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SecurityScorecard株式会社

SecurityScorecard STRIKEチーム、大規模言語モデル(LLM)を利用し、イスラエル・ハマス戦闘に関する 新たなディープウェブ&ダークウェブ情報を収集、解析

(Digital PR Platform) 2023年10月31日(火)10時00分配信 Digital PR Platform

SecurityScorecard株式会社(本社:米国、ニューヨーク州、CEO:アレクサンドル・ヤンポルスキー、以下SecurityScorecard、日本法人代表取締役社長 藤本大)は、SecurityScorecard Threat Research, Intelligence, Knowledge, and Engagement(STRIKE)チームが、2023年10月8日のイスラエルとイスラム組織ハマスの間で戦闘が勃発した際にディープウェブ及びダークウェブでの情報収集範囲を拡大し、ハマスやその他過激化組織と関連あるメッセージングチャネルを調査対象に加え、メッセージ情報から洞察を導き出したと発表しました。これらメッセージが、ハマスと似た方向性を持つガザ圏外の区域を特定し、紛争の拡大につながる糸口を明らかにするのに役立てるのではないかという見解を示しています。


エグゼクティブサマリー

イスラエルとイスラム組織ハマスの間で現在進行中の戦闘が勃発した時点で、SecurityScorecardはただちにディープウェブ及びダークウェブ(以下、DDW)の調査対象範囲を拡大し、ハマスやその他過激派組織と関連のあるメッセージングチャネルを追加しました。
SecurityScorecard Threat Research, Intelligence, Knowledge, and Engagement(STRIKE)チームは、SecurityScorecardの大規模言語モデル(LLM)を利用したDDWから収集した情報の自動解析と、STRIKEに所属するリサーチャーの持つ地域に関する知識を組み合わせ、これらのチャネルを解析しました。
チャネルでは、各組織の公式見解を表しているものと考えられます。

チャネル内では、キネティックな軍事作戦に関する詳細情報の事前提供や組織の活動を阻止する可能性のある情報の開示はありませんでした。一方、英語圏の大手メディアと比べると、組織の政治的優先事項や対外的姿勢について詳細な見解を示す可能性が高いことを示唆しています。


ハマス系のチャネルでは、ガザ圏外で活動する組織がハマスの攻撃を称賛する内容が投稿されていますが、これらはこの紛争が世界に及ぼす影響に関する外部組織の認識を反映していると考えられます。外部組織が支持表明を公にすることで、現地の聴衆の士気を高めようとする試みであると思われます。
紛争がガザの境界線を越えて拡大し、地域的な戦争に発展しかねないという懸念があることを踏まえると、これらの投稿は、ハマスと似た方向性を持つガザ圏外の区域と組織を特定し、紛争の拡大につながる糸口を明らかにするのに、今回の洞察が貢献する可能性を示唆しています。

背景
10月7日にハマスが攻撃を仕掛けたのが発端となり、イスラエルとハマスの間で武力衝突が発生しました。これを受けて、SecurityScorecardは、直後にディープウェブ及びダークウェブの調査対象範囲を拡大しました。ハマスが「Tufan Al-Aqsa」(「アル・アクサの嵐」や「アル・アクサの洪水」など、さまざまな訳語があてられています)作戦と呼ぶこの攻撃は、今なお進行中です。SecurityScorecardでは、ハマスと他過激派組織(イランとレバノンの両方のヒズボラ組織が含まれます)と関連あるメッセージングチャネルから情報を収集しました。これらの組織は宗派も政治観も異なるものの、イスラエルに対して概ね一致した姿勢を示しています。

10月17日時点で、収集された情報は約2万件のメッセージに及んでいます。STRIKEチームはまず、SecurityScorecard LLMを利用して、大量のメッセージの解析を自動化し、これらのメッセージによって裏付けられるいくつかの重要な結論を導き出しました。次に、自動化された量的解析を、STRIKEチームのリサーチャーの有する地域に関する知識で補完し、さらなるコンテンツの特定を行いしました。それらは、攻撃に関する量的解析の結論を裏付けるメッセージと比べると数は少ないものの、メッセージを流布する組織の政治的優先事項や対外的姿勢についての洞察を与えてくれするものでした。

調査結果
これらのチャネルは、各組織の公式見解を表しているものと考えられます。したがって、キネティックな軍事作戦に関する詳細な情報を事前に提供したり、組織の活動を阻止する可能性がある情報を開示したりすることはありません。しかし、英語圏の大手メディアに比べると、組織の政治的優先事項や対外的姿勢について詳細な見解を示すものである可能性が高いと考えられます。

