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公益財団法人鹿児島県文化振興財団

霧島アートの森 | 飯川雄大 展 「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」(7/14[金]- 9/10[日])

(PR TIMES) 2023年06月14日(水)17時15分配信 PR TIMES

定規と縄、シンプルなモチーフが織り成す、新感覚スケールのインスタレーション

 この度、霧島アートの森では、鑑賞者が作品に能動的に関わることで変容していく物や空間が、別の場所で同時に起きる事象と繋がっているインスタレーション《0人もしくは1人以上の観客に向けて》(2019-) といった、関わる者の思考を誘発させるような作品を制作してきた美術家・飯川雄大(1981-)の個展を開催いたします。
[画像1: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-00baf6932a0af5a34c35-0.jpg ]

 タイトルの〈デコレータークラブ〉は2007年から継続しているシリーズの作品で、世界中の海に生息し、周辺の環境に合わせて海藻や小石を身につけて姿を変える蟹(Decorator Crab)から着想した名前です。かねてより飯川は、この擬態する蟹を発想の原点に、何かわからないものを見つけた時の驚きを他者に伝えることの難しさや、それと関係なく生まれた解釈、思いもよらぬ誤解をポジティブに捉え、制作してきました。認識と現実の間にあるズレを可視化しながら、その場と鑑賞者の関係を扱った新たな体験を提案します。
 本展「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」では、定規と縄をモチーフに新作を発表します。一見、遊びにも思える鑑賞者の身体的行為を取り込み、展示室だけでなく野外広場へと繋がる大規模なインスタレーションを展開。本美術館が開館して以来はじめての試みに挑みます。また、誰かの忘れ物かのような《ベリーヘビーバッグ》(2010-) や、全貌を捉えることのできない大きな彫刻《ピンクの猫の小林さん》(2016-)など、飯川が継続して発表しているユーモアと洞察に満ちた作品も織り交ぜます。コミュニケーションの不完全さや、遅れてやってくる「合点」に着目した飯川の作品は、一つの「できごと」の背後に広がっている多様な可能性や視点を想像するきっかけとなるでしょう。

本展の見どころ



アートホール全体を使った大規模な新作インスタレーション《デコレータークラブ-未来のための定規と縄》
室内に設置されたハンドルを回すと目の前の縄が反応し、美術館のどこかで新たな事象が現れる《0人もしくは1人以上の観客に向けて》は、2019年からスタートした自分の行動が思いもよらない出来事と繋がるインスタレーション作品です。この度の霧島アートの森アートホール内では、その一見遊びにも思える鑑賞者の身体的行為をさらに発展させた新作《未来のための定規と縄》を発表します。鑑賞者は、延べ684平米にもなる大きなギャラリー空間の壁や天井、地面などから伸びている縄を直接触ったり引っ張ったりすることができ、これまで飯川が繰り返し扱ってきた「起こった出来事に気がつくまでの、距離や時間」へのアプローチをさらに深化させた作品となるでしょう。
[画像2: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-ca07f14e793b5d08287d-0.jpg ]

「霧島アートの森」はじめての試みとなる、屋外広場での特別展示
広さ約13ヘクタールの広大な園内には、草間彌生からアントニー・ゴームリーといった名だたる現代美術作家たちのユニークな作品23点の常設展示がありますが、特別展示としては開館以来はじめてとなる屋外広場にも飯川作品(新作1点、旧作1点)を設置します。まず新作《未来猫のための定規(仮)》は、かつて自身が構想した400mにも及ぶ《ピンクの猫の小林さん》を実際に想像してみるための道具です。園内の端から端まで伸びる長さ400mのインスタレーション(=定規)をきっかけに、全容を決して捉えることができない猫の存在に思いを馳せます。また昨年度、彫刻の森美術館で話題を呼んだ高さ15mの《ピンクの猫の小林さん》も再び展示され、本野外美術館の新たな可能性を提案します。
[画像3: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-dad94f9567945c52eaf9-3.jpg ]

