プレスリリース
曖昧な理念提唱を徹底排除し、真に実効性のある学習・人材開発プログラムの確立と普及のため、20-40代が中心となって「すべての人に開かれたラーニングコミュニティ」の共創を目指します。
スイスのビジネススクールIMDが公表した2021年の「世界デジタル競争力ランキング」で、日本の総合順位は64カ国・地域のうち28位でした。これまで5年に渡る調査の中で、過去最低を更新し、近隣の東アジア諸国・地域との格差も鮮明となっており、日本の低すぎる俊敏性と国際経験の乏しさが目立った形となりました。2020年から2030年は、世界的に「リスキリングとアップスキリングの10年」と呼ばれており、単にデジタルスキルのトレーニングカリキュラムを用意するだけでなく、今や労働人口の大部分を占める、ミレニアルならびにZ世代が持つ価値観やカルチャーまでを反映した学習デザインとコミュニティの存在が必要とされています。
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2021年9月に発足した一般社団法人L&D協会(代表理事:大山祐之、所在地:東京都千代田区)は、2022年1月より、組織の垣根を超えたラーニングコミュニティの共創に向けて、本格的に活動を開始致します。
一般社団法人L&D協会(以下、JLDA)発足に至った背景と今後の活動について、以下にご案内申し上げます。
L&Dとは?HRとの違いは?
L&DとはLearning & Developmentの略で、日本語では未だ統一かつ定着した訳は存在していませんが、多くの場合「人材開発部門」と訳されています。しかしながら、通常「人材開発」という言葉から連想されるタレントディベロップメントは、組織の人事部門が担います。
一方、L&Dは主にワーカーの学習ギャップの特定や、学習ソリューションの設計と開発に深く関与します。L&DはHRと密接に連携するものの、一般的な人事部門の職務から自動的には体得できない特定の専門知識とスキルセットが必要となる、いわば学習プログラムを開発する専門職となります。Learning (学習)は、知識、スキルのみならず、態度の習得にも関わり、Development (開発)は、組織の事業戦略と調和した個人の知識の拡大と深化を目指します。
今、L&Dを強化すべき4つの理由
1.急激な環境変化
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「VUCA時代」や「超デジタル時代」と言われ、高速なグローバリゼーションが常態化している今日、私たちの周囲では段階的な環境変化ではなく急激な環境変化が頻繁に生じています。破壊的ビジネスモデルの頻繁な出現により、ベストプラクティスと呼ばれるものは短命化しています。従来「正解」とされていたことがもはや通用しない中で、変化に対していかにアダプティブていられるかが重要になります。
2.スキル形成の変化
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従来は営業職、経理職といった職種ごとの方法論やモチベーション研修、専門的なナレッジをブロックのように積み上げること(JLDAではこれをレゴ型と呼びます。)を中心としたスキルアップが主流でした。しかし今日では新たなテクノロジーの変遷スピードに応じ、これまでに触れたことのないテクノロジーを、自身の職務領域で自ら深化させるスキルが求められます。いわば新興テクノロジーの新たな出現や入れ替わりにあわせて、現在保持しているスキルブロックを自ら入れ替えるようなスキル形成(JLDAではこれをルービックキューブ型と呼びます。)が必要になります。そうすることで特定の状況にしか対応できない固着化したスキルではなく、状況に応じてスキルブロックを自在に変えられる力が求められます。一般的にもよく言われている、アップスキリングとリスキリングを同時並行的に実施することが欠かせません。
3.日常に組み込まれた学習環境
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ルービックキューブ型のスキル形成を実現するには、ビジネス環境の変化のスピードやテクノロジートレンドにいかにリアルタイムで追いついていくかが鍵になります。そのため、日常業務から離れたクラスルーム形式のみでは、学習者にとって連続した学習体験の維持が難しく、学んだ内容の陳腐化も生じやすくなります。様々なフォーマットで最新のナレッジやノウハウにアクセスするには、“いつでも、どこでも、小さく学ぶ”ことができる学習環境が、学習者自身の日常の活動線上に組み込まれている必要があります。今日、私たちの周りにはそれを可能にするテクノロジーが溢れています。今後はデジタルラーニング戦略がますます重要な位置を占めることになります。
4.学びを体験とリンクさせる
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机上で学ぶ内容よりも“現場”の特異性が優位に立つのは常の事です。そのために、従来の理論重視の企業研修プログラムは個人の学習意欲を刺激しないことがよくありました。「学び」は学習者自身が普段やっていることとつながって初めて、「適用」というアウトプットに変換されます。一般的に「70:20:10モデル」呼ばれる理論では、人の学びの90%が実体験や周囲の人々とのインタラクションを通じて得られるとしています。つまり、研修や講義から得られる学びはわずか10%程度とされています。これはあくまでも概念的なモデルとされていますが、人の学習体験として、学びと体験が密接に関連していることは事実です。人々がコミュニティを通じて得るソーシャルラーニングが注目を浴びています。
すべてのワーカーがアクセスできるラーニングエコシステム
今後、日本が世界の競争力ランキングの低迷から抜け出すには、従来の多くのセミナーに見られるような、単なる問題意識の共有や曖昧な理念提唱の反復を避け、証拠に基づく明確なフレームワークの理解と実践へとシフトする必要があります。そのためには、企業内アカデミーのようなクローズドな環境が個別に存在したままの状態から、実際の成功事例や失敗事例を相互に共有できる場が不可欠です。
