プレスリリース
NPO法人つなげるのToCが、ついに完成!
2020年春から足掛け1年半(ToC作成1年、デザイン化半年)をかけ、当法人では経営の骨子となる考え方を表すセオリー・オブ・チェンジ(以降、ToC)を作成しました。このToCでは、現代の日本社会において、多胎育児にはどのような問題があり、当法人がどのように多胎家庭に寄り添うことで問題を解決し、より良い社会を実現しようとしているのか、を分かりやすくまとめています。
「多胎育児はなぜ過酷になりやすいのか?」
「なぜ多胎育児の問題は社会から理解されにくいのか?」
「多胎ママが自律的に自分らしく育児を行い、ママの、多胎児の、そしてすべての命の誕生が喜ばれる社会を実現するには、どのような道筋が必要なのか?」
こうした問いをもちながら多胎育児支援に取り組んできた私たちNPO法人つなげるは、この度神戸大学大学院経営学研究科教授の内田浩史さん、神戸大学経営学部内田ゼミの皆さん、一般社団法人セオリー・オブ・チェンジ・ジャパン(ToCJ)代表理事の田辺大さんにご協力いただき、事業の経営の骨子となる考え方である ToC を作成しました。(下記画像の拡大版はこちらより:https://bit.ly/3FxY3mT)
[画像1: https://prtimes.jp/i/87597/6/resize/d87597-6-e28d1ca4f8b743afe909-0.png ]
私たちはこれまでの活動を通し、「多胎ママ *1」が育児に苦しむ状況から助けを得て自立していく道筋を、以下の四つの段階として捉えることができることを明らかにしてきました。
1.いつの間にか社会から断絶された、穴の中に落ちているような段階
2.周囲からの助け(支援)の存在に気付く、穴に向けて手が差し伸べられている段階
3.支援を得て社会とつながり自分らしく育児ができる、穴から抜け出す段階
4.自分以外に支援を必要とする人がいることに気づき、自ら支援しようと働きかける、穴をふさごうとする段階
私たちのToCは、この四つの段階を詳しく記述し、望ましい社会の達成までの道のりとしてまとめたものです。このToCには、具体的な道のりをより詳細に記述したものもあります。<https://tsunagerunpo.com/news/7992#jump>
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*1 このTOCにおいて、そして私たちNPO法人つなげるが「多胎ママ」という言葉を使う場合、「多胎児の育児に自ら関わり悪戦苦闘している当事者」を意味しています。日本においてはママである場合が殆どであるため「ママ」という言葉を用いていますが、場合によっては多胎パパや多胎夫婦、さらには他の家族を指すこともあります。
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今後NPO法人つなげるはこのToCに基づき、様々な状態の多胎ママに支援の手を差し伸べることで、究極的に「誰もが命の誕生を当たり前に喜べる社会を実現する」ことを目指して活動を続けていきます。その中ではToCの各段階に示された社会の状態(途中成果)が達成されているかどうかに関してデータを収集し、定量目標を設定して私たちの活動の意義(社会的インパクト)を統計分析により定量的に明らかにしていく予定です。
このToCは英訳も進めています。英語版が完成した際にはToCJホームページ(https://www.theoryofchange.org/library/toc-examples/)にご掲載頂く予定です。日本発の多胎支援事例を、グローバルに発信いたします。
[画像2: https://prtimes.jp/i/87597/6/resize/d87597-6-b3337c132b9c63309bee-8.png ]
今回、NPO法人つなげるのToCを作成するにあたっては、3名の方に大きくご尽力いただきました。以下にはその3名の方々から、完成に当たってのコメントを頂戴しております。
[画像3: https://prtimes.jp/i/87597/6/resize/d87597-6-1d0ca31ab882c6acf79a-5.png ]
多くの人がSDGs(持続可能な開発目標、Sustainable Development Goals)を目にし、社会課題解決に向けた機運は格段に高まっているといえるでしょう。しかし、どうすれば課題を解決できるのか、その道筋は明確ではありません。真の課題は何なのか、どんな活動をすれば解決に近づくのかを一番理解しているのは、現場で実際に課題解決に奮闘している方々です。しかし、そうした方々は往々にして日々の活動に追われ、解決に向けた道筋を可視化して他の人に伝え、支援の輪を広げていくことが難しい状況にあります。
こうした状況を改善しうる、非常に有効なツールが「セオリー・オブ・チェンジ」(TOC)です。この変わった名前のツールに私が初めて出会ったのは、起業だけでなく社会変革の先進地でもあるシリコンバレーでした。様々な非営利団体が生まれ、多くの人々を巻き込み成長していく仕組みが出来上がっているその地で、社会課題の解決に資する金融、すなわちソーシャル・ファイナンス(インパクト・ファイナンス)に研究領域を広げようとしていた際に、成功団体のグッドプラクティス(必勝法)としてTOCが紹介されているのを知りました。
日本に帰り、その真価の程を理解しよう、と始めたのがつなげるTOCです。縁あってNPO法人つなげると繋がり、田辺さんにお話を伺い、学部ゼミの中での実践が始まったのが2020年4月でした。ゼミでのプロジェクトは学生の力作とともに8月で終了しましたが、本格的に作成すべきだと皆が思い、団体側で引き取り、その後半年をかけて、つなげるTOCは完成しました。その後、より多くの人に理解してもらうための桑畑さんによるデザイン化を経て、この度晴れて、インフォグラフィック版のリリースとなりました。その過程で私もつなげるの活動に深く関わるようになり、理事に就任するまでになっていました。
学術研究でも同様ですが、社会課題の解決において最も難しいのは、真の課題の特定と可視化だと言えます。TOCによる可視化は、課題解決に取り組む内部の人たちの意思疎通を容易にし、資金を始めとする外部の様々なリソース獲得を容易にします。つなげるTOCにより、困難を抱える多くの多胎家庭の課題が解決されるとともに、TOCの有効性が広く認識され、様々な社会課題に関するTOCが生まれることを願ってやみません。
