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【事業承継・海外進出】元リクルートの七代目が先代の急逝を機に事業承継。創業150年の老舗の海外展開とアフターコロナを見据えた、香港での路面店の出店。

(PR TIMES) 2022年01月18日(火)18時17分配信 PR TIMES

何もしないのは死期を早めるだけ、海外進出を決めた七代目の覚悟と想い。

 2011年3月11日に発生した東日本大震災。当時社長であったの先代の急逝により家業である(株)門間箪笥店(以後:門間屋、本社:仙台市、創業:1872年)に入社した現社長であり七代目の門間一泰(以後:門間)。東日本大震災発生直後は、2001年に新卒入社した(株)リクルートにおいて、会社員をしていた。

 リクルートにおいては、新規事業の立ち上げを始め、営業や企画等を経験。その経験を活かし、次の3点を軸に家業の改革を行った。
1、CIをはじめとしたブランディング
2、技能継承のための環境整備
3、海外を中心に据えた販路開拓

 上記3点の中でも、最も顕著に変化が起こったのは、海外販路の面においてであった。門間が、家業への入社当時の海外売上はゼロであったにもかかわらず、現在は海外売上が約8割に達するまでとなった。更に、2021年12月に香港において、自社の仙台箪笥だけでなく、日本の職人によって作られた家具や工芸品、建具等の販路拡大、そして、それらを組み合わせた和モダンスタイルの住空間そのものを日本の文化として、世界に広めていくための住宅リノベーション事業を行う拠点として路面店を出店した。

1、CIをはじめとしたブランディング
 門間が入社したばかりの2011年当時、門間屋は創業140年の長い歴史と伝統、そして、その中で培われた技能と実績を持ちながらも、家族経営の老舗企業のため、それらをブランディングのための経営リソースとして活かすと言う観点はゼロであった。
 そのため、製品の品質の高さやその背景にあるストーリー等が一般的に知られることなはく、世の中の箪笥のニーズの減少と同じペースで生産量は年々減り続け、衰退の一途を辿っていた。
 そこで、家業に入った門間が、まず初めに取り組んだのが、より多くの人々に関心を持ってもらう事を目的とした、ロゴの刷新やHPのリニューアル等をはじめとした、ビジュアル面の作り込みであった。そして、それらと併行して、門間が最も力入れて取り組んだのが門間屋そして、仙台箪笥の歴史や伝統、更には、その両者の関係の整理に基づく、門間屋としての企業理念やビジョン等の作成であった
HP:https://sendai-monmaya.com

[画像1: https://prtimes.jp/i/87328/2/resize/d87328-2-e289aaec83df9fa79fe0-0.jpg ]

・企業理念
 仙台箪笥、そして、日本の職人仕事を通して世界中に豊かさと感動を創出する
・ビジョン
 日本の職人仕事に携わる人々が、自信と誇りを持てる社会を創る
・バリュー
 日本の職人仕事を世界へ、そして、次世代へ

 企業理念やビジョンをしっかりと言語化する事で、企業としての指針が明確化され、門間屋の七代目として門間が何に取り組むべきかがよりクリアになっていった。その結果、次に、取り組んだのが技能継承と販路の開拓であった。※上記の企業理念・ビジョン・バリューは、2011年当時から少しづつ研ぎ澄まされた現在の最新版。

