プレスリリース
自立援助ホームは、様々な事情で家庭にいられなくなった子どもたちが仕事や学校に通いながら、自立に向けて生活する場所です。
虐待や貧困、非行などによって家庭での居場所をなくし、心も身体も傷ついている子どもたちを支援するNPO法人子どもセンターぬっく(所在地:大阪市内、理事長:玉野まりこ)は、2023年12月1日、男子専用の自立援助ホーム(定員:6名)を開設いたしました。
性別を問わず、子どもたちが経済的・精神的自立を目指せるよう、さらにサポートを充実させて参ります。
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【 自立援助ホーム「Ma-Co」とは 】
この度、堺市内に自立援助ホーム「Ma-Co」を開設いたしました。
「Ma-Co」は、おおむね15歳から20歳くらいの男子を受け入れ、子どもが持っている力を発揮して、自分の意思で自分の人生を選びとり、社会への一歩を踏み出せるようサポートします。
スタッフが常駐しており、コタン(子ども担当弁護士)や児童相談所のケースワーカーなど関係機関の協力も受けながら、自立への準備を行います。
ホーム名「Ma-Co」の想い
自分の人生を切り拓きながら「Make(作る・創造する)」、大人になっていくのを「Mature(成熟した、十分に成長した)」、一緒に支えていきたい「Cooperation(協力、協働、援助)」。
Ma-Coでスタッフやコタンとともに過ごす中で子ども自身が成熟し、これからの人生を築いていけるようにという思いを込めました。
【 家庭に居場所のない子どもたちの実情 】
1.制度のはざま
高校生の養育を担い、高校生活を支えるはずの児童養護施設等は、中卒や高校中退した子どもたちを、ほとんど受け入れていない実情があります。
また、18歳・19歳になってから児童相談所に相談しても、一時保護は法律上できないため、してもらえません。
高校進学率が95%(通信制含むと98%)を超え、大学・短大・専門学校等への進学率も80%を超える社会において、 中卒や高校中退した子どもたちだけでなく、全日制に通う高校生ですら、シェルターや自立援助ホームくらいしか、 生活の場としての選択肢がありません。
ぬっくの自立援助ホームには、自立の準備をする以前に、受容し、養育するところから始める必要のある子どもたちがたどりついています。 受容と自立という2つの課題は両立しがたいところ、その両方の支援が求められる実情にあります。
2.複合的な傷つきによる生きづらさ
幼少期の課題の積み残し、心身の傷つきを抱えたまま、思春期を迎える子どもたちに、自立の支援をすることは大変な困難を伴います。虐待等により尊厳を傷つけられた子どもたちは、対人不信や深い孤独を抱えています。それらは、自傷、人やモノへの依存、困ってもSOSを発さず我慢し続ける、自分から連絡を絶つなど、さまざまな生きづらさとなって表れます。時には非行や問題行動として表れたり、被害者になったり、なりかかったりなど。自立援助ホーム内や、学校・職場等での対人トラブルにつながることもあります。
被害者にも加害者にもならないよう、細心の注意をもって支援しつつも、現実に起きたときには、子どもの気持ちや特性を踏まえながらの対応が必要となります。難しく悩ましい課題です。
3.ニーズに応じる難しさ
スマホを手放したくない、他人との共同生活は無理といった理由で、支援は受けたいのに、シェルター等への入居を希望しない子どもたちが、最近増えてきています。
そのため、相談の入口で途切れてしまうことのないよう、よりそいつつ、現実的な対応が求められています。
【 男子専用自立援助ホーム開所の背景 】
虐待などで安心できない家庭で、暴力や暴言にさらされながら、逃げる場所もなく、我慢して生活を続ける10代の子どもは現に社会にいます。
そんな子どもたちのために、一時保護所がありますが、定員いっぱいで入所できなかったり、集団生活のため個別対応が難しいなどの課題があります。
子どもセンターぬっくは、そんな子どもたちが家庭的な温かさを感じられる居場所として、子どもシェルターや自立援助ホームを運営しています。
これまでに、子どもシェルターと自立援助ホームから183名が巣立ちました。
ぬっくでは、性別を問わない無料電話相談事業を行っており、男子から入所相談を受けることもあります。これまでは男子の支援をしている団体を紹介するなどしてきましたが、女子だけでなく男子の自立援助ホームのニーズも高いことを感じ、「ぬっくでも男子の居場所を持ちたい」という思いを抱いてきました。このような思いから、この度、2箇所目となる自立援助ホームの開所を決断いたしました。
子どもシェルター「ぬっくハウス」について
2016年4月に開所した子どもシェルター「ぬっくハウス」は、虐待・貧困・非行などにより家に帰ることができず、 今日眠るところがないなど、居場所のない子どものための緊急避難場所です。
ぬっくハウスではおおむね15歳から20歳の女子を対象としており、子どもの入居期間は数日から2か月程度を予定しています。
入居した子どもに安心して過ごしてもらえるよう、24時間スタッフが常駐し、衣食住を提供します。
子どもには原則として担当の弁護士(コタン)が就き、スタッフや児童相談所のケースワーカー職員と連携を取りながら、子どもに寄り添い、今後の生活や将来について子どもと一緒に考えていきます。
自立援助ホーム「Re-Co」について
2020年4月に開所した、1箇所目となる自立援助ホームです。
Re-Coでは、15歳〜20歳くらいの女子を受け入れ、スタッフや他の入居者とともに経済的・精神的自立の準備を行います。
子どもたちとコタン、スタッフ、児童相談所のケースワーカーらが参加する「Re-Coミーティング」を月に1度実施し、今後の目標、過ごし方について話し合っています。
【 Ma-Co 施設概要 】
場所 : 大阪府堺市
対象 : 15歳から20歳の男子
定員:6名
〈施設内の詳細〉
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部屋は完全個室。家具や家電などは、法人サポーターである株式会社カプコン様によるご寄付や、社会福祉法人大阪府共同募金会様及び認定NPO法人メッターフレンズ様からの助成金で購入しました。
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憩いの場として共用スペースも用意し、子どもたちやスタッフとの交流を促します。
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[画像6: https://prcdn.freetls.fastly.net/release_image/122560/3/122560-3-40f1d21cc7e34be48493dd135af388ec-268x357.jpg ]
浴室やキッチンは共同で利用します。
【 子どもセンターぬっくについて 】
子どもセンターぬっくは、虐待や貧困、非行等により家に居場所をなくし、心身ともに
傷ついているのに、制度のはざまに落ち込み、支援が届きにくくなっている10代後半くらいの子どもたちを支援する団体です。そんな子どもたちに、安心して心身を癒せる生活の
場を提供し、自分らしく生きる権利を保障するため、2015年9月に子どもセンターぬっくを設立しました。
2022年度活動報告書
団体概要
団体名:特定非営利活動法人 子どもセンターぬっく
所在地:大阪市北区西天満4丁目1番4号第三大阪弁護士ビル503号 葛城・森本法律事務所内
電話:06-6355-4648
FAX:06-6365-1213
E-Mail:kodomo@nukku.info
ホームページ:https://www.nukku.info/index.html
設立:2015年9月1日
理事長:玉野 まりこ
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