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アース製薬、脳波・視線計測などを用いた商品パッケージデザインの新評価法を確立〜お客様の本音を見える化するニューロマーケティング※1を活用〜

(Digital PR Platform) 2023年06月06日(火)11時20分配信 Digital PR Platform

 アース製薬株式会社(本社:東京都千代田区、社長:川端克宜、以下 「アース製薬」)は、脳波や視線計測などを用いて商品のパッケージデザイン(以下、パッケージ)を科学的に評価する新手法を確立しました。

 新手法は、脳波や視線などから得られる、棚視認性や感情度などの心理生理学的指標を複数組み合わせ、「視認」「好感」「伝達」の3つの側面からパッケージを多角的に評価します。アース製薬の一般的なパッケージ 開発では、お客様へのアンケートやインタビューなどを言語(バーバル)化する評価手法を用いますが、新手法ではお客様の気持ちを言語化せずに非言語(ノンバーバル)の状態で評価することが特長です。この新手法により、お客様の本音(無意識な心理)を見える化し、これまでにないパッケージ開発が可能になりました。
 なお、本研究成果は大阪大学大学院人間科学研究科の入戸野宏教授のアドバイスのもと、「第41回 日本生理心理学会大会(2023年5月20日、21日開催) 」で発表しました。

※1:脳科学の知見を活用して、お客様の無意識な心理を可視化するマーケティング手法

【新評価法の概要】
「視認」「好感」「伝達」の3つの側面から総合的に評価する新手法

パッケージデザインには大きく3つの役割があります。
@お客様の目にとまり、認識していただくこと(視認)
Aお客様の興味をひき、ポジティブに(心地よく)感じていただくこと(好感)
B商品特長を分かりやすく表現し、コンセプト等のメッセージをしっかり伝えること(伝達)
新手法は、この「視認」「好感」「伝達」の側面からパッケージを多角的に捉え、その結果を統合して客観的に評価します。また、結果からパッケージの課題を見つけ、改善ポイントを導きます。


[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/1686/72213/450_212_202306022048276479d70bc52ae.jpg


【新評価法の活用事例】
入浴料『温泡 ONPO Kids』のパッケージ開発

直近1年間に入浴剤を購入し使用した女性24名(28〜52歳)を 対象に、検討パッケージデザインを2種(P、Q)提示し、脳波や視線などを測定しました。その結果、「視認」「好感」ではパッケージPの評価が高く、「伝達」ではパッケージQの評価が高くなりました。
これらの結果を活用して、評価が高いデザインを組み合わせたパッケージを開発し、21年8月に『温泡 ONPO Kids』を発売しました。『温泡 ONPO Kids』は、2つの錠剤を混ぜて香りとお湯色の変化を楽しむ炭酸入浴料です。




[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/1686/72213/150_225_20230605135733647d6b3d4ac89.png




『温泡 ONPO Kids』パッケージデザイン

<調査内容と結果の詳細>
● 【視認】 (目立つか?よく見られるか?)
実店舗の商品陳列に合わせた棚画像を画面に提示し、参加者の視線を計測しました。視線をヒートマップ※2やZスコア※3にて数値化すると、市販の発泡入浴剤パッケージ(コントロール)に比べパッケージPがよく見られて いることが分かりました(図1-1、1-2)。
[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/1686/72213/350_198_202306022048286479d70c590e5.jpg
  [画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/1686/72213/280_202_20230605134030647d673e6dd6d.jpg
図1-1:商品棚の固視時間ヒートマップ              図1-2:パッケージの視認性

● 【好感】 (ポジティブに感じられるか?)
各パッケージ(P、Q、コントロール)の画像を1枚ずつ画面に提示し、参加者がパッケージを見ているときの脳波を測定しました。脳波から感情度※4や覚醒度※5を算出し比較、評価しました。その結果、パッケージPの感情度と覚醒度が共に高く、興味がありポジティブに(心地よく)感じられるパッケージであることが分かりました(図2-1、2-2)。


[画像5]https://user.pr-automation.jp/simg/1686/72213/300_224_202306022048276479d70bae45e.jpg
  [画像6]https://user.pr-automation.jp/simg/1686/72213/300_221_202306022048276479d70bac207.jpg


図2-1:各パッケージの感情度             図2-2:各パッケージの覚醒度

● 【伝達】 (コンセプトが伝わるか?)
『温泡 ONPO Kids』においてお客様に伝えたいコンセプトメッセージは、「2つの錠剤を混ぜて香りとお湯色が変わること」であり、このメッセージが伝達しているか、事象に関連して発生する脳波である事象関連電位(ERP:Event-related potential)を用いて評価しました※6。その結果、パッケージQではメッセージが伝わり、パッケージPでは伝わらないことが分かりました(図3)。


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図3:メッセージ伝達度

※2:ヒートマップとは、固視時間を色の濃淡で表現したグラフのこと。赤色がよく見られているところを表す
※3:Zスコアとは、平均値からのずれを示す値。「(該当品の固視時間−全品の平均固視時間)/標準偏差」により算出される値。1.0より高いことが望ましい
※4:感情度とは、前頭アルファ非対称性(Frontal alpha asymmetry)のこと。100を基準として、値が高いほどポジティブ(心地よい)で あることを表す
※5:覚醒度とは、アルファブロッキング(alpha blocking)のこと。100を基準として値が高いほど興味を持っていることを表し、値が低いほどリラックスしていることを表す
※6:検討パッケージのコンセプトと反意ワード(香りと湯色が変わる/変わらない)を提示後にパッケージを提示した時の事象関連電位(ERP)を加算平均し、200〜350msの区間平均電位の差を比較評価のこと(t-test:**p<0.01)。区間平均電位差が大きいほど、伝達度が高いということを表す


 アース製薬は今後も、確立した新評価法を活用し、商品パッケージデザインを開発してまいります。


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