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独立行政法人国民生活センター

国民生活センター、マグネットパズル誤飲の注意喚起を実施 小さい子どもの胃や腸に穴があく事故が発生しています

(PR TIMES) 2022年03月15日(火)10時15分配信 PR TIMES

マグネットパズル使用の際は、破損がないことを確認しましょう

独立行政法人国民生活センターは、小さなネオジム磁石を内蔵したパズル玩具の破損による磁石の誤飲事故防止のため、消費者への注意喚起を行いました。
【資料URL】https://www.kokusen.go.jp/news/data/n-20220217_1.html
報道関係各位
令和4年2月17日独立行政法人国民生活センター

[画像1: https://prtimes.jp/i/73835/7/resize/d73835-7-c414f792185a140080ac-0.png ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/73835/7/resize/d73835-7-d6f601375cc13e19d5fb-1.png ]

国民生活センターの「医師からの事故情報受付窓口」(以下、「ドクターメール箱」)では、「マグネットパズルが破損し、内蔵されていた磁石を幼児が複数個誤飲したため、磁石が腸管壁を隔ててつながり手術を要した。」という事故情報が、2020年11月、2021年10月にそれぞれ寄せられています。マグネットパズルとは、強力なネオジム磁石を内蔵した、三角形や四角形などの枠状のパーツ同士を磁力により組み合わせ、平面や立体を造形できる玩具です。幼児や児童の知育玩具として普及していますが、パーツが破損すると、内蔵の磁石が外に出て誤飲をしてしまう可能性があります。

2018年4月にも、小さなネオジム磁石そのものを複数個組み合わせて使うマグネットボールの誤飲事故について注意喚起を行いました。今回、上述の事故発生を受けて類似事故再発防止のために、消費者に注意喚起を行うこととしました。
ドクターメール箱には、以下のような事故情報が寄せられています。

・相談事例

【事例1】3個の磁石を誤飲し、胃及び腸管壁を穿孔
六角形のマグネットパズルが表裏の樹脂が外れるように壊れ、樹脂の中に6個あったネオジム磁石のうち5個がなくなっていることに家族が気付いた。当日及び翌日に嘔吐があり、病院の救急外来を受診した。腹部エックス線写真では胃内に3個の異物がみられ、誤飲と診断された(写真2参照)。症状は特になかったため、自然排泄を期待し、経過観察となった。誤飲から4日後に病院を受診した際も、腹部エックス線写真では異物が移動していなかった。摘出困難であったため転院搬送され、内視鏡的摘出ができず、胃内の磁石と、より肛門側に存在する磁石が腸管壁を隔ててつながっていると考えられた(写真3参照)。誤飲から5日後に腹腔鏡下手術により摘出された。磁石は胃と腸管壁を穿孔(穴があくこと)していた。
[画像3: https://prtimes.jp/i/73835/7/resize/d73835-7-084da90a469f0ddec05b-2.png ]

(事故発生年月 2020年11月、4歳・女児)


【事例2】2個の磁石を誤飲し、腸管壁を穿孔
三角形のマグネットパズルの両面がきれいに剥がれるように壊れ、パーツ内の磁石を2個誤飲した。夜中に腹痛と嘔吐症状があり医療機関を受診した。検査の結果、腹部に磁石2個が停滞していることが分かり、転院搬送された。全身状態は安定していたが自然排泄されなかったため、受診から11日後に腹腔鏡下手術が行われ、磁石2個が摘出された。強力な磁力により、磁石が腸管壁を破っていた(写真4参照)。
(事故発生年月 2021年9月、2歳・男児)
[画像4: https://prtimes.jp/i/73835/7/resize/d73835-7-cfec774263ffe424dedf-3.png ]



・事故関連品の磁束指数

ドクターメール箱に寄せられた2件の事故事例は、いずれもマグネットパズルの枠状のパーツが分離するように破損し、外部に出たネオジム磁石を誤飲したと考えられるものでした。そこで、寄せられた事故事例の2銘柄を含む、7銘柄の市販マグネットパズルに内蔵された磁石の強さや表示の内容を調査しました。この7銘柄には、ST基準、EN規格、ASTM規格のいずれかの規格基準に適合しているマークが付されていました。

内蔵されているネオジム磁石には強い磁力があり、万一、マグネットパズルから外部に出たものを複数個誤飲した場合には、消化管を穿孔する危険性がありました

[画像5: https://prtimes.jp/i/73835/7/resize/d73835-7-802f0094df4b8ef1ff0d-4.png ]



磁束指数は磁力の強さを表す指標の一つであり、磁束指数が大きいほど引き合う力は強く、ネオジム磁石を複数個誤飲した場合には、磁石同士が体内で消化管を隔ててつながり、消化管を穿孔する危険性があります。そのため、ST、EN、ASTMの各規格基準では、玩具自体または比較的容易に脱落する磁石が含まれているものに対し、子どもが飲み込めてしまう大きさの場合に磁束指数の上限を50(kG)2mm2とする旨が定められています。一方、マグネットパズルの場合、子どもが飲み込める大きさではなく、ネオジム磁石が容易に脱落する構造ではありませんが、事故事例では枠状のパーツが破損し、外部に出たネオジム磁石を子どもが誤飲していることから、参考としてマグネットパズルを分解して取り出したネオジム磁石の磁束指数を測定しました。測定の結果、取り出したネオジム磁石の磁束指数は、いずれも各規格基準で定められた上限を上回っており、過去に当センターが公表したマグネットボールと同等またはそれ以上の強さを持ったネオジム磁石が内蔵されていることが分かりました(図3参照)。


・消費者へのアドバイス

(1)マグネットパズルの破損によりネオジム磁石を誤飲し、腸管壁等を穿孔する事故が発生しています。誤飲事故防止のため、マグネットパズルを子どもに使用させる際は、破損がないことを確認しましょう

(2)万一、ネオジム磁石を誤飲した可能性がある場合には、直ちに医師の診察を受けましょう

(3)誤飲事故防止のため、対象年齢を確認し、対象年齢未満の子どもが触ってしまわないよう留意しましょう

表示内容の調査、業界・事業者への要望、インターネットショッピングモール運営事業者への協力依頼、行政への要望については、下記報告書をご参照ください。
[報告書本文] https://www.kokusen.go.jp/pdf/n-20220217_1.pdf


[画像6: https://prtimes.jp/i/73835/7/resize/d73835-7-04da7c1b7e9126d0e9bf-5.jpg ]



国民生活センター公式LINEアカウント
LINE ID:@line_ncac



プレスリリース提供:PR TIMES

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