プレスリリース
BASF、高性能 PPA で次世代 IGBT 半導体向けにエネルギー節約、出力と効率を向上
Ultramid® Advanced N3U41 G6、IGBT の耐久性、長期性能、信頼性を強化
セミクロンダンフォス、BASF の PPA を太陽光発電および風力発電システム用インバータの Semitrans 10 IGBT の樹脂ハウジングに採用
BASF、Fakuma2024※に出展
BASF(本社:ドイツ ルートヴィッヒスハーフェン)のパフォーマンスマテリアル事業本部は、次世代パワーエレクトロニクス向けに、IGBT(絶縁ゲートバイポーラトランジスタ)半導体のハウジング製造に最適なポリフタルアミド(PPA)を開発しました。Ultramid® Advanced N3U41 G6は、電気自動車、高速鉄道、スマート製造、再生可能エネルギーの発電などに向けて、高性能で信頼性のある電子部品の需要拡大に対応しています。パワーエレクトロニクスのグローバル技術リーダーであるセミクロンダンフォス(Semikron Danfoss)は、太陽光発電および風力発電システムのインバータに組み込むSemitrans 10 IGBTの樹脂ハウジングにBASFのPPAを採用しています。Ultramid® Advanced Nグレードは、優れた化学耐性と寸法安定性により、IGBTの耐久性、長期性能、信頼性を強化し、エネルギー節約、より高い電力密度、効率向上のニーズに応えます。IGBTは、パワーエレクトロニクスにおいて、電気回路の効率的なスイッチングと制御を実現します。
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セミクロンタンフォスは現在、太陽光発電およひ風力エネルキーシステムのインハーターに搭載されるSemitrans 10 IGBTのハウシンクとして、BASFのPPA Ultramid® Advanced N3U41 G6を使用。
セミクロンダンフォスの研究・開発担当のヤン・グロースマン氏は次のように話しています。
「IGBTは、特に再生可能エネルギー分野では、現代のエレクトロニクスにおける重要な要素であり、高温環境下でも長期的な安定性と性能を維持する必要があります。Semitrans 10は、BASFのPPAの独自の特性を生かし、性能と効率の新しいベンチマークを打ち立てました。この材料を選んだ理由は、過酷な環境でも優れた電気絶縁性を持ち、組立工程での短期的な温度ピークにも優れた耐久性を発揮するためです。」高性能材料とスマートな設計の組み合わせにより、より高速なスイッチング、低い導電損失、優れた熱管理が可能となり、パワーエレクトロニクスの重要なニーズに応えます。
現在のIGBTでは、BASFの実績あるUltradur®(PBT:ポリブチレンテレフタレート)が広く使用されています。この新しいPPAは、急速に進化するパワーエレクトロニクスの次世代IGBTの厳しい要求を満たすように設計されています。これらのIGBTは、高温に耐え、長期にわたる電気絶縁性を提供し、湿度、ほこり、汚れなどの厳しい環境条件下でも寸法安定性を維持できる材料を必要としています。レーザー溶着性を持つUltramid® Advanced N3U41 G6は、非ハロゲン系難燃剤を使用し、高い耐熱性と低吸水性、優れた電気特性を兼ね備えています。この材料は、CTI(比較トラッキング指数)が600(IEC 60112規格に準拠)という特徴があり、これによりIGBTの小型化を実現し、電力スイッチ用のこれまでの材料よりも低いクリープ距離と優れた絶縁性を提供します。UL認定グレードは、優れた電気RTI(相対温度指数)値150°Cを示します。
BASFのパワーエレクトロニクス担当シニアアプリケーションエキスパートのヨーヘン・ゾイブルトは次のように述べています。
「BASFのPPAコンパウンドは、グローバルで提供可能であり、サンプルの準備も整っています。私たちの顧客志向の技術サポートと部品開発のバックアップにより、この革新的な材料がパワーエレクトロニクスの進歩に大きく貢献し、再生可能エネルギーへの世界的な移行をサポートすることを期待しています。」 IGBTの製造において、BASFのPPAは、射出成形後に金属ピンやクランプで半導体を組み立てるために使用されるポッティング材料と互換性があります。
Ultramid®Advancedについて
BASFのPPA製品群は、Ultramid®Advanced N (PA9T)、Ultramid®Advanced T1000 (PA6T/6I)、Ultramid®Advanced T2000 (PA6T/66)、Ultramid®T KR (PA6T/6)、Ultramid®One J (PA66/6T)、およびUltramid®D3 (PA/PPA)の6つによって構成されています。自動車産業や電機電子産業、機械工学、消費財など多様な分野において、軽量で高性能な次世代プラスチック部品の可能性を広げます。PPAの製品群は世界各国で販売されており、BASFのシミュレーションツール、Ultrasim®(ウルトラシム)とアプリケーション開発における豊富な経験に基づき、射出成形や押出成形用に50以上の配合グレードがあります。難燃剤の有無や、様々な熱安定剤、無着色からレーザーマーキング可能な黒色までの色味や、短繊維ガラス、長繊維ガラスまたは炭素繊維強化材などから選択可能です。
BASFのPPAソリューションの詳細については、https://www.ppa.basf.com/
(英語)をご覧ください。
※ Fakuma2024はプラスチック加工業界向けの国際展示会で10月15日から10月19日までドイツ・ミュンヘンで行われました。
・この資料はBASF本社(ドイツ)が2024年10月14日に発表した英語のプレスリリースをBASFジャパンが日本語に翻訳・編集したものです。
・このプレスリリースの内容および解釈については英語のオリジナルが優先されます。
■BASFについて
BASF(ビーエーエスエフ)は、ドイツ ルートヴィッヒスハーフェンに本社を置く総合化学会社です。持続可能な将来のために化学でいい関係をつくることを企業目的とし、経済的な成功とともに環境保護と社会的責任を追及しています。また、全世界で約112,000人の社員を有し、世界中のほぼすべての産業に関わるお客様に貢献しています。ポートフォリオは、6つの事業セグメント(ケミカル、マテリアル、インダストリアル・ソリューション、サーフェステクノロジー、ニュートリション&ケア、アグロソリューション)から成ります。2023年の BASFの売上高は689億ユーロでした。BASF株式はフランクフルト証券取引所(BAS)に上場しているほか、米国預託証券(BASFY)として取引されています。BASFの詳しい情報は、https://www.basf.com
をご覧ください。
■BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業部について
BASFのパフォーマンスマテリアルズ事業本部は、プラスチックに求められる持続可能性への変革の最前線にいます。BASFの製品は、トランスポーテーション、消費財、インダストリアルアプリケーション、建築・建設という4つの主要産業分野にイノベーションをもたらすため、世界中のお客様と共同で開発をすすめています。私たちの研究開発は、プラスチックに関するすべての工程(プラスチックジャーニー)であるMAKE(製造)、USE(使用)、RECYCLE(リサイクル)に焦点を当てています。製造段階では、製品の設計から原材料の選択、製造工程に至るまで、プラスチックの製造方法を改善します。使用段階では、軽量性、堅牢性、耐熱性といったプラスチックの強みを強化します。製品のライフサイクルの終段には、循環型経済を実現するためにどのようにプラスチックジャーニーを終了させるかを検討する「リサイクル」段階があります。2023年、パフォーマンスマテリアルズ部門の世界売上高は72億ユーロを達成しました。詳しい情報は、https://www.performance-materials.basf.com
をご覧ください。
本件に関するお問合わせ先
BASFジャパン株式会社
広報事務局 (カーツメディアワークス内)
TEL:03-6427-1627
basf@kartz.co.jp