プレスリリース

２０２３−１１−７
東芝エネルギーシステムズ株式会社




中国・Ion Nova社と重粒子線治療装置の販売で業務提携契約を締結

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　

　当社は、11月6日に、中国・艾立子（上海）医科技有限公司（以下、Ion Nova社）と重粒子線治療装置（注1）の中国での販売に向けた業務提携契約を締結しました。当社とIon Nova社は、中国市場における早期の初号機受注を目指します。

　Ion Nova社は、中国政府から中国国産の陽子線治療装置の製造販売認可を唯一受けている上海艾普強粒子設備有限公司（以下、APTR社）と協力協定を締結しているとともに、重粒子線治療装置の専門家で構成され、同装置の開発・販売に特化した会社です。当社は、長年培ってきた重粒子線治療装置における先進技術・納入実績をもとに、中国での受注活動を推進してきましたが、今般、中国企業であるIon Nova社と提携することで、Ion Nova社やAPTR社の中国での知見・ネットワーク等を活用し、受注活動をさらに強化していきます。

　中国では、新規がん患者が約450万人（2020年時点）に上り（注2）、適切ながん治療を行うことが国家として喫緊の課題となっています。そこで、中国政府は、患者の治療時の負担が少ない重粒子線治療装置の導入・拡大に力をいれており、現在中国では、重粒子線施設が2施設稼働中です。さらに、2025年までに重粒子線・陽子線合わせて41施設の導入許可が予定されています（注3）。

　当社は、重粒子線治療装置を国立研究開発法人 量子科学技術研究開発機構とともに開発し、2016年に同機構千葉地区新治療研究棟に、世界で初めて超伝導電磁石を採用することで小型化・軽量化に成功した重粒子線回転ガントリーを納入しました。海外においてもこれまでの当社実績や技術力が評価され、韓国の延世大学向けに同装置を納入し、今年4月には同装置を用いた治療が開始されています。これらの実績を踏まえ、重粒子線治療に対するニーズが高まっている米国などでも積極的な受注活動を進めています。
　
　当社は、今後も重粒子線治療装置の普及を目指して、国内外で積極的な受注活動を展開し、質の高いがん治療の実現に貢献してまいります。

注１　炭素イオンを光の速さの約70％まで加速して炭素イオン線（＝重粒子線）とし、がん腫瘍に対して体の外から照射する外部照射放射線治療の一種。重粒子線は体内で広がりにくく、がん腫瘍にピンポイントで集中させることができるため、周囲の正常な細胞を傷つけにくい。加えて他の放射線に比べて「がん細胞の遺伝子」を破壊する能力が高いという特長がある。患者の身体的負担が少なく早期の社会復帰を可能とする治療方法と言われている。
注２　世界保健機構公表　 https://www.who.int/
注３　中国政府公表　https://www.gov.cn/zhengce/zhengceku/202307/content_6889445.htm





[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/1398/78859/400_267_202311062042056548d10d48354.jpeg


調印式の様子

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