プレスリリース
株式会社商船三井(社長:橋本 剛、本社:東京都港区、以下「商船三井」)と大統海運(Ta Tong Marine、読み:タ・トン・マリン、以下「大統海運」)の合弁会社である大三商航運股有限公司(Ta San Shang Marine Co. Ltd.、読み:タ・サン・シャン・マリン、以下「TSSM社」)は、6月27日、オランダのダーメングループと新造Service Operation Vessel(以下「SOV」)(註1)の建造に関する造船契約を締結しました。本SOVは、アジア初の新造SOVである「TSS PIONEER」(読み: ティーエスエス パイオニア、2022年竣工)(註2)、昨年11月に建造を決定し「TSS CRUISER」(読み: ティーエスエス クルーザー、2025年末竣工予定)(註3)と命名予定のSOVに続き、TSSM社として3隻目のSOVとなります。
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<新造Service Operation VesselのCG>
3隻目となる本船も台湾籍SOVとして、姉妹船である「TSS CRUISER」と同じくメタノールレディな設計となっており、同じベトナムの造船所にて建造され、2026年末の竣工を予定しています。本新造SOVは2020年代後半に建設および運転開始が予定されている台湾の洋上風力発電所への投入が計画されています。TSS PIONEERの操業を通じて培った経験を活かして洋上風力発電所へ人員や物資の安全な移送を行うとともに、洋上での作業員の快適な宿泊設備を提供することで台湾の洋上風力事業の発展に寄与します。
商船三井 風力・オフショア事業群風力事業ユニット担当執行役員の杉山正幸は「TSSM社として3隻目となるSOVの発注が出来、嬉しく思います。本SOVはTSSM社の台湾でのSOVプレイヤーとしての存在を圧倒的なものにすることに加え、更には商船三井の日本を含むアジア地域でのSOV事業展開の布石となることを確信しています」と語っています。
TSSM社董事長の林 宏年(Hrong-Nain,Lin)は「Damen CSOV9020の姉妹船を今回発注できたことを嬉しく思います。洋上風力発電建設に必要不可欠なSOVフリートの拡大を通じ、建設に役立つと共に、再生可能エネルギーの導入拡大を支援し、ネットゼロ社会・持続可能な地球環境の達成に寄与して参りたいと考えています」と語っています。
ダーメン社のCEOであるArnout Damenは「昨年TSS CRUISERを当社に発注頂いた後からTSSM社とは関係を深めて参りました。この度同じCSOV9020デザインの姉妹船の発注を頂いたこと大変感謝しています。両SOVの存在はTSSM社のプレゼンスを台湾のみならずアジアでも大きく高めることに加え、当社とTSSM社の更なる関係発展に寄与するものと期待しています」と語っています。
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(署名式の様子)
左から商船三井 執行役員 杉山正幸、Damen Director Mr. Jelle Brantsma、TSSM社 董事長 林宏年氏、商船三井 執行役員 川中幸一
【本件SOV主要目】
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商船三井について
商船三井は、環境保全など刻々と変化する社会のニーズに応えるため、海運を中心にさまざまな社会インフラ事業や技術・サービスを展開しています。環境保全に関しては、「商船三井グループ 環境ビジョン2.2」(https://www.mol.co.jp/sustainability/environment/vision/
)を掲げ、商船三井グループ一丸となって、自社および社会の温室効果ガス排出削減を推進すると共に、アンモニアや水素を始めとしたクリーンエネルギーのサプライチェーン構築に貢献します。社会の温室効果ガス排出削減に寄与するための一つの方法として海運業やFSRUやFPSOなどの海洋事業で培った実績を活かし、洋上風力発電関連事業のバリューチェーン全体で幅広いサービスの提供に取り組んでいます。商船三井はこれまで培ってきたビジネス経験および海技ノウハウを活かして、洋上風力発電関連事業への取り組みを進め、ネットゼロ・エミッション社会の実現に貢献します。
詳細についてはこちらをご確認ください:https://www.mol.co.jp/services/windpower/
大統海運について
大統海運(董事長:林 宏年)は台湾・台北市に本社を置く台湾の有力船主の一社であり、商船三井の台湾に於ける長年のビジネスパートナーです。TSS PIONEER事業、今回の新造SOV建造が示す通り、近年は商船三井と台湾に於ける洋上風力事業分野に注力して取り組んでいます。
Damenについて
Damen(本社:オランダ)は世界各国に30以上の造船所・関連会社を有しており、オフショア船(SOV・CTV)・タグボート・フェリー等の設計・建造・修繕を行っています。本船は、DamenがSOVの受注・建造実績を積み上げている、ベトナムで建造が行われます。
(註1):【Service Operation Vessel(SOV)とは】
洋上風力発電所のメンテナンス技術者を複数の洋上風車に派遣する為に多数の宿泊設備を持ち、一定期間洋上での活動が可能なオフショア支援船。SOVには洋上風車との距離を常時安全に保つため、ダイナミックポジショニングシステム(DPS:自動船位保持機能装置)を搭載する他、洋上風車のプラットフォーム上に風車技師を安全に渡すため、波等による船体動揺を吸収するモーション・コンペイセイション(Motion Compensation)機能をもつ特殊なギャングウェイ(Gangway:人道橋)を搭載する。これらの特殊機器の安全な取り扱いのために資格および一定の訓練を受ける必要がある。
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左写真:風車技師が使用する人道橋 写真提供:Ørsted社、右写真:SOV内の宿泊設備
(註2):詳細は、以下プレスリリースをご参照ください。
2023年11月22日付台湾洋上風力発電所向けSOV造船契約の締結〜2022年竣工のアジア初新造SOV「TSS PIONEER」に次ぐ2隻目を建造〜(https://www.mol.co.jp/pr/2023/23146.html
)
(註3):詳細は、以下プレスリリースをご参照ください。
2022年3月10日付台湾大彰化洋上風力発電所向け「アジア初の新造SOV」が竣工〜台湾最大規模の洋上風力発電所の安定操業へ寄与〜(https://www.mol.co.jp/pr/2022/img/22031.pdf
)