2、技能継承のための環境整備
 門間の入社当時、門間屋には5人の職人がいたが、生産管理や品質管理をする者はおらず、全てが現場任せとなっていた。そのため、納期や品質にバラツキがあり、その状態のまま生産量を増やせるような状況ではなかった。
 そこで、日々の生産管理日報の記入と週一の全体ミーティングでの品評会を実施し、少しづつ納期と品質に対する意識を高め、皆の目線を合わせながら、門間屋として次世代に技能継承をしていくための基準を作っていった。
 生産性と品質を向上をしていく上で、使い古された木工機械や漆を乾かすための室に問題があることも発覚し、必要に応じて設備投資もしていき、数年をかけて徐々に生産管理と品質管理を徹底していった。その過程においては、徐々に高まっていくレベルや意識についてこれない者も出現し、門間屋を去る者いた。
 そして、10年が経ち、その間に複数の職人の退職や新規入社を経て、現在、極めて高いレベルの職人3人に絞り込まれた。現在の納期や品質は、2011年当時と比べて、納期にして1/2以下に短縮、品質のバラツキ率にして1/10以下にまで向上した。その結果、3人で10年前の倍以上の生産をしており、次世代に技能継承していく上での確かな基盤が作ることができた。
[画像2: https://prtimes.jp/i/87328/2/resize/d87328-2-d270f7dbd84ca5f18ef7-4.jpg ]

3、海外を中心に据えた販路開拓
 門間の入社当時の売上は100%国内のしかも工場直営の自社店舗のみであった。年々減少する売上を前に先代は廃業も検討しているような状態であった。
 門間の入社後、東京の百貨店を始めあらゆる販路への営業を開始した。その結果として、1年後には、都内大手の老舗百貨店を始め全国の百貨店において、催事を始め展示販売会を開催するまでになった。更には、3年後には仙台市内中心部に自社の直営店もオープンさせた。
 しかしながら、そのどれもが、早々に限界が見え始めた。そこで、門間が取り組んだのが海外展開であった。既に、2011年の終わりには香港への視察は行っており、かなりの可能性は感じていたが、実際の展開までには準備も含めて時間を要した。満を持して、香港でのテストマーケティングを行ったのが2015年3月であった。結果が伴ったため、そこからの展開は早く、2017年には香港の百貨店内に直営店を出すまでになっていた。更に、その翌年には現地法人も設立し年々売上を拡大し、コロナ直前の2019年には売上比率の約7割が海外となっていた。全体売上に関しても、門間の入社前と比べて3倍近くまで増えていた。ところが、2019年末に中国武漢に端を発した新型コロナウィルスの影響によりその後の2年間は極めて厳しい状況下へと叩き落された。
 海外を中心とする門間屋の売上は、厳しい外出制限や中国と香港の国境封鎖により2/3以下に落ち込んだ。その一方で、世界一高いと言われている香港の家賃の下落と言う千載一遇のチャンスも舞い込んだ。経営状態的にはとても新店舗を出せる状況ではなかったが、アフターコロナを見据え、攻めに転じる覚悟を決め、2021年12月3日に香港の高級住宅街に程近いHappy Valleyに路面店を新規出店した。
[画像3: https://prtimes.jp/i/87328/2/resize/d87328-2-df6d246fb34a8898ea2e-2.jpg ]

■新店舗(Happy Valley店)に関して
  新店舗は、従来の百貨店内の店舗とは異なり完全に自社で運営しているため、門間屋としての世界観が余すことなく表現されている。特に、こだわった点は、門間屋の歴史と格式が感じられる空間ながらも「和」により過ぎずにバランスのとれたモダンな雰囲気を作り出すことであった。
 そのため、内装はグレーの落ち着いた雰囲気としながらも、築90年超の登録文化財でもあった門間屋の旧本店内に使われていた障子や欄間等の建具が壁面や天井の装飾材としてふんだんに使用されている。
 更には、取扱製品に関しても、自社の仙台箪笥だけではなく、日本の職人によって作られたソファやテーブル等の無垢材の家具や銘木を使った一枚板のテーブルトップ、そして、美術品に近いレベルの作家物の工芸品等、日本の技能の極みとも言っても過言ではないレベルの製品が取り揃えられている。
 上記のような個性的な空間や製品を、バランス良くコーディネートし、上質な空間に仕上げられていることからも、Happy Valley店の新たなサービスである住宅リノベーション事業のレベルと質の高さ、そしてセンスの良さを垣間見ることができる。
[画像4: https://prtimes.jp/i/87328/2/resize/d87328-2-e1db660fe2f1c6d20705-3.jpg ]



プレスリリース提供:PR TIMES

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