プレスリリース
ネットワンシステムズ、イノベーションセンターnetone valleyで、オムロン、明治電機工業と製造現場のスマート化の実現を目指す「次世代無線共創プロジェクト」を実施
ネットワンシステムズ株式会社(本社:東京都千代田区、代表取締役 社長執行役員:竹下 隆史)は、ステークホルダーとの新たな価値の共創に取り組んでいます。
この度、オムロン株式会社(本社:京都府京都市下京区、代表取締役社長 CEO:辻永 順太)、明治電機工業株式会社(本社:愛知県名古屋市、代表取締役社長:杉脇 弘基)と、価値創造の場として2023年5月に開設した「イノベーションセンターnetone valley」にて、“Wiredの世界からWirelessの世界へ”をテーマとした「次世代無線共創プロジェクト」を実施しました。
今回の取り組みでは、次世代の製造現場に貢献するソリューション開発を目指し、3社それぞれの知見や技術力を活かしながら、ローカル5GとWi-Fi6の無線技術を活用した、AMR(Autonomous Mobile Robot)の自律走行やPLC(Programmable Logic Controller)タグデータリンク通信の検証に取り組みました。
<関連情報>
共創が紡ぎ出す未来の工場『次世代無線共創プロジェクト』
https://www.netone.co.jp/valley/news-event/3953.html
■取組み背景
インダストリー4.0を基本概念とした工場のスマート化では、従来の固定設備による生産現場ではなく、AMRなどの自動搬送ロボットを活用した、柔軟で拡張性を持った生産ラインが求められており、無線技術に対する期待が高まっています。無線化されることで、柔軟なライン変更が可能になるだけでなく、工場の稼働率向上や運用コストの大幅削減、更には工場の働き方そのものが変わることが期待できますが、実現化にはIT とOTそれぞれの観点が必要であり、導入に課題を感じている企業も多い状況です。
そこで、ネットワークインフラ領域に強みを持つネットワンシステムズ、ファクトリーオートメーション機器を扱うオムロン、工場設備や制御機器、計測機器を得意とする明治電機工業の3社が、それぞれの知見や技術力を活かしながら共創活動に取り組むこととなりました。
■次世代無線共創プロジェクトの概要 〜製造現場改革に向けたインフラ整備デモ〜
本プロジェクトでは、工場のスマート化、レイアウトフリーな生産ラインの実現に向け、Wi-Fi6とローカル5Gを活用した、AMRの自律走行やPLCタグデータリンク通信の検証を行いました。また、検証をもとに準備したデモンストレーションを、7月から9月にかけて製造業のお客様40社超を招待し、イノベーションセンター netone valleyにて披露しました。
−AMR自律走行におけるWi-Fi6とローカル5Gの比較
無線を活用したAMRの導入により、作業の自動化、作業効率の向上、省人化などが期待できますが、工場や倉庫などの環境では、無線通信がノイズや障害物によって影響を受けやすく、通信の安定性が課題となります。デモでは、AMRにPLCやWi-Fi6、ローカル5Gの子機、4Kのネットワークカメラなどを搭載し、ローカル5GおよびWi-Fi6による通信制御でAMRが自律走行できること、走行の際に起こるアクセスポイントや基地局との間での通信切り替え時のネットワークの乱れを、視覚的に分かりやすい映像などを利用して比較しました。
比較の結果、自律走行についてはどちらも差がないように見えましたが、映像については、Wi-Fi6利用時では乱れが生じ、ローカル5G利用時では4Kの映像でも乱れがなく、より高い可用性が求められる環境におけるネットワークの重要性を確認できました。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/173/97205/500_295_202410171943476710ea638d3e0.png
<イノベーションセンター内デモ環境>
[画像2]https://digitalpr.jp/simg/173/97205/350_263_202410171943566710ea6c1fb18.JPG
<機器の子機を搭載したAMR>
−無線空間における PLC タグデータリンク通信のWi-Fi6とローカル5G比較
従来、装置間の通信が有線で複雑に配線されていたPLCを無線化することで、配線の手間の省略、自由な生産ラインの変更、生産設備の遠隔操作などが可能になりますが、通信の遅延やデータロスが生産性に影響を与える可能性があります。通信規格の違いによるデータ欠損の有無を確認するため、無線空間でのPLC間のデータ同期を行うタグデータリンク通信を行いました。Wi-Fi6ではデータの欠損が生じましたが、ローカル5Gでは欠損なくデータを取得することができました。
これら2つのデモにより、どちらも生産現場で使用可能な技術であることを示したうえで、現場での安定性・パフォーマンスを重視する場合はローカル5G、導入コストや対応機器の豊富さを優先する場合はWi-Fi6といったように、無線化で何を実現したいかによって採用する技術の選定や、現場のニーズと課題を詳細に把握することによる安定接続にむけた最適化が重要であることをお客様に提示しました。今回の共創活動で得た知見をもとに、工場のスマート化に向けた支援を行ってまいります。
■今後の展望
技術の複雑化、顧客ニーズの多様化、イノベーションの必要性など、現代のビジネス環境に適応するために、企業同士が協力して新しい価値を創造することが求められています。当社は、その価値創造の場として、2023年5月に「イノベーションセンターnetone valley」を開設しました。
今回のプロジェクトをはじめとする、この場を活用した、ステークホルダーとの新たな価値の共創に向けたエコシステムのハブに当社がなることで、ICTの技術力・知見を活かした様々なイノベーションの創出に取り組んでまいります。
オムロン株式会社について
オムロン株式会社は、独自の「センシング&コントロール+Think」技術を中核としたオートメーションのリーディングカンパニーとして、制御機器、ヘルスケア、社会システム、電子部品、そしてこれらの事業を通じて取得した多種多様なデータを活用したデータソリューション事業を展開しています。
1933年に創業したオムロンは、現在では全世界で約28,000名の社員を擁し、130ヶ国以上で商品・サービスを提供し、よりよい社会づくりに貢献しています。
詳細については、https://www.omron.com/jp/ja/
をご参照ください。
明治電機工業株式会社について
明治電機工業株式会社は、製造業を支援する「サポーティング・インダストリー・カンパニー」として、高度な技術でFA、工場の自動化を支えています。また、水素ステーションの建設や純水素型燃料電池発電機の開発・製造、CO2排出量削減商品の提供など環境事業にも注力しています。日本の「ものづくり」を支え続けて104年。お客様の脱炭素実現に向けた課題解決に取り組み、カーボンニュートラル社会に貢献しています。
ネットワンシステムズ株式会社について
ネットワンシステムズ株式会社は、優れた技術力と価値を見極める能力を持ち合わせるICTの目利き集団として、その利活用を通じ、社会価値と経済価値を創出するサービスを提供することで持続可能な社会への貢献に取り組む企業です。常に世界の最先端技術動向を見極め、その組み合わせを検証して具現化するとともに、自社内で実践することで利活用ノウハウも併せてお届けしています。
※記載されている社名や製品名は、各社の商標または登録商標です