ハマスの攻撃をめぐるチャネルの説明に関して、SecurityScorecard LLMは、公的報道をかなり厳密に反映したものと結論付けました。解析から、ハマスは今回の攻撃について犯行声明を出していたことがわかります。「アル・カッサム旅団」と呼ばれるハマスの軍事部門の報道官も、声明の中でこれを認めています。この軍事作戦では、ガザ地区に近いイスラエル支配地域に向けて3,500発のロケット弾と砲弾が発射されました。声明では、攻撃された標的に関する具体的な詳細は明らかにされなかったものの、作戦はイスラエル軍のガザ師団を狙ったものだったとの言及がありました。注意すべきは、ガザ師団がガザ地区におけるイスラエルの軍事作戦を監督する責任を担っているという点です。さらに声明では、アル・カッサム旅団がイスラエルの都市アシュケロンに向けてロケット弾150発を発射したことについての言及もありました。

キネティックな軍事作戦についてこれらのチャネルで述べられている内容は、従来のジャーナリズム媒体で提供される内容と相違ないように見えるかもしれません。しかし、内容を詳しく読んでみると、これらの作戦に込められたハマスのメッセージについて、さらなる洞察を得ることができます。英語のニュースサイトとこれらのチャネルの両方が、10月16日にイスラエルの複数の都市に向けて行われたロケット弾攻撃について報じました( https://www.bbc.com/news/live/world-middle-east-67119233?ns_mchannel=social&ns_source=twitter&ns_campaign=bbc_live&ns_linkname=652d4ec7364b3f1612ec5230%26Hamas%20claims%20fresh%20rocket%20attacks%20on%20Israeli%20cities%262023-10-16T16%3A05%3A35.869Z&ns_fee=0&pinned_post_locator=urn:asset:725a36ae-f7ff-4294-8be0-e55c2ce719f7&pinned_post_asset_id=652d4ec7364b3f1612ec5230&pinned_post_type=share
)。同日、Telegramチャネルの「 | Hamas | | 」(「ハマス | ガザ | パレスチナ」)により、「アル・カッサム旅団がイスラエル占領地にミサイル攻撃」および「歴史的パレスチナ全土 [イスラエル全土] が抵抗勢力 [ハマス] の攻撃下に」というメッセージが流されました。



[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/2650/78531/400_122_20231030165739653f61f341a4b.png
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[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/2650/78531/500_229_20231030165745653f61f90456e.png
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画像1、2:ハマスがイスラエル全土の標的に対してロケット弾攻撃を仕掛けたという、
ハマス系のTelegramチャネルで流されたメッセージが含まれます。



上記のメッセージは、広く目にする公的報道とはっきりと見分けがつくような作戦情報を提供するものではありませんが、これらの攻撃に関するハマスの広報態勢がどのようなものなのかが読み取れる内容となっています。多くの人が目にする機会の多い英語の報道では、イスラエルの特定の都市への攻撃について言及しています。これに対し、上記のメッセージでは、ハマスがイスラエル国内のどこにでも攻撃を仕掛けることができるのだということを述べており、イスラエルのあらゆる場所が攻撃を受ける可能性があると主張することで、ハマスの能力を宣伝し、防衛力を誇るイスラエルの主張を挫こうとするものです。

また、10月16日、イランのヒズボラ系チャネル (「ヒズボライスラム抵抗運動のチャネル」)は、ロケット弾攻撃の映像に次のようなキャプションを付けて公開しました。「抵抗勢力の砲撃にさらされるテルアビブ。カッサム旅団の戦闘員はテルアビブに対して激しいロケット攻撃を行った。これらの攻撃について、カッサム[旅団]は、ガザの非戦闘員を標的としたシオニスト政権の攻撃に対抗して行われたものであると発表」



[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/2650/78531/400_425_20231030170203653f62fb07d6e.png

画像3:10月16日、ペルシャ語のTelegramチャネルでハマスのロケット弾攻撃に関する
映像と報道が流されました。



イランのヒズボラ系チャネルで流されたハマスのロケット弾攻撃の映像や報道は、宗派の違いこそあれ、この動きに対する共感(ひいてはイランの公的な支持)を反映したものである可能性があります。

