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浜松ホトニクス株式会社

マイコン、温度センサ不要の産業用LiDAR向けAPDを開発

(PR TIMES) 2022年10月13日(木)20時40分配信 PR TIMES

産業用LiDARモジュールの低コスト化を実現
セルフバイアスジェネレータ一体型APDアレイを開発
10月末よりサンプル提供開始
当社は、独自の光半導体素子の製造技術を応用し、セルフバイアスジェネレータ(Self-Bias Generator、以下SBG ※1)を一体化した産業用LiDAR(※2)向けアバランシェ・フォトダイオード(Avalanche Photodiode、以下APD)アレイ「Gain Stabilized(ゲイン スタビライズド) Si APD S16430-01CR」の開発に成功しました。
SBGにより光の信号の増倍率を固定できるため、温度変化に応じて増倍率を調整するためのマイコンや温度センサなどが不要となります。また、信号処理回路のトランスインピーダンスアンプ(Transimpedance Amplifier、以下TIA)を同一パッケージに内蔵していることから、自動搬送車に搭載するLiDARモジュールの低コスト化を実現することができます。
本製品は、LiDARモジュールメーカーに向け10月末よりサンプル提供を開始し、2023年4月に量産を開始する予定です。なお、本製品は、10月18日(火)から21日(金)までの4日間、幕張メッセ(千葉市美浜区)で開催されるアジア最大級の情報技術(IT)とエレクトロニクスの国際展示会「CEATEC(シーテック)2022」に出展します。

<製品の概要>
本製品は、SBGと電流を電圧に変換するための信号処理回路であるTIAを同一パッケージに内蔵した、16チャンネルの産業用LiDAR向けAPDアレイです。
APDアレイとは、電圧をかけることで光の信号が増倍されるAPDを同一チップ内に複数チャンネル配列した光センサです。通常のフォトダイオードと比べ、より微弱な光を高感度に検出し遠くの物体までの距離を測定できることからLiDAR向けの光センサでは主流となっていますが、温度変化に応じ光の信号の増倍率を調整する必要があります。このため当社は、増倍率を調整するためのマイコンや温度センサ、TIAなどを内蔵した使い勝手のよいAPDモジュールを開発、製造、販売していますが、LiDARモジュールの低コスト化に向け、マイコンや温度センサが不要となる新たなAPDアレイの開発に取り組んできました。
今回、独自の光半導体素子の製造技術を応用し、SBGを半導体基板上に高精度、高品質に形成する技術を確立しました。これにより、SBGをAPDアレイと一体化し、温度変化にかかわらず光の信号の増倍率を固定することで、マイコンや温度センサが不要となる新たなAPDアレイの開発に成功しました。同時に、信号処理回路のTIAを同一パッケージに内蔵しており、本製品を光センサとして組み込むことで、自動搬送車に搭載するLiDARモジュールの低コスト化を実現することができます。また、TIAの設計を工夫することで、出力する信号の揺らぎを抑えながらも応答速度を従来のTIA内蔵型APDアレイの3倍まで高めるとともに、誤検出の原因となるクロストーク(※3)の発生を抑えています。
今後、本製品を拡販するとともに新たな用途を開拓していきます。

※1 SBG:光の信号の増倍率を固定するための素子。
※2 LiDAR:Light Detection and Rangingの略。対象物にレーザ光を照射し、その反射光を光センサでとらえて距離を測定するリモートセンシング技術。
※3クロストーク:光センサを配列したとき、あるひとつのチャンネルにのみ光が入射したにもかかわらず、それ以外のチャンネルからも応答がある現象。


[画像1: https://prtimes.jp/i/81184/3/resize/d81184-3-b60761b06d2c255afc5b-0.jpg ]

<製品の主な特長>
1.マイコン、温度センサ不要でTIAを内蔵
独自の光半導体素子の製造技術を応用し、SBGを半導体基板上に高精度、高品質に形成する技術を確立し、SBGをAPDアレイと一体化しました。これにより、SBGに定電流源回路を接続するだけで増倍率を固定することができるため、マイコンや温度センサが不要となります。また、APDアレイの性能を最大限に引き出すTIAも内蔵しています。

2.応答速度を3倍に向上
TIAの設計を最適化することで、出力する信号の揺らぎを抑えながらも光パルス幅1ナノ秒(ナノは10億分の1)に追従する応答速度と、従来のTIA内蔵型APDアレイの3倍まで高めました。高速化により検出距離と測定精度が向上します。

3.低クロストーク
APDアレイとTIAの構造を工夫することで、誤検出の原因となるクロストークの発生を抑えています。

[画像2: https://prtimes.jp/i/81184/3/resize/d81184-3-39764bb038c753f82c75-2.jpg ]



●サンプル提供開始:2022年10月末
●販売目標台数:初年度10,000個/月、3年後50,000個/月


[画像3: https://prtimes.jp/i/81184/3/resize/d81184-3-d3ecc3f80a5315f03c1e-1.jpg ]


この件に関するお問い合わせ先
■報道関係の方 浜松ホトニクス株式会社 広報室 野末迪隆
〒430-8587 浜松市中区砂山町325-6 日本生命浜松駅前ビル
TEL053-452-2141 FAX053-456-7888
時間外は、携帯電話080-8262-0374へお願いします
■一般の方 浜松ホトニクス株式会社 固体事業部固体営業推進部 曽布川賢人
〒435-8558 静岡県浜松市東区市野町1126-1
TEL053-434-3311 FAX053-434-5184



プレスリリース提供:PR TIMES

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