プレスリリース
【中部大学】山本 尚 卓越教授らのペプチド新会社、中部大学発ベンチャー第一号に認定 安価な中分子医薬品の社会実装と市場拡大を目指す
このたび中部大学は、山本 尚 卓越教授らが開発した安価なペプチド化合物の合成技術を事業とするスタートアップ企業「株式会社ペップイノーバ」を、本学発ベンチャーの第一号に認定いたしました。
同社は今後、中部大学の支援を受け、国内の製薬会社などと協力することで、これまでは手が出ないほど高価だった中分子医薬品が病院の保険診療に適用されたり、一般の消費者でも薬店で購入できたりするようにし、世界での市場の拡大を目指します。
【概要】
中部大学は、学内で実施された研究成果を社会に役立つ技術につなぐスタートアップ企業の創設と事業を支援する内容を検討して参りました。選んだ企業には「中部大学発ベンチャー」の称号を付与するとともに、学長が必要と認める支援を本学が行います。このたび有機化学者である山本尚 卓越教授らが2022年7月22日に設立した株式会社ペップイノーバ(名古屋市、満田勝社長)を中部大学発ベンチャーの第一号に認定いたしました。
山本卓越教授らはこれまで約10年、本学のペプチド研究センターでアミノ酸が数十〜百個程度つながったペプチド(タンパク質断片)を効率よく低価格高純度で製造するための基礎的な研究を行ってきました。現在、薬剤の主流は分子量の小さい「小分子」や、逆に分子量が大きい「高分子」の抗体などです。小分子医薬品は患部以外の組織にも働くためしばしば副作用を引き起こします。一方の高分子医薬品は注射や点滴で投与する必要があるうえ、寸法が大きすぎるため細胞の中などで働いて欲しい部位には到達しません。中部大が開発を進めているペプチドは、小分子と高分子の中間の大きさで「中分子」と呼ばれます。病気の治療に程よい寸法ですが、従来の技術を用いると、生産コストが高く庶民の手が届かないような高額医薬品になってしまい現実的ではありません。山本卓越教授らは、従来の方法とは全く異なる液相型ペプチド合成法を開発しました。この方法を用いると、ペプチドの生産コストや製造期間を従来の10分の1以下にできる見通しを得てきました。
社会実装を進めるため、株式会社カネカの研究所長などを務めた満田勝特任教授が代表取締役社長、山本卓越教授が取締役最高技術責任者のペップイノーバを設立しました。
事業内容の柱は次の4点です。
(1)試薬事業
中部大学が独自で開発した革新的ペプチド合成法に用いられる試薬を製造販売。
(2)研究委託事業(CRO)
中部大学ペプチド研究センターと連携し、依頼者が指定する配列のペプチド化合物の最も有利な製造法を提案。
(3)製造受託事業(CMO)
パートナー企業との協業で、契約事項(納期、数量、品質、価格等)に基づいてペプチド化合物の製造し供給。
(4)知的財産ライセンス事業
ペプチド生産を支援するために同社システムの工業実施権を提供。
【ペップイノーバについて】
設 立 2022年7月22日
代表者 満田 勝
本 店 名古屋市西区名駅二丁目34-17セントラル名古屋1101号
資本金 2400万円
URL https://pepinnova.com/index.html
E-Mail info@pepinnova.com
TEL 050−6868−2593
FAX 050−6868−4868
▼本件に関する問い合わせ先
中部大学 学園広報部広報課
TEL:0568-51-7638
メール:cuinfo@office.chubu.ac.jp
【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/