擬態する蟹(デコレータークラブ)をきっかけに、あらゆる体験の背後に広がっている多様な可能性を想像させる
そもそも展覧会や各作品タイトルの頭についている「デコレータークラブ」とは、世界中の海に生息し擬態する性質を持った蟹の名前(Decorator Crab)に由来しています。かつて飯川がこの蟹の生態を紹介するテレビ番組を観たときに、この奇妙な蟹の発見者の驚きが全く伝わってこず、「どうしても伝えられない体験性がある」という発見から用いられるようになりました。例えば、《0人もしくは1人以上の観客に向けて》というタイトルの通り、飯川は、作品そのものや、その変化を鑑賞者が気がつかないことに肯定的です。「それぞれの出来事に気がつくまでに、距離や時間が必要で、そのタイミングはすぐかもしれないし、数年後かもしれない」と語るように、美術館でのその場の体験だけではなく、別の時間や場所で、鑑賞者がふと感じる「そうだったのか!」という遅れてきた「合点」に重きを置いています。
[画像4: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-d313779cde30039d9f05-5.jpg ]

関連イベント



「霧島アートの森」がある鹿児島県は九州の西南部に位置しています。本展の関連イベントではこの地理的特性に着目し、台湾、韓国、フィリピン、それぞれのアートシーンに精通したキュレーターをお招きし、東アジア・東南アジアという広い視野から飯川作品のさまざまな解釈を試みます。また、作家によるギャラリーツアーやワークショップ、本館学芸員によるギャラリーツアーも予定しています。

1. 7月14日(金)14:00〜 オープニングセレモニー 
2. 7月14日(金)15:00〜 トークセッション1  
  ゲスト:ライ・イーシン(ョ依欣)[嘉義市立美術館 館長] *日中逐次通訳あり
3. 7月15日(土)、9月9日(土)14:00〜 作家によるギャラリーツアー
4. 8月11日(金)14:00〜 作家によるワークショップ
5. 8月13日(日)14:00〜 トークセッション2  
 ゲスト:イ・アルム()[YPC SPACE 共同ディレクター] *日韓逐次通訳あり
6. 8月14日(月)、8月27日(日)、9月3日(日)14:00〜 本館学芸員によるギャラリーツアー
7. 9月10日(日)14:00〜 トークセッション3 
 ゲスト:平野真弓 [ロード・ナ・ディト 共同設立者]

* 関連イベントの詳細は、決まり次第本館ホームページ等でお知らせします。

開催概要



展覧会名:鹿児島県霧島アートの森 現代美術|特別企画展
飯川雄大 展 「デコレータークラブ:未来のための定規と縄」

会場:鹿児島県霧島アートの森

会期:2023年7月14日(金)〜9月10日(日) 月曜日休園
*祝日の場合は翌日休園
*7/31(月)、8/14(月)は臨時開園

開園時間:9:00〜17:00
*7/20〜8/31の土・日・祝日は19:00まで(入園は閉園の30分前まで)

観覧料:一般1,200(900)円/高大生800(600)円/小中生600(400)円
* ( )内は前売り又は20人以上の団体料金
*本券で野外常設展もご覧になれます。

主催:鹿児島県文化振興財団/南日本新聞社/MBC南日本放送/KTS鹿児島テレビ

協力:湧水町/一般社団法人霧島山麓湧水町観光協会/第一交通産業株式会社/株式会社 新園自動車/エアー遊具カンパニー(株式会社アールイーナンバー)/株式会社ティーハウス建築設計事務所/有限会社キューアンドエー/ゆうこうマリン株式会社

特別協賛:トヨタカローラ鹿児島株式会社

助成:公益財団法人三菱UFJ信託地域文化財団

前売券販売所:南日本新聞社、MBC南日本放送、KTS鹿児島テレビ、霧島山麓湧水町観光協会加盟店舗、霧島温泉市場、コープサービス、鹿児島大学生活協同組合、県職員生協、宮崎県立美術館、都城市立美術館、宝山ホール(鹿児島県文化センター)、What、山形屋プレイガイド、大谷画材、集景堂、十字屋クロス、高木画荘、国分進行堂、チケットぴあ(Pコード: 686-519)、ローソンチケット(Lコード: 84355)、e+イープラス
※前売りチケット販売は6/24(土)〜8/27(日)まで

キュレーション:堤 拓也(インディペンデント・キュレーター)

一般の問い合せ先:
鹿児島県霧島アートの森:〒899-6201鹿児島県姶良郡湧水町木場6340番地220 
TEL 0995-74-5945 FAX 0995-74-2545
鹿児島県霧島アートの森ホームページ:www.open-air-museum.org

