プレスリリース
ネット炎上急増!日経平均採用銘柄225社中、ソーシャルメディアポリシー、SNS利用規約の必須項目を網羅し、公開している企業はわずか15社(6.7%)のみ
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2024年8月29日、一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所(所長:佐々木 寿郎、住所:東京都渋谷区、以下「研究所」)は、ソーシャルリスク管理体制の構築度合いを明らかにする目的で、日経平均を構成している225社において、ソーシャルメディアポリシー及びSNS利用規約がHP上で公開されているかを調査しました。
調査結果の要点
・日経平均採用企業225社のうち、公式SNSアカウントを保有する企業は221社であり、98.2%を占める。
・ソーシャルメディアポリシーとSNS利用規約の両方を公開している企業は62社、いずれかを公開している企業は93社に留まる。
・両方とも公開していない企業は70社であり、2022年の調査結果と同水準であった。
・必要項目を網羅したソーシャルメディアポリシーやSNS利用規約を策定している企業は全体の9.7%であった。
ソーシャルメディアポリシーならびにSNS利用規約をHP上で公開している企業は、それぞれ約半数であることが明らかになりました。さらに、研究所が推奨する最低限必要な46項目の網羅状況について調査を行ったところ、一定の基準を満たしている企業は225社中15社(6.7%)のみでした。また、15社中46項目すべてを網羅している企業は0社でした(詳細は「調査結果」参照)。
なお、必須項目を網羅していた15社は以下の通りです。
ニデック、あおぞら銀行、りそなホールディングス、三井住友フィナンシャルグループ、千葉銀行、ふくおかフィナンシャルグループ、オリックス、日清製粉グループ本社、日本ハム、日本電気硝子、日本碍子、三菱商事、東海旅客鉄道、東京瓦斯、大阪ガス
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ソーシャルメディアポリシーは、企業がSNSを運用するにあたっての姿勢やスタンスをステークホルダーに明示するもので、トラブルに繋がる行動ならびに発言を抑制するために設定されます。SNS利用規約は、ソーシャルメディアの利用者に対して、企業側の責任範囲を明確化してトラブルに備えるために設定されるものです。公式SNSが閲覧する範囲を定める項目もあるため、アカウントを保有しているだけでも設定が必要です。
つまり、両方を公開することで企業のソーシャルリスク上でのトラブルを防ぎ、信頼やブランドを守ることができると言えます。ソーシャルメディアを活用するのであれば、両方を明示すること、必要項目を網羅することは企業のブランドや信用を守る上で欠かせません。そもそも公開されていない、公開されていたとしても網羅性が低く定期的な見直しがなされていない場合は、トラブルが起こりやすい企業体制になっていると言えるでしょう。
SNSを発端とした炎上事例を分析すると、ソーシャルメディアポリシー及びSNS利用規約が策定されていない、策定されていても網羅性が低く実用的な内容になっていないケースが大半です。SNSを発端とした炎上は起こるべくして起こっていると言っても過言ではありません。
以下のURLからリスク管理体制の簡易チェックが可能ですので、活用していただければと思います。
リスク管理体制の簡易チェック
https://www.siemple.co.jp/crisis_management_check/
調査概要
近年、SNSを発端とした炎上が増加しております。その理由として、SNSを活用する際の基盤であるSNS利用規約及びソーシャルメディアポリシーが策定されていない、または策定されているが数年前から更新されていない、有用なものとなっていないケースが散見されました。そこで、リスク管理体制の実態を明らかにすべく調査を実施しました。
・調査期間:2024年7月16日〜2024年8月6日
※前回調査(2022年8月1日〜2022年8月20日)
・調査方法:日経平均採用企業のHP上に掲載されているか否かを調査
・調査対象:日経平均に採用されている225社
※持株会社化している企業に関しては、持株会社のみを調査
調査結果
HP上でソーシャルメディアポリシーが公開されているか調査したところ、225社中110社(48.9%)が公開していることが分かりました。また、SNS利用規約が公開されているか調査したところ、225社中107社(47.6%)が公開していました。
ソーシャルメディアポリシーならびにSNS利用規約の公開状況に関して、2022年の調査時点とほぼ同水準であることが明らかとなりました。
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上記とあわせて研究所が推奨している46項目が網羅されているかについて調査を行いました。ソーシャルメディアポリシー、SNS利用規約について、「両方を公開している」または「いずれかを公開している」企業を対象に調査を実施。項目ごとに配点を決め、総合点を元に網羅性が高い順にA〜Dまでの4段階に分類しました。
その結果、Aランク15社(9.7%)、Bランク50社(32.3%)、Cランク56社(36.1%)、Dランク34社(21.9%)でした。またすべての項目を網羅している企業は0社でした。
ソーシャルメディアポリシー、SNS利用規約を公開している企業においても多くの課題を抱えていることが明らかになりました。なお、当研究所が推奨する項目すべてを網羅していないものの、一定の基準を満たしていると判断できるものはAランクとしております。
▼当研究所基準による91点満点中
Aランク:61〜91点
Bランク:41〜60点
Cランク:21〜40点
Dランク:1〜20点
調査資料をダウンロードする
https://www.siemple.co.jp/document/nikkei_225_risk_investigation_240829/
ソーシャルメディアポリシー、SNS利用規約の策定を含めたソーシャルリスク管理体制構築支援サービスの概要
研究所では、企業のソーシャルリスク管理体制構築の支援を行うべく、本件の調査とあわせてソーシャルメディアポリシー及びSNS利用規約の策定を含めた「ソーシャルリスク管理体制構築支援」を行っています。
サービスの概要資料は以下よりダウンロードできます。
サービス資料をダウンロードする
https://www.siemple.co.jp/document/sns_risk_management_service_doc/
▼資料の構成
1.ソーシャルリスク管理体制の必要性
2.企業に必要なソーシャルリスク管理体制とは?
