プレスリリース
シュローダー グローバル債券チームによる経済見通し
2024年2月
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ジュリアン・ホゥダン
グローバル・アンコンストレインド債券チーム・ヘッド
グローバル債券やグローバル・クレジットを運用するグローバル・アンコンストレインド債券チームによる、マクロ経済環境見通しとポートフォリオへの示唆をご紹介します。
グローバル・アンコンストレインド債券チーム(以下、運用チーム)は、世界のさまざまな状況を分析し、現在のマクロ経済環境とその方向性を評価しています。
前回のレポートからの変化としては、インフレ見通しの改善、金融環境の緩和のほか、主要先行指標(銀行貸出等)に経済安定の兆しがみられていること等を理由に、ソフトランディングの実現可能性が上昇した一方、ハードランディングの実現可能性が低下しています。
時代は変る
このボブディランの曲タイトル (原題:The Times They Are A-Changin' )は、インフレ鈍化の流れが勢いづいている今の状況にぴったりの言葉と言えるでしょう。6か月先/6か月のコアインフレ見通し(年率)は米国、ユーロ圏共に2%の目標近くの水準で推移しています。
さらには、米国の賃金上昇率等の主要な指標は引き続き低下傾向にあり、退職率等の先行指標も、今後もさらなる改善が期待できるという楽観的な状況を示唆しています。
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出所:シュローダー・グローバル・アンコンストレインド債券チーム。上記は例示を目的とするものです。
このような状況を受けて、中央銀行の当局者は、金融引き締めではなく、金融緩和の方向に目を向けることができるようになりました。
中央銀行のトーンの変化という観点では、米連邦準備制度理事会(FRB)が最も明らかです。2022年の引き締めサイクル開始以来初めて、米連邦公開市場委員会(FOMC) 参加者による2024年末の金利見通し中央値が前回の見通しから低下しました。極めて重要な瞬間と言えるでしょう。
衛兵交代
ソフトランディングの実現可能性が上昇していることは、米国、ユーロ圏、英国の循環的経済成長のスコアが改善していることとも合致しています。金融環境の緩和を受けた良好な見通しと相まって、経済循環性が高く、資本集約的な特性を持つ製造業で、底打ち若しくは上方シフトの兆しが確認されています。
市場で激しい雨は降るのか・・・?
インフレ率の低下を受けて中央銀行が金融政策を緩和できる余地が生じていることは、ソフトランディングの実現可能性を高める重要な要素と言えます。なお、市場はすでに金融緩和に対する織り込みを進めており、金融引き締めが経済に与える影響のピークはすでに過ぎた可能性があります。このような背景から、ノーランディングの実現可能性は維持した一方で、ハードランディングの実現可能性を低下させています。
ポートフォリオへの示唆は?
引き続き、イールドカーブ(利回り曲線)のスティープ化(満期が短い債券の利回り低下幅が長期の債券の利回り低下幅を上回る、もしくは、長期債の利回り上昇幅が短期債の利回り上昇幅を上回り、イールドカーブの傾きが急になること)の選好を維持しています。
資産配分では高クオリティのクレジットである証券化商品、エージェンシーMBSやカバードボンドの選好も継続しています。社債については、米国の投資適格社債のバリュエーションの魅力度は薄れてきたとみており、欧州の投資適格社債が米国対比で魅力度が高いと考えます。
通貨では、グローバル製造業の回復が期待される環境下では米ドルが弱含む可能性があります。一方で、このような環境はエマージング通貨にとっては追い風になると考えられるほか、一部の景気循環通貨についても恩恵を受けるとみています。
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