交通案内:
車:九州自動車道「栗野I.C.」から約20分、「鹿児島空港」から約40分
JR:「鹿児島中央駅」から日豊本線「隼人駅」のりかえ、肥薩線「栗野駅」下車
バス:「栗野駅」から、町営ふるさとバスで約20分
*町営ふるさとバスは、土日祝日のみ運行。ただし、夏休み期間(7/21〜8/31)は平日も運行。詳細は湧水町ホームページをご確認ください。

本展の特設サイト:https://open-air-museum.org/event/event-41150

作家紹介



飯川 雄大(いいかわ たけひろ)https://takehiroiikawa.tumblr.com/
[画像5: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-636ab7dddbaaa493dbae-9.jpg ]

1981年兵庫県生まれ。現在、神戸を拠点に活動。成安造形大学芸術学部情報デザイン学科ビデオクラスを卒業。2007年から〈デコレータークラブ〉シリーズの制作を始める。鑑賞者が作品に能動的に関わることで変容していく物や空間が、別の場所で同時に起きる事象と繋がる《0人もしくは1 人以上の観客に向けて》、誰かの忘れ物かのような《ベリーヘビーバッグ》、全貌を捉えることのできない大きな彫刻作品《ピンクの猫の小林さん》など、鑑賞者の行為によって起きる偶然をポジティブにとらえ、思考を誘発しながら展開する作品を制作している。

主な個展
2022年「デコレータークラブ:同時に起きる、もしくは遅れて気づく」彫刻の森美術館 (神奈川)
2022年「デコレータークラブ:メイクスペース、ユーズスペース」兵庫県立美術館
2021年「どこかで? ゲンビ ビデオアート編」広島市現代美術館・鶴見分室101 (広島)
2021年「つくりかけラボ04 デコレータークラブ:0人もしくは1人以上の観客に向けて」千葉市美術館
2021年「ハイライトシーン」ギャラリートラック (京都)
2020年「KAAT アトリウム映像プロジェクト vol.15 飯川雄大」KAAT 神奈川芸術劇場
2020年「デコレータークラブ:知覚を拒む」高松市美術館 (香川)
2020年「デコレータークラブ:ピンクの猫の小林さん」並木クリニック (神奈川)
2020年「Decoratorcrab ─Mr. Kobayashi, the Pink CAT─ Park Lane in Taichung City」台中市西區公益路68號 (台湾)
2019年「デコレータークラブ:遠近の設計図 県北芸術村推進事業交流型アートプロジェクト2019」高萩市秋山中学校、高萩市立高萩中学校、高萩市立松岡中学校 (茨城)
2019年「デコレータークラブ:0人もしくは 1人以上の観客に向けて」Art Center Ongoing (東京)
2018年「デコレータークラブ:配置・調整・周遊」あまらぶアートラボ A-Lab (兵庫)
2017年「デコレータークラブ:Impulse and things around」高松シンボルタワー(香川)
2016年「ひとりはみんなのために-All for one?」HOTEL ANTEROOM KYOTO GALLERY 9.5 (京都)
2015年「デコレータークラブ:衝動とその周辺にあるもの」塩屋東市民公園 (兵庫)
2015年「ハイライトシーン」黄金町高架下スタジオ Site-A ギャラリー (神奈川)
2013年「遭遇するとき-Happening Upon(たいけんびじゅつかん特別展)」滋賀県立近代美術館 ギャラリー