ハマスの初動攻撃に対するイスラエルの対応が進む中、STRIKEチームでは、その対応をハマスに有利な内容であるかのように見せかけるコンテンツを流すチャネルの観察を続けました。10月16日、イスラエル軍によるガザへの空爆でイスラエル人の人質が死亡したことをハマスが人質の家族に伝えたとする報道が、あるチャネルで流されました。そこには次のように書かれていました。「速報 | Israeli Channel 13:ハマスは人質の1人の家族に写真を送り、イスラエルによるガザへの空爆で彼が死亡したことを伝えた」





[画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/2650/78531/600_139_20231030170407653f6377ef044.png
画像2:ハマス系のTelegramチャネルで、ハマスがイスラエル人の人質の家族と
連絡をとり、人質がガザへの空爆で死亡したことを伝えたとする報道が流れました。




人質の死亡を伝える報道は、一般的に、イスラエルは国民を守ってくれるはずだというイスラエル国民の認識を覆し、ハマスが自分たちに有利なストーリーを作り上げるのに好都合に働きます。しかし、このようにはっきりとイスラエル軍の空爆により人が死亡したと主張することには、空爆の精度に疑問を呈し、空爆がパレスチナ人ばかりでなく、イスラエル人の死にもつながりかねないのだと示すことで、攻撃に対する支持を失わせようとする狙いがあるように思われます。

ガザ圏外で活動する組織がハマスの攻撃を称える内容のメッセージは、この紛争が世界に及ぼす影響に関する外部組織の認識を反映している可能性が高く、外部組織の支持表明を公にすることで、地元の支持者の士気を高めようとする作戦とも考えられます。

「 | Hamas | | 」(「ハマス | ガザ | パレスチナ」)と「 | (「イスラム運動 | ヨルダン川西岸入植地」)という2つのTelegramチャネルに投稿されたメッセージは、ハマスの最近の軍事作戦に対するイラクの支持表明を強調する内容となっています。イランがハマスを支援していることを踏まえると、イランの代理勢力として広く知られているシーア派民兵組織により出されたメッセージは、特に注目に値するといえます。

10月7日、Telegramチャネル「 | Hamas | | 」(「ハマス | ガザ | パレスチナ」)に次のような記事が投稿されました。
「サイード・アル=シュハダ旅団のアブ・アル=アラー・アル=ワライ(Abu al-Ala’ al-Wala’i)書記長が、[サイード・アル=シュハダ旅団では]パレスチナの土地、人民、聖地を守るための準備を万端に整えていると発表」

*1 Kata’ib Sayyid al-Shuhada’(カタイブ・サイード・アル=シュハダ)、つまりサイード・アル=シュハダとは、概訳では、「殉教者の神[または主]」という意味であり、預言者ムハンマドの孫でシーア派の3番目のイマームであるフセイン・イブン・アリー(Husayn ibn ‘Ali)の添え名として使われている。カタイブ・サイード・アル=シュハダはイランの支援を受けたシーア派民兵組織であり、イラクに本拠を置いている。





[画像5]https://user.pr-automation.jp/simg/2650/78531/500_85_20231030171657653f66793002e.png
画像4:10月7日、ハマス系のチャネルでイラクのシーア派民兵組織の報道官による
支持声明が取り上げられました。



同様に、これらのチャネルは、バスラとバグダッド(いずれも、シーア派が多数を占めるイラクの都市)でハマスの攻撃を称える様子を取り上げました。

10月7日、「hamaswestbank」は、「 | 」(「イスラム運動 | ヨルダン川西岸入植地」)チャネルで、ハマスの軍事作戦を称えるバグダッドの様子を伝えました。そのうちの1つには、「『アル・アクサの嵐』作戦の発表とイスラエル入植地内からの兵士の捕獲を受けて、祝賀ムードに湧くバグダッドの市街」と書かれています。またもう1つには、「パレスチナ国旗とイスラエル占領に対する現行の軍事作戦名で飾られたイラク首都の建物」とあります。



[画像6]https://user.pr-automation.jp/simg/2650/78531/600_302_20231030171958653f672e24d99.png



その後、10月12日には「 | Hamas | | 」(「ハマス | ガザ | パレスチナ」)が、「「アル・アクサの嵐」の勝利に湧くバスラ」というキャプションが付いたビデオを公開しました。




[画像7]https://user.pr-automation.jp/simg/2650/78531/400_450_20231030172533653f687ddd898.png
画像5:10月12日、ハマス系のチャネルで、イラクの都市バスラにおいて
ハマスの軍事作戦を称える様子が報じられました。