JLDAは様々な企業や団体、さらにはギグワーカーやフリーランスを含むすべてのワーカーたちがアクセスできるラーニングコミュニティを通じて、実際の成功事例を互いに共有できる新たなラーニングコミュニティの共創を始めます。
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今後、JLDAは「ラーニングテクノロジー」、「ラーニングデザイン」、「ラーニングコミュニティ」を軸とした官民一丸となった共同学習体を目指し、経済産業省・厚生労働省・文部科学省などが提唱・推進する人材開発の在り方やキャリアマップの活用法、さらにはデジタルラーニングの高度化に資する様々な調査・発表を実施して参ります。
当協会の発足に欠かせない世界的ソートリーダーの存在
当協会の発足にあたり、人材開発の分野における国際的なソートリーダーであるニック・ヴァン・ダム博士には実に多くのインサイトを提供して頂きました。
ヴァン・ダム博士は、これまでマッキンゼー、デロイト、およびシーメンスなどで、パートナー、Chief Learning Officer(最高学習責任者)、HRエグゼクティブなどの要職、およびクライアントアドバイザーとして従事し30年以上に渡る豊富なビジネス経験を持ち、 これまで世界中で100以上のクライアントにサービスを提供してきました。
ヴァン・ダム博士は、IE UniversityにてCorporate Leaerning Innovation Centerのチーフ、そしてUniversity Advisory Boardのメンバーを務め、ラーニングと人材・リーダーシップ開発の教授、さらにペンシルベニア大学の准教授も務める傍ら、現在もマッキンゼーのシニアアドバイザーとして活躍しています。
これまでに、学習とリーダーシップ開発イノベーションに関する書籍を25冊以上執筆しており、ヴァン・ダム博士の執筆記事はHarvard Business Review、Financial Times、Wall Street Journal、Fortune Magazine、Business Week、CLO Magazineなどに引用されています。2013年には欧州議会連邦教育研究省の後援の下、「組織学習とリーダーシップ開発の未来を形作る」をテーマにLeonardo Awardを受賞しました。
ヴァン・ダム博士はe-Learning for KidsFoundationの創設者でもあり、これまでに2,000万人以上の恵まれない子どもたちにデジタルレッスンを提供してきました。
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Nick van Dam博士からのコメント:
「この度、大山氏のリーダーシップの下にL&D協会が発足されましたことを心からお祝い申し上げます。学習はビジネス戦略において重要なイネーブラーとなります。L&Dは人材の獲得と維持、人々の能力開発、モチベーション、および従業員のエンゲージメントの開発、バリューベースカルチャー(価値に基づくカルチャー)の創造、そしてエンプロイヤーブランディングに至るまでのすべてに作用します。今後、L&D協会から発信されるエビデンスベースの様々なプラクティスが、日本の多くの企業にインパクトを与えるものと確信いたしております。」
各方面の皆様からのお祝いコメント
小野 敦史 様(Ridgelinez株式会社 Management Control Practice Leader プリンシパル)
「L&D協会の設立を心よりお慶び申し上げます。これからの日本企業には自律型DX人材を育てる意識改革が求められます。貴協会による “コミュニティ × 学び” の力が、今後の日本の人材育成において大きな起爆剤となることを願っております。」
飯田 恵梨 様(Hult/EF コーポレート・エデュケーション 組織・人材開発事業 グローバル事業開発部 部長)
「この度は、L&D協会のサービスがローンチされましたこと、心よりお祝い申し上げます。Hult EFといたしましても、今後人材開発の領域で貴協会とともに企業のグローバル化、タレント育成を盛り上げていける事を大変心強く、また楽しみに感じています。L&D協会のさらなるご発展を祈念しております。」
谷口 宏 様(一般社団法人日本CHRO協会 専務理事)
「この度は協会の設立、誠におめでとうございます。企業にとって、今ほど人材育成にイノベーションが必要な時代はありません。企業の経営ビジョンや戦略を実現するのは、ほかならぬ「人」です。日本企業の皆様にとって、高度な人材開発プログラムに資するソーシャルインパクトを共に展開できますことを願っております。」
JLDAの活動に賛同する、生涯学習マインドを持ったメンバーを個人・法人問わず幅広く募集
現在JLDAの事務局は、2030年には労働人口の過半数を占めると言われているミレニアル世代(20代後半から40代前半)を中心に構成されており、自らのラーニングジャーニーに強いオーナーシップと、プロボノ活動への強い関心を持って活動に携わっています。また、組織の境界を越え互いの活動領域を越境することで新たな学習体験や新規ビジネスの創出も支援して参ります。
JLDAでは、私たちの理念と活動に賛同して下さる企業・団体様からのご支援やお問い合わせをお待ちしております。
【お問合せ先】
一般社団法人L&D協会株式会社
メール:info@l-d.or.jp
URL:https://l-d.or.jp
現在、「グローバルデジタルラーニング成熟度レポート」を下記より無料でご入手頂けます。
https://form.run/@JLDA-1640093078
English version of this press release is available from the URL below.
https://form.run/@englishpr-20220113
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