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再生医療の細胞製造に特化した細胞モニタリング装置「ラック型Cell Recorder」を開発し、世界最高の収容効率を実現

(PR TIMES) 2022年03月30日(水)23時40分配信 PR TIMES

業界初の技術で薄型化を実現した細胞顕微鏡センサを搭載し、複数の細胞培養フラスコの同時監視が可能に

サイトロニクス株式会社(所在地:神奈川県川崎市、代表取締役:今井快多、以下当社)は、細胞モニタリング装置「ラック型Cell Recorder」を開発し、サンプル提供を開始しました。本装置は、一般的なCO2インキュベータで利用できる細胞モニタリング装置として世界最高の収容効率(※1)を実現し、大型クラスの細胞培養フラスコを用いる場合、最大5個を収載できます。また、7mmの厚さの各棚に業界初(※2)の細胞顕微鏡センサを搭載しており、コンパクトでありながら、従来は困難だった複数容器の非搬送での同時監視が可能になります。これらにより、細胞の製造現場における自動化および効率化に貢献します。

※1 対象の容器を搭載した状態での単位容器あたりの容積
※2 2022年2月時点、当社調べ
新たな治療法として期待が高まる再生医療は、現時点では細胞の製造コストが高く、普及には製造の自動化や効率化が求められています。

細胞の製造現場では、患者様から得た細胞をプラスチック容器の中で培養し、必要な細胞数になるまで増やす作業が行われます。細胞の増殖速度は患者様によって異なるので、逸脱がないかを毎日確認することが欠かせません。この作業は多くが人の手で行われており、培養士はクリーン服に更衣し、清浄度が管理された培養加工室(CPC: Cell Processing Center)に入って、37℃に維持されたCO2インキュベータから容器を取り出して顕微鏡で観察し、細胞の状態をチェックしています。

これらの作業には時間と手間がかかること、また、細胞状態の評価は培養士の目視に基づいており客観性に乏しいこと、容器を取り扱う際にヒートショックと呼ばれる温度変化や搬送による振動が細胞に影響を与えうることなどが課題でした。

そこで当社は、CO2インキュベータ内で自動監視できる小型の細胞モニタリング装置「Cell Recorder」を開発し、製造工程の自動化を進めています。これまで主に研究開発フェーズのお客様を対象に、10cm角サイズの世界最小(※3)の「Cell Recorder」を提供してきました。 さらに今回、細胞製造フェーズのお客様の課題を解消するために、より多数の容器の同時監視ができるラインナップとして、「ラック型Cell Recorder」を開発しました。

これによって、多数の大型フラスコを用いる細胞製造の現場でも、容器をCO2インキュベータ外に取り出すことなくモニタリングを行うことが可能となります。また、スペースの限られたCO2インキュベータに従来の大型な細胞モニタリング装置を設置すると庫内容量を圧迫し、同時に取り扱える細胞の数が限られてしまいますが、「ラック型Cell Recorder」では、複数の大型フラスコの同時監視が実現でき、より多くの細胞を扱うことができます。さらに、オペレーションの省人化や自動化を実現し、製造原価の低減、ひいては患者様へ届けられる提供価格をよりリーズナブルにすることが可能となります。

「ラック型Cell Recorder」の特長
・世界最高の収容効率を実現
T175またはT225サイズの細胞製造で用いられる大型クラスの細胞培養フラスコを同時に5個収載できます。装置の外寸は17.8 cm(幅)×36.0 cm(奥行)×37.2 cm(高さ)で、同クラスの容器を収載した状態で一容器あたり4767 cm3の収容効率です(T225フラスコサイズの一例:1520 cm3)。

・薄型化と容器全域の把握を両立させた細胞顕微鏡センサを搭載
各容器を置く棚板は、わずか7 mmという厚みの中に各容器をそれぞれ6点(横2列×縦3列)の視野で監視する細胞顕微鏡センサが組み込まれています。これはメカレスで複数領域の同時監視ができる業界初の技術で、薄型化と容器全域の把握を両立しています。

・スケーラブルな装置設計
お客様の容器サイズに応じて各棚の高さや本体制御部はスケーラブルであり、より薄い容器を用いる場合ではさらなる収容効率向上も可能です。お客様が利用している容器やCO2インキュベータに応じて、最適な構成で提案することができます。

・装置内部までの除染が可能
メカレス構成によって装置内部を湿度から保護する必要がないため、本体制御部のカバーをパンチング状にすることが可能となり、除染ガスによって装置内部まで除染をすることができます。また必要に応じて、滅菌バックに入れた滅菌済み(EOG滅菌)の状態での提供もできます。

[画像1: https://prtimes.jp/i/81877/3/resize/d81877-3-5c3638cb453a9e79650c-3.jpg ]

[画像2: https://prtimes.jp/i/81877/3/resize/d81877-3-42ed71ed2e869d28fc6e-1.jpg ]




当社は、今回開発した「ラック型Cell Recorder」のサンプル提供を既に開始しています。また、本開発は経済産業省が所管し、一般社団法人社会実装推進センターが実施する「出向起業等創出支援事業」に採択された事業計画を基に実施された事業成果です。

当社は、間葉系幹細胞やiPS細胞の再生医療等製品を製造する事業者に向けて、今後3年間で10社の量産製造現場への導入を目指します。細胞の製造現場へのソリューション提供を広げていくことで、再生医療の早期普及に貢献します。

※3 2022年2月時点、当社調べ

会社概要
会社名:サイトロニクス株式会社
代表者:代表取締役CEO 今井快多
代表取締役CTO 香西昌平
所在地:神奈川県川崎市幸区新川崎7番7号
設立:2021年5月14日
事業内容:細胞培養管理のための装置及びソフトウェアの研究開発および提供
Webサイト:https://cytoronix.com
[画像3: https://prtimes.jp/i/81877/3/resize/d81877-3-28a48703140949aec044-2.jpg ]


本件に関するお問い合わせ
サイトロニクス株式会社 広報担当
E-mail: info@cytoronix.com

※Cell Recorderはサイトロニクス株式会社の登録商標です。



プレスリリース提供:PR TIMES

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