[画像4: https://prtimes.jp/i/87597/6/resize/d87597-6-6b91e800a9e44fea1b27-6.png ]
今回のToC作成のファシリテーターを担当し、大変光栄です。参加者のお話の聞き役、そして壁打ち相手を担うことで、場の力が引き出され、合意形成への貢献を終始目指しました。多胎育児という複雑かつ深刻な社会課題は、まだ日本で広く認知されておらず、いわば暗黒大陸のようにも思えます。そこに光を注いでToCで課題解決の因果関係を可視化しようと約一年間試行錯誤の日々でした。
オンラインで対話を重ねてToCが完成すると、次に日本医療デザインセンター代表の桑畑さんにご相談し、ToCのデザイン化が実質約4ヶ月で完了しました。デザイン化されたToCは英訳され、海外でも発信される予定です。すなわち、NPO法人つなげるの方々が、ToCという経営の骨子の考え方に加えて、デザインの力を獲得し、世界にも取り組みを発信する機会を得ていただければと考えております。
ToCという無形資産を得ることで、寄付募集や助成金申請、人材採用等に活かせます。ふと現場で自分を見失いそうになっても、ToCで立ち返れます。NPO法人つなげるの方々がToCを通じてぜひ多胎育児という社会課題に取り組む仲間を多く増やされますことを願ってやみません。
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一般社団法人セオリー・オブ・チェンジ(ToCJ)(東京都)について
http://www.theoryofchange.jp
社会課題の解決を目指す事業の経営の世界的方法論であるセオリー・オブ・チェンジ(ToC)の作成支援や研修、研究を行う。ToCコンサルティング会社であるアクトナレッジ(米国、ニューヨーク市)の日本法人として2017年4月に創業。アクトナレッジは世界銀行、ユニセフ、オックスファム等へのToC導入で豊富な実績を誇る。アクトナレッジの双子の組織として、NPOのセンター・フォー・セオリー・オブ・チェンジがあり、後者は非営利でToCの研究や普及啓発を行なう。非営利団体であるToCJは世界の知見を活用しつつ、日本国内の社会事業や医療機関等の実践者の方々が確実に、そして優れたToCを作成できるよう日本に根ざした支援を行っている。
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[画像5: https://prtimes.jp/i/87597/6/resize/d87597-6-dacc3c78a7345c1de515-7.png ]
NPO法人つなげるのToCをビジュアライズ(可視化)することによって、二つの成果を生み出すことができると考えました。
一つ目は、これまで関係者が議論を重ねて紡いできた言葉を、より魅力的によりわかりやすく発信できるようにすること。二つ目は、ビジュアライズ(可視化)することによって、関係者の中で新たな発見やアイデアが生まれ、ToCがより鮮明に力強いものになること。おそらく、一つ目の期待から今回のビジュアライズ(可視化)をご依頼いただいたと認識しておりますが、理事の皆さんの素晴らしい姿勢と取り組みによって、二つ目の成果が想像以上のものになったと考えます。
多胎児の育児で悩まれている方たちは、国内の人口の割合からしたら少数派かもしれません。しかし、その一人ひとりに本当に貢献したい、そしてその人たちに貢献することが多胎児の保護者だけでなく、究極成果に掲げた『誰もが命の誕生を当たり前に喜べる社会を実現する』ことを信じて紡ぎ出した結晶だと感じております。
今回のビジュアライズ(可視化)がゴールではなく、NPO法人つなげるに関わる皆様の羅針盤であり、そして本当のスタートになれば、関わらせていただいたデザイナーとしてこれ以上の喜びはありません。
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命の誕生を当たり前に喜べる社会へ
『命の誕生を当たり前に喜べる社会であること』というのが、私が最終的に目指していることです。そのためには、いま生きている私自身・自分自身が、この社会で生きていることに対して、自分の存在自体を喜べることが必要です。そして、それがあって初めて、産まれてきた子どもたちに対して「産まれて、ありがとう」って思えると考えています。
その中で、『育児を、みんなで育てよう』というのを合言葉に、ママ・パパ、企業・行政など「みんなで育児を育てていこうよ」って前のめりになってくれる人たちといっしょに、活動を進めていきたいなと思います。
◎毎月1,000円〜継続的に応援していただけませんか。
ご寄付はこちらから → https://congrant.com/project/tsunageru/3619
◎つなげるの活動の様子を月に1回メルマガで配信しています。
ご登録はこちらから → https://bit.ly/31MFi0A
◎公式サイトで最新の活動情報を公開中!
詳細はこちらから → https://tsunagerunpo.com/
◎2020年3月11日『多胎ママパパ1,000人会議』を開催しました
https://youtu.be/7d4Ij_iBHtM
◎NHKなど多数取材を受けています
『なんで双子を産んじゃったんだろう』|NHK NEWS WEB
https://www3.nhk.or.jp/news/special/kosodate/article/feature/article_201027.html
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運営団体について
NPO法人つなげる
所在地:兵庫県尼崎市塚口町1-25-2
代表者:代表理事 中原美智子
設立:2018年6月28日
URL:https://tsunagerunpo.com/
事業内容:双子・三つ子などの多胎育児家庭支援
本件に関するお問い合わせ先
NPO法人つなげる
担当者名:大野祐一
E-Mail:tsunageru.npo@gmail.com
プレスリリース提供:PR TIMES