• トップ
  • リリース
  • 【東芝インフラシステムズ】オキシデーションディッチ法(OD法)の下水処理施設向け前処理装置 「Habuki(TM)」を発売

プレスリリース

  • 記事画像1
  • 記事画像2
  • 記事画像3
  • 記事画像4
  • 記事画像5

【東芝インフラシステムズ】オキシデーションディッチ法(OD法)の下水処理施設向け前処理装置 「Habuki(TM)」を発売

(Digital PR Platform) 2024年07月22日(月)11時01分配信 Digital PR Platform



2024−7−22
東芝インフラシステムズ株式会社






オキシデーションディッチ法(OD法)の下水処理施設向け前処理装置 「Habuki(TM)」を発売
〜 下水処理施設の能力増強、省エネ対策、老朽化対策に貢献 〜

                                                


[画像1]https://digitalpr.jp/simg/1398/91885/400_254_202407181609086698bf94dfc75.png



回転繊維体を用いたOD法向け前処理装置 「Habuki(TM)」


 当社は、オキシデーションディッチ法(注1)(OD法)の下水処理施設向けに、回転繊維体を用いた前処理装置「Habuki(TM)(はぶき)」を本日、販売開始します。国内約1,000か所の下水処理施設において採用されているOD法の既存設備の前段に「Habuki(TM)」を設置することで、低動力かつ効率的な前処理を実施し、下水中の汚濁物質を分解・除去する反応タンクの負荷を大幅に低減することができます。なお、回転繊維体を用いた前処理装置とOD法を組み合わせた下水処理手法は業界初(注2)の取り組みとなります。

 「Habuki(TM)」は、下水処理施設の反応タンクの前段に設置する、回転繊維体を用いた下水処理装置です。装置内部の微生物を大量に付着・保持する立体網目状の回転繊維体が常に回転することで繊維体の表面に好気性の微生物が保持され、下水中の汚れを分解する微生物の活動を促進することで処理能力を向上させています。その結果、約15分という短時間で汚濁物質を70%以上低減(注3)することが可能です。また、立体網目状構造の繊維体に汚泥が保持されるため同装置における固形物の滞留時間が長く原生動物の割合が大きくなることから、余剰汚泥発生量を従来のOD法と比較して10〜20%削減できます。さらには繊維体が回転しながら空気中の酸素と接触するため曝気が不要であり、低動力かつシンプルな構造で維持管理が容易です。

 近年、下水処理施設においては、人口減少に伴う流入量の減少や広域化・共同化による施設規模の最適化、増強、カーボンニュートラル推進のための省エネ対策、設備の老朽化対策など、さまざまなニーズが高まっています。

 下水処理施設の処理能力を増強する際、通常は新たな系列を増設する必要がありますが、「Habuki(TM)」を導入し下水を処理する既存の反応タンクの能力を増強させることで、新たな反応タンクの増設が不要となり、建設コストを削減することが可能となります。また省エネ対策という観点では、「Habuki(TM)」により後段反応タンクへ流入する汚濁負荷が低減するため、曝気に係る処理水量あたりの消費電力量を約20〜40%削減可能です。さらには、老朽化した反応タンクや曝気装置等の補修工事を実施する際、「Habuki(TM)」を仮設設置し既存反応タンクの処理能力を一時的に向上させることで、施設全体では処理能力を落とさず工事が実現できるため設備の老朽化対策にも有効です。

 「Habuki(TM)」の製品化にあたり、当社は地方共同法人「日本下水道事業団」との共同研究を行ってきました。令和4年4月〜令和5年12月にかけて、栃木県さくら市氏家水処理センターで実規模の実証試験を行いました。実証を踏まえ、「Habuki(TM)」の省エネ性能と処理能力増強が確認できたため、この度製品化にいたりました。

 なお、当社は7月30日〜8月2日に東京ビッグサイトにて開催される下水道分野における国内最大の展示会「下水道展’24東京」の東芝グループブースにて「Habuki(TM)」を紹介します。
 
 当社は、長年培ってきた水処理技術・ソリューション技術と豊富な経験に基づき、今後も地球規模の課題であるカーボンニュートラル、インフラレジリエンスに貢献していきます。

注1 無終端水路を反応タンクとして活性汚泥による処理を行い、最終沈殿池で汚泥と処理水を分離する方法。
注2 国内の下水処理施設向けとして初めて。当社調べ。
注3 Habuki™出口水の溶解性BOD(Biochemical Oxygen Demand)と溶解性T-N(Total Nitrogen)を測定した場合の見かけ低減率。BODは、生物化学的酸素要求量で、生物が水中にある有機物を分解するのに必要とする酸素の量(mg/l)を表しています。T-Nは、全窒素で、水中にある窒素化合物の総量(mg/l)を表しています。


「Habuki(TM)」導入時の下水処理フローイメージ図


[画像2]https://digitalpr.jp/simg/1398/91885/500_185_202407181609116698bf97224d1.jpg


「Habuki(TM)」の主な特長

1.短時間で反応タンクへの流入負荷を低減


[画像3]https://digitalpr.jp/simg/1398/91885/400_196_202407181609136698bf99d4458.png


 「Habuki(TM)」は1分間あたり3〜8回転と低速で回転し、15分程度のHRT(水理学的滞留時間)で下水中のBODを70%、T-Nを25%低減することが可能です(注3。そのため、反応タンクへ流入する負荷を低減でき、曝気に係る電気代の削減が可能となります。

2.大量の微生物で高負荷運転を実現し、反応タンクの系列数を削減


[画像4]https://digitalpr.jp/simg/1398/91885/400_90_202407181609156698bf9baf92c.png


 回転繊維体による浮遊性物質の捕捉と、繊維体に大量に付着・保持された微生物による溶解性物質の分解を同時に行うことで、短時間で汚濁負荷が低減します。前処理設備として設置することで、従来OD法と比較して2倍程度の流入下水量を処理できるため反応タンクの系列数を削減することが可能になるとともに、水量・水質変動に適応することができます。

3.シンプルな構造で維持管理が容易


[画像5]https://digitalpr.jp/simg/1398/91885/400_222_202407181609186698bf9e07a54.png


 「Habuki(TM)」水槽内に設置される回転繊維体の40%程度が水中に浸漬し、これが低速で回転することで水処理を行う非常にシンプルな装置であり、メンテナンスも軸受部分の定期的なグリスアップのみで維持管理が容易です。回転繊維体は1/6ピース×15枚を1ユニットとして、ユニット毎に交換可能な構造となっています。
装置本体がシンプルかつ維持管理が容易であることに加え、「Habuki(TM)」により反応タンクの系列数を削減する場合は、既設の曝気装置を維持・管理する手間を省きます。

「HabukiTM」の主な仕様

[画像6]https://digitalpr.jp/table_img/1398/91885/91885_web_1.png


「Habuki(TM)」 紹介サイト
https://www.global.toshiba/jp/products-solutions/social/water-environmental/solution-product/municipal-field/sewage-treatment/habuki.html

*東芝インフラシステムズ株式会社は株式会社東芝の100%子会社です。

このページの先頭へ戻る