プレスリリース
【青山学院大学】野中敬翔さん(理工学研究科)がKaggle主催の世界最大級AIコンペティションで「金メダル」を獲得
世界最大のAIコンペティションプラットフォーム「Kaggle」が開催する「LLM 20 Questions」において、野中敬翔さん(理工学研究科 理工学専攻 機能物質創成コース 博士前期課程1年・春山純志教授研究室所属)が第5位として「金メダル」を受賞した。
「Kaggle」が開催する「LLM 20 Questions」は、AIプログラミング分野のコンペティションにおいて、世界でも最も有名なものの一つである。
今回の「LLM 20 Questions」コンペティションでは、伝統的なゲーム「20 Questions」をプレイする言語モデル(LLM)を作ることを課題として、世界中から約6,500人がエントリーした。数多くのエントリーの中から、野中さんが提案したプログラムの斬新さが審査員に認められ、オックスフォード大学、マサチューセッツ工科大学(MIT)、東京大学などの学生と並んで第5位に入賞し、金メダルのほか、賞金8,000ドルを獲得した。
▼「20 Questions」とは
・「20 Questions」は、シークレットワードを20個以下の質問で当てるゲーム。
・プレイヤーはYes/No形式の質問を使って、一般的な質問から具体的な質問へと絞り込む。
・最終的に、できるだけ少ない質問数でシークレットワードを当てることが目標。
▼コンペティション形式
・各チーム/プレイヤーは、質問をする「Guesser LLM」と、答える「Answerer LLM」の2つのLLMで構成。
・Guesser LLMは質問を投げかけ、シークレットワードを推測する。
・Answerer LLMは「Yes」または「No」で回答する。
・2つのチームが対戦し、先にシークレットワードを当てたチームが勝利。
【野中敬翔さんからのコメント】
本コンペティションで金メダルを獲得でき、とても嬉しく思っています。この経験を通じて、人工知能・機械学習の理解を深められ、貴重な学びを得ることができました。
コンペティションの課題は、LLM(大規模言語モデル)とアルゴリズムの組み合わせからなっています。Kaggleのコンペティションの参加者には、深層学習のエキスパートが多いため、LLM(大規模言語モデル)だけでは差をつけることが難しく、苦労しました。そこで、勝利の鍵を握ったのはアルゴリズムでした。今回のコンペティションでは、見方を少し変え、キーワードに対して"0"と"1"からなる唯一の番号を割り振る問題に帰着できました。そこで私は、よく使われる単語には短い番号(010など)を、あまり使われない単語には長いコード(01010101など)を割り当てる仕組み(ハフマン符号)を使い、キーワードに対して、唯一の符号を割り当てる独自のアルゴリズムを構築しました。これが奏功し、5位入賞という結果につながりました。
これらは本学の情報理論関係の授業で学んだことが本当に役に立ちました。時間内にLLMを素早く構築でき、残りの時間をアルゴリズムの検討に充てられたのは、私が所属している春山研究室の一貫したテーマである「機械学習」と、物理の共同研究先の齊藤英治研究室(東京大学)にて、普段からLLMに携わっていることも大きく役に立ちました。
今後もこの分野の研究を更に学び、より素晴らしい成果を上げられるよう努力したいと思います。お世話になった青山学院大学の皆さま、そして共同研究先の齊藤英治研究室の皆さまに、心より感謝申し上げます。
【指導教員 春山純志教授(理工学部 電気電子工学科)からのコメント】
野中敬翔さんが、世界的なAIコンペティションにおいて、5位に入賞して「金メダル」と賞金を獲得し、大変嬉しく誇りに思います。参加者は、大学や有名企業のチーム団体が大半ですが、野中さんは個人での挑戦で受賞しており、より一層素晴らしい結果だと思います。
野中さんは学部時代から、数学やAIコーディングに関して、一種天才的な才能を持っており、当研究室に所属してからは、AI分野で高名な齊藤英治研究室(東京大学)との共同研究で、野中さんの才能を伸ばすよう指導してきました。昨年度の卒業研究では、AIと量子物理の相関に関する素晴らしい卒論を執筆し、春と秋の物理学会にて講演も行いました。現在も執筆を続け、さらに本コンペティションに参加し、LLM(大規模言語モデル)に関する研究にも没頭して大きな成果を出しています。この受賞を励みにし、彼の名前の「敬翔」の通り、更なる高みに「飛翔」してくれることを心より願ってやみません。
【取材に関する問い合わせ先】
青山学院大学 政策・企画部 大学広報課
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