3.炎上を防止する「予防対策」
4.炎上発生時のための準備・訓練
▼サービス内容
・SNS利用規約の策定
・ソーシャルメディアポリシーの策定
・従業員向けSNS利用ガイドラインの策定
・SNS運用担当者向け公式SNS運用マニュアルの策定
・クリエイティブリスク診断
・危機管理マニュアルの策定
・従業員向け、SNS運用担当者向け、管理者向けの各種研修の実施
・疑似炎上訓練の実施
SNSを発端とした代表的な炎上事案、企業に必要なSNSリスク管理体制の全体像、サポート内容、具体例ならびに実際の対策例などをまとめています。ソーシャルメディアポリシーならびにSNS利用規約、SNS運用担当者向けの運用ガイドラインの役割や目的なども含まれています。本資料が、公式SNSを発端とした炎上事案に対する予防・準備を検討・実行する上で、一助となれば幸いです。
研究員コメント/一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所 門屋 智晃
昨今、SNSを通じた企業の炎上が多発しており、炎上の多くは適切なソーシャルメディアポリシー及びSNS利用規約の不備が一因となっています。2024年の調査結果では、日経平均採用銘柄225社の中でソーシャルメディアポリシーとSNS利用規約の両方を公開している企業は62社、いずれかを公開している企業は93社に留まりました。両方とも公開していない企業は70社で、この割合は2022年と比べて大きな変動は見られません。企業のリスク管理体制における取り組みが依然として進展していない現状が浮き彫りとなりました。
ソーシャルメディアの利用が拡大する現代において、企業は透明性と信頼性を高めるための方針を明確かつ最新の状態で維持することが求められます。しかし、今回の結果からも分かるように、多くの企業がSNSリスクへの対策を十分に講じていない現実があります。特に、全ての必要項目を網羅したソーシャルメディアポリシーやSNS利用規約を策定している企業はゼロであり、最新の基準への対応が急務となっています。
我々の調査基準に基づいて評価されたAランク企業は9.7%に留まり、すべての項目を満たしている企業は0社でした。これは、企業がソーシャルリスクに備えるための基盤を引き続き強化する必要があることを示しています。当研究所は、企業がこうしたリスクに対処し、効果的にソーシャルメディアを活用できるよう、幅広い支援を提供しています。
私たちは、企業それぞれのニーズに応じた最適なソリューションを提案し、企業のソーシャルメディア活用に関するあらゆる課題を共に解決していきたいと考えています。ご相談はいつでもお受けしますので、ぜひお気軽にお問い合わせください。
一般社団法人 デジタル・クライシス総合研究所について
・設立日
2020年1月10日
・住所
東京都渋谷区神南1-19-14 クリスタルポイントビル 2F
・所長
佐々木 寿郎
・研究員
桑江 令、前薗 利大、嶋津 幸太、門屋 智晃ほか
・アドバイザー
村上 憲郎(元Google本社副社長及び日本法人代表)、芳賀 雅彦(元博報堂・PR戦略局シニアコンサルタント)、山口 真一(国際大学グローバル・コミュニケーション・センター准教授)、徳力 基彦(note株式会社プロデューサー/ブロガー)
・主な研究内容
1.国内及び関係する海外のソーシャルメディア他媒体の特性研究
2.国内及び関係する海外のデジタル・クライシスの事例研究
3.「デジタル・クライシス白書」の発行(年1回)
4.「デジタル・クライシス事例レポート」の提供(月1回)
5.会員向けデジタル・クライシス研究会の開催(隔月1回)
・URL
https://dcri-digitalcrisis.com/
関連リンク
iの視点
https://www.siemple.co.jp/isiten/