主なグループ展
2023年「あたらしい場所」アートギャラリーミヤウチ (広島)
2022年「ATAMI ART GRANT 2022」ACAO SPA & RESORT (静岡)
2022年「感覚の領域 今、『経験する』ということ」国立国際美術館 (大阪)
2021年「すみだ向島 EXPO2021」京島エリア・元お茶屋 (東京)
2020年「ヨコハマトリエンナーレ2020『AFTERGLOW ─光の破片をつかまえる』PLOT 48 (神奈川)
2019年「美術館の七燈」広島市現代美術館 (広島)
2019年「六本木クロッシング 2019展:つないでみる」森美術館 (東京)
2019年「まなざしのスキップ」札幌文化芸術交流センター SCARTS (北海道)
2017年「ゲンビどこでも企画公募 2017」広島市現代美術館
2017年「Artist in Residence: UMINAKA TAIYOSO AIR 2017-滞在制作展覧会-」大洋荘(福岡)
2016年「六甲ミーツ・アート 芸術散歩 2016」六甲有馬ロープウェー 六甲山頂駅 (兵庫)
2016年「ROLE PLAY」スハラビル 202号室 (大阪)
2014年「現代における信仰とは?私の神さま | あなたの神さま」成安造形大学【キャンパスが美術館】 (滋賀)
2014年「テラトテラ ─Civic Pride わたしたちのマチ・わたしたちのアート─」JR三鷹駅北口周辺 (東京)
2013年「Once was Now, Now is Over, Yet will Come」Platform China (香港)
2012年「NIPPON-ISMES」Galerie DA-END (パリ)
2009年「Rendezvous 09」Institut d’ art contemporain, Villeurbanne (リヨン)
2009年「宮沢賢治の贈りもの-しあわせを旅する方法-」三菱地所アルティアム(福岡)
2007年「淡路島アートフェスティバル2007」日の出亭(兵庫)

トークセッションゲスト紹介



トークセッション1 7月14日(金)15:00〜 *日中逐次通訳あり
[画像6: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-aa4ca779574ed401ad3c-10.jpg ]

キュレーター、学際的アートワーカー。2011年にロンドンのウェストミンスター大学 視覚文化学を卒業後、台南を拠点に活動している。長期的なキュレーションのテーマに、ポストコロニアル時代における都市の質感や、歴史的空間の時間的再解釈、いかに現代美術の制作と展示が、歴史的・文化的な物語を語り直すきっかけとなり、想像を再喚起させるオルタナティブな方法となり得るのかなどを考察している。現在は台湾中部にある嘉義美術館の館長として、美術館の知名度のみならず、専門性や多様性を向上させ、国外と地域の芸術交流を促すことに注力する。



トークセッション2  8月13日(日)14:00〜 *日韓逐次通訳あり
[画像7: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-37da802f64c49323d1bc-11.jpg ]

1990年生まれ。 美学、ポピュラーカルチャー研究者。ソウル大学美学科を卒業し、同大学院で「アドルノ美学の崇高概念研究」で修士号を取得。現在、博士課程に在学中。ソウルの美術現場で企画、翻訳、寄稿などを行いつつ、2015年より、美術批評、企画、出版コレクティブ・Yellow Pen Clubという名義で多数のプロジェクトに参加する。2022年、ソウル忠武路に所在するインディペンデントスペース・YPC SPACEを共同設立。大衆文化と美術、そしてその接触面と背後で起きることに関心を持ち、 プログラムの一環として、カワイイという現象を定義しその影響力を読み取る「カワイイ研究会」を実施している。ドン・ソンピル個展「怪・獣・人」(ソウル、2022年)[第1回ソウル芸術賞視覚部門優秀賞受賞]、「Melty Cutie Syndrome」(ソウル、2023年)[2023年ソウル文化財団青年芸術支援事業選定] などを企画。

トークセッション3 9月10日(日)14:00〜
[画像8: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-a33c2dd205c0b9f4f931-12.jpg ]

大阪生まれ、マニラ在住。インディペンデント・リサーチャー、キュレーターとして活動している。2016年に「ロード・ナ・ディト」をマーク・サルバトスと共同設立し、文脈に根付いたキュレーションの方法を探っている。教育と連帯のプラットフォームとしての展覧会やフェスティバルの機能と可能性に関心をもっている。現在は日比の芸術連帯運動の歴史について調査を行うと同時に、こうした運動を支える「オーガナイズ」の仕事が美術史において周縁化されてきたことに対する疑問から、女性カルチュラルワーカーに関する調査とライティングワークショップを共同開催している。最近のプロジェクトに「Trace the Traceness of the Ant」展(Purita Kalaw-Ledesma Center, Makati, Manila、2023)、『戸口に立って―彼女がアートを実践しながら書くこと』(共同編集、2023)など。フィリピン大学ディリマン校芸術学部シニア・レクチャラー。

その他、参考図版


[画像9: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-cb14142c847af8f35cc8-4.jpg ]

[画像10: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-a41e83c34074e9f13a8b-6.jpg ]

[画像11: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-e549dfad22ea67731646-7.jpg ]

[画像12: https://prtimes.jp/i/123628/1/resize/d123628-1-d8ac41f26c182a8de62b-8.jpg ]



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