?width=536&quality=85%2C75&format=jpeg&auto=webp&fit=bounds&bg-color=fff ]
減圧蒸気スイング型CO2回収装置(VPSA1)モデル図
<装置の特長>
・独自の減圧・調圧・蒸気供給・温湿度制御システムにより回収時の圧力、水蒸気供給量を任意に設定して分離性能を評価することで最適な分離条件を実験的に探査・検証可能。
・供給ガスの温度および相対湿度を任意に設定し、各種燃焼後排ガスや室内空気などを模擬したガスを供給し、対象ガスに合った最適な分離条件を検討可能。
・回収されたガスの量およびCO2の濃度は体積流量計およびNDIR式のCO2濃度計で長時間に記録可能。
・独自の自動調圧・調湿機能および排水機構により加湿・水蒸気供給実験で課題となる結露を防止し、万が一結露水を生じた際も装置を止めること無く排水が可能。
・CO2濃度計の自動校正機能及び装置の自動制御機構により長期間の耐久試験が可能。
<優位性>
・JCCLの固体吸収剤『アミン含有ゲル』を最適条件で使用した場合、濃度7%のCO2を97%以上の濃度まで濃縮できることを確認済み。関連特許の出願・取得済み。
・JST、JAXA、NEDOなどの公的機関からの支援・共同研究を経て設計が完了。量産及び拡販に向けたパートナー企業との連携体制を構築。
・湿度が高いガスからのCO2直接回収が可能なJCCLの固体吸収剤を使うことで、排気ガスや空気の除湿が不要となり、プロセス最適化により従来手法に比べ、最大4分の1程度の低コストで回収が可能。(JCCL調べ)
・環境省プロジェクトにより、スケールアップした装置の設計開発およびメタネーションプロセスの実証を複数の企業と連携のうえ実施中。
【今回の製品化に至るまでの経緯】
○ 2020年12月 株式会社日本炭素循環ラボ(現 株式会社JCCL)設立
○ 2022年8月 JCCLがVCから1億円の資金調達を実施
○ 2023年3月 JCCLがVCから2億円の資金調達を実施(累計3億円)
○ 2024年5月 CO2を低コストに回収可能な装置及び材料の販売開始
※ NEDO、JST、JAXA、文部科学省、福岡市などの公的機関からの支援や、多数の企業との共同事業を経て、装置及び材料が完成。
※ 九州大学工学研究院の星野友教授のチームが開発した材料及び装置の特許及び技術をJCCLからライセンス可能。現在、国際特許を含む全36件の特許を出願中又は取得済。
九州大学×福岡市×株式会社JCCL、CO2分離・回収のための装置及び材料の製品化に成功! | 株式会社JCCL
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