結論
ハマスの起源がスンニ派復興運動にあることを考えると、この宗派が目指しているのは、イランの支援を享受している他組織(通常はシーア派)に対抗することであるとの見方もできます。たとえば、前述のカタイブ・サイード・アル=シュハダをはじめとするヒズボラやイラクの民兵組織は、シリア内戦でハマスの支援を受けた派閥に対抗する勢力を支持していました。実際、かつての論説( https://web.archive.org/web/20221124191832/https://www.thenationalnews.com/opinion/comment/as-the-syrian-war-ends-the-axis-of-resistance-has-been-exposed-for-the-illusion-it-always-was-1.840587
)には、シリア内戦によってスンニ派とシーア派のメンバーの宗派間の違いが際立つ結果となり、「抵抗枢軸( https://warontherocks.com/2022/07/irans-increasingly-decentralized-axis-of-resistance/
)」(米国とイスラエルへの抵抗から生まれたイラン支持組織のネットワークを指す言葉)の弱体化を招いたという見解を示しているものも見られます。

しかし、ここで取り上げたメッセージは、ハマスとイランが支援する他の民兵組織(かならずしも対立しているわけではないが、宗教へのアプローチが大きく異なる組織を含む)の両方が、「アル・アクサの嵐」作戦に対する国際的な支持表明を強調することを狙いとしていることを示唆する内容となっています。このことは、これらの組織が世界の聴衆と、地域紛争激化の可能性、さらには結果として抵抗枢軸の他のメンバーがより広範な紛争に参加する可能性を示唆しています。

紛争がガザを越えて拡大( https://www.bbc.com/news/live/world-middle-east-67119233
)し、地域的な戦争に発展しかねないという懸念があることを踏まえると、紛争の拡大につながる糸口を明らかにするのに、これらメッセージは役立つかもしれません。紛争への関与が口先だけのことでなく、作戦面に及んでいるという確かな証拠( https://www.timesofisrael.com/liveblog_entry/white-house-says-it-sees-no-deepening-of-iranian-role-in-gaza-war/
)がないにもかかわらず、紛争が激化する可能性について取り上げた英語の報道( https://www.cnbc.com/2023/10/15/israel-hamas-war-live-updates-and-latest-and-news-on-gaza.html
)の中で、イランは大きな存在感( https://www.timesofisrael.com/iran-fm-warns-of-imminent-preemptive-action-against-israel-by-resistance-axis/
)を放っています。上で論じたメッセージは、一方においては、ハマスの、また一方では、中東の他地域におけるイランとイラン系シーア派の相互の共感を強調するものであり、同様の傾向を反映したものである可能性があります。


SecurityScorecard STRIKEについて
サイバーセキュリティ専門家から構成されたチームで、諜報機関、軍事特殊作戦、フォーチュン 500 の脅威情報チームで培ってきたキャリアをはじめ、サイバー調査と解析に深い経験を有しています。 STRIKEに所属する アナリストは、脅威インテリジェンスに情熱を持ち、組織のサイバーセキュリティ体制の改善を支援することに注力しています。

SecurityScorecardについて
SecurityScorecard Inc.は、アメリカのニューヨーク州に本社を置く、2013年に設立されたサイバー セキュリティ レーティングの世界的リーディング カンパニーです。1,000万以上の組織を継続的に評価している特許取得済みのレーティング技術は16,000以上の組織で、自社のリスクマネジメント、サプライチェーン リスク マネジメント、経営陣向けのレポート、サイバー デュー デリジェンス、またサイバー保険の料率算定などに活用されています。自社グループ・取引先のセキュリティ リスクを定量的に可視化し、サイバー攻撃による侵害発生の可能性を低減するための具体的なアクションを促すことにより、世界をより安全な場所にすることを目標にしています。
www.securityscorecard.com/jp/

日本法人社名 : SecurityScorecard株式会社(セキュリティスコアカード)
本社所在地 : 東京都千代田区丸の内一丁目 1 番 3 号
代表取締役社長 : 藤本 大


本件に関するお問合わせ先
【本件に関する連絡先】
SecurityScorecard
広報代理店 株式会社プラップジャパン
担当: 八代(070-2161-7123)、牟田(090-4845-9689)、冨安(070-2161-6963)
Email: securityscorecard@prap.co.jp

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