プレスリリース
米国の再生可能エネルギー市場は、再生可能エネルギー技術から生産される電力のコスト効率、安定的な電力需要、エネルギー移行を支援する強力な自主的および規制上の支援の枠組みにより、成長への準備が整っているといえ、よくある政治的誤解にも関わらず魅力的な投資機会となっています。
[画像1]https://digitalpr.jp/simg/2027/85627/150_155_202403271353476603a65b7807c.png
デビッド・ボイス
プライベート・マーケット・グループ、
シュローダー・グリーンコート
なぜ米国の再生可能エネルギーはこれほどエキサイティングな市場なのか?
昨今、米国の再生可能エネルギーが非常にエキサイティングとされる理由の大きな部分は、再生可能エネルギー市場がもはや真新しさも目新しさもないからです。過去10年間に膨大な設備が新設され、技術は成熟し、産業のあらゆる部分において大規模に稼働しており、再生可能エネルギーは非常にコスト効率の高い電力源となっているように、再生可能エネルギー市場は十分に確立されているからです。
一般的に、米国は巨大な市場です。英国と比較すると、米国の人口は英国の人口の5倍で、6000万人に対して約3億人です。また、興味深いことに、米国民は2倍のエネルギーを消費しているため、米国の電力市場は英国の10倍の規模があります。しかし、再生可能エネルギーの普及率は、米国では欧州の約半分にすぎません。電力需要の年間成長率が約1%あること、古い化石燃料発電所の廃止のためにさらに1%増加することを勘案すると、再生可能エネルギーの投資機会は膨大なものになる可能性があります。
インフレ抑制法(IRA)とは何か、そして再生可能エネルギー市場の未来をどう変えるのか?
IRAによって多くのことが達成されると思いますが、まず、おそらく最も即時的なことは、過去20年間にわたり風力発電と太陽光発電に適用されてきた連邦税額控除の拡大です。以前は、これらの連邦税制上の優遇措置は、法律で廃止が決定されるまで年単位で延長されていました。IRAはこれらを少なくとも2032年まで延長するため、プロジェクト開発から事業計画、サプライ・チェーンに至るまで、長期的に優れた計画を立てるためのかなりの確実性を業界全体に与えることになります。この確実性により、重要な経済変数が固まることで、業界への参入を目指す、より多くの資本を呼び起こすでしょう。
2つ目に、IRAは水素や炭素回収などといった、初期のエネルギー移行技術に連邦税制上の優遇措置を提供するため、これらのプロジェクトを理論的な段階から実装段階までつなげる橋渡しに役立ちます。最後に、これらの新しい資産に関連するサプライチェーンにおいて国内製造業を支援することで、雇用を創出するだけでなく、最終的にはこれらのインフラの構築に伴うリスクを軽減することができます。
政府や連邦政府の支援プログラムにより、インフレ抑制法は大きな成功を収めてきました。政府から得られる1ドルごとに対して、民間セクターからはその何倍もの投資が得られます。新たな産業全体を活性化し、雇用を創出し、税制上の優遇をもたらします。そして忘れてはならないのは、最終的に低コストでクリーンな電力を生み出すことを目的に設計されています。
この法案は米国にとって意義があり、今後の米国のエネルギー政策の方向性を示すものです。
米国の再生可能エネルギー資産の見通しは?
インフレ抑制法が施行される以前から、この業界には多くの自律的な動きがあり、この法案がこの動きをさらに前進させることになるでしょう。
新規プロジェクト開発への取り組みが本格的に拡大し、多くの新規資本がこの分野に参入しています。 結果として得られるプロジェクトを立ち上げるために必要な資本の額を考えてみると、驚異的な数字になります。そして特に重要なことは、このような活動の背景には、真の根本的な経済的推進力があるということです。即ち風力発電と太陽光発電は、単純にコスト効率が高い電力を供給しており、電力会社はそれを利用しているだけなのです。
とはいえ、再生可能エネルギー業界でも、送電や連邦税の優遇措置を効率的に利用する能力、サプライチェーンなどの制約がないわけではありません。しかし、過去10年の実績から将来が少しでも想像できることができるとすれば、それらは調整されつつあります。私は、再生可能エネルギーが米国の電力供給の大きな部分を占めるように進化していくと信じています。
本資料に記載された見解はシュローダー・グリーンコートの米国投資チームメンバーであるデビッド・ボイスによるものであり、必ずしも他のシュローダーの見解と同一であるとは限らず、シュローダーが提供する運用戦略やポートフォリオに反映しているものでもありません。
【本資料に関するご留意事項】
本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・キャピタル(以下、「作成者」といいます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。
関連リンク
シュローダーの視点
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/insights/