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無線電力伝送の世界初月面実証を目指した産学官連携共同研究を開始。月面のあらゆる場所に無線でエネルギーを供給し探査を加速--名古屋工業大学、日本ガイシ、Space Power Technologies、名古屋大学、金沢工業大学、ダイモン

(Digital PR Platform) 2023年08月02日(水)14時05分配信 Digital PR Platform



国立大学法人名古屋工業大学、日本ガイシ株式会社、株式会社Space Power Technologies、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学、学校法人金沢工業大学、株式会社ダイモンは、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブが実施した第10回研究提案募集(RFP:Request for Proposal)における研究課題「I.広域未踏峰探査技術 宇宙・地上両用途の高効率・長距離無線電力伝送用ミリ波(注1)デバイス及び全体システムの開発」に共同研究として「地球と宇宙で使える24GHz高効率大電力伝送システム及び新規GaN(注2)系整流素子の開発」を提案し、採択されました(2023年7月28日にJAXA宇宙探査イノベーションハブHPにて公開)。




国立大学法人名古屋工業大学(愛知県名古屋市、学長 木下髣、以下、名古屋工業大学)、日本ガイシ株式会社(愛知県名古屋市、代表取締役社長 小林茂、以下、日本ガイシ)、株式会社Space Power Technologies(京都府京都市、代表取締役 古川実、以下、SPT)、国立大学法人東海国立大学機構 名古屋大学(愛知県名古屋市、総長 杉山直、以下、名古屋大学)、学校法人金沢工業大学(石川県野々市市、学長 大澤敏、以下、金沢工業大学)、株式会社ダイモン(東京都大田区、代表取締役 中島紳一郎、以下、ダイモン)は、国立研究開発法人宇宙航空研究開発機構(JAXA)宇宙探査イノベーションハブが実施した第10回研究提案募集(RFP:Request for Proposal)における研究課題「I.広域未踏峰探査技術 宇宙・地上両用途の高効率・長距離無線電力伝送用ミリ波(注1)デバイス及び全体システムの開発」に共同研究として「地球と宇宙で使える24GHz高効率大電力伝送システム及び新規GaN(注2)系整流素子の開発」を提案し、採択されました(2023年7月28日にJAXA宇宙探査イノベーションハブHPにて公開)。



【研究の概要】
 本研究開発においては、「24GHz帯の無線電力伝送(WPT)」を宇宙用と地上用の共通の技術として、宇宙用としては大電力・長距離に備えた送受電システム、地上用としては小型・高効率送受電システムの技術実証を行います。加えて、無線電力伝送用コンポーネンツとして、最も重要な受電整流素子(注3)に関して、ワット(W)級マイクロ波受電においても高効率な直流への電力変換が期待される窒化ガリウム(GaN)系半導体を用いた開発を行います。特に、宇宙での利用で求められる高い放射線耐性を有すること、かつ、将来の地上での通信を含めた無線システムのミリ波やテラヘルツ波(注4)で利用といった高周波化での基幹素子として期待されるGaN基板上のGaN系(GaN on GaN)半導体を開発対象としています。以上により、24GHzによる無線電力伝送システムの月面での早期実現、また、その技術の地上での普及促進、さらには、地上での無線通信周波数の高周波化に備えることを目的としています。

【研究の内容】
1. 24GHz受電用GaN on GaN整流素子の開発(名古屋工業大学、日本ガイシ、名古屋大学、金沢工業大学、JAXA)
日本ガイシが開発したGaN基板(FGAN(R))上に、名古屋工業大学、名古屋大学、金沢工業大学等が内閣府戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)第2期「IoE社会のエネルギーシステム」(2018年度から2022年度)で開発したGaNトランジスタ構造を用いたマイクロ波整流素子を作製し、放射線環境の厳しい月面での使用にも耐える高信頼な無線電力伝送(WPT)用受電素子の実現を目指します。

2. 24GHz帯高出力送電機及び受電機の開発(SPT、名古屋工業大学、日本ガイシ、JAXA)
SPTが開発中の地上でのワイヤレス送電機をベースに、月面でのWPT用の送電機を開発するとともに研究内容1のダイオードおよび整流素子の適用により、WPTシステムの高性能化を目指します。

3. GaN on GaNを用いた地上での新規WPTならびに通信応用に関する検討(名古屋工業大学、日本ガイシ、SPT)
研究内容1および2の成果を迅速に地上での応用に繋げるべく、新規応用先の調査ならびに材料からシステムまでの一貫した製造スキームの構築に向けた議論を行います。

4. GaNを用いたWPTシステムの宇宙実証に向けた検討(名古屋工業大学、日本ガイシ、SPT、ダイモン、JAXA)
今後予定されているLEAD(注5)などの月探査の機会を利用して月面で研究内容1および2の成果を実証できるように、具体的な応用シーンを想定したシステム設計にむけた準備を行います。そこでは、既にダイモン社が月面小型ローバ(YAOKI(R))の開発で得た知識やノウハウを活かします。

【JAXA宇宙探査イノベーションハブについて】
 JAXA宇宙探査イノベーションハブでは、将来月・火星のような重力天体をはじめとした宇宙探査や宇宙活動全般に資する技術の創出を、地上における技術課題解決と融合させ、我が国の産業界や大学とともに革新的な技術の開発を行い、宇宙探査と地上/宇宙産業双方への成果の応用(Dual Utilization)を目指した活動を行っています。
 宇宙探査イノベーションハブHP http://www.ihub-tansa.jaxa.jp/

【用語解説】
(注1)ミリ波:マイクロ波(周波数が300MHzから30GHz、波長が10mから1mmの電波)よりも高い周波数30GHzから300GHzの電波。波長がセンチメートルになる20GHz〜30GHzの準ミリ波も含めて、ミリ波と呼ぶこともある。MHzは10の6乗Hz、GHzは10の9乗Hz。
(注2)GaN:窒化ガリウム半導体。高周波大電力半導体として移動体基地局用増幅器などで既に商用化されている半導体。
(注3)整流素子:アンテナを通して受電したマイクロ波を直流に変換する素子。
(注4)テラヘルツ波:ミリ波よりもさらに高い周波数300GHzから3THz(波長は1mmから0.1mm)の電波。THzは10の12乗Hz。
(注5)LEAD:JAXAが進めている月探査促進ミッション(Lunar Exploration Augmentation and Demonstration)。



▼本件に関する問い合わせ先
金沢工業大学 広報課
住所:石川県野々市市扇が丘7-1
TEL:076-246-4784
FAX:076-248-7318
メール:koho@kanazawa-it.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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