プレスリリース

攻撃性と腸内環境に関する包括的研究を報告

(Digital PR Platform) 2023年05月26日(金)12時14分配信 Digital PR Platform

〜腸内環境を介した行動障害改善に関する技術の開発に期待〜

藤田医科大学(愛知県豊明市、学長:湯澤由紀夫)消化器内科学講座、医科プレ・プロバイオティクス講座の研究グループは、脳腸相関の一つである「攻撃性に対する腸内環境の関係性」に関する包括的な研究報告を行いました。近年、脳と腸の関係性は大変注目されており、うつ病、不安障害、自閉症スペクトラムなどの精神疾患・障害と腸内環境との関係性が数多く証明されはじめています。一方、攻撃性注1と腸内環境に関する研究はあまり進んでいませんでした。本稿では、攻撃性と腸内環境に関する様々な研究を包括的にまとめ報告しました。今後、攻撃性と腸内環境の関係性の研究が益々促進される可能性があります。
本研究成果は国際誌「microorganisms」(2023年4月12日付オンライン版)に掲載されました。
精神系疾患の治療方法は、投薬、行動治療、生活習慣改善など様々な方法の研究が進んでおりますが、腸内環境の改善を基軸としてこれらの疾患を改善する方法はほとんど報告がありません。今後、腸内環境を改善する素材であるプレバイオティクス注2、プロバイオティクス注3を用いた攻撃性改善の医学的治療への研究に発展させていく予定です。


<研究成果のポイント>

攻撃性と腸内環境の研究に関する様々な分野の報告をまとめ、攻撃性と腸内環境の関係性を明確に示しました。
今後は様々な動物において攻撃性に異常がみられた動物の腸内細菌叢解析などを行い、攻撃性に関与する細菌を同定するとともに、プレバイオティクス、プロバイオティクスを用いたそれらの異常な細菌叢の改善の研究技術の確立をめざします。


<背景>
近年、脳—腸相関の研究の広がりとともに、精神疾患と腸内環境の研究が大幅に進んでいます。一方、攻撃性と腸内環境の関係は十分に解明されているとはいえないのが現状です。その原因の一つは、攻撃性と腸内環境の関係性を包括的にまとめた文献がほとんど存在しないことです。今回、実験動物のみならず社会の中で問題となっている愛玩動物やヒトの攻撃性まで、腸内環境と関係する多様な攻撃性に関する研究報告を包括的にまとめるとともに、腸内改善を介した攻撃性の提案を行う研究論文を投稿しました。今後、藤田医科大学オリジナルの研究の発展により、腸内細菌を用いた攻撃性の評価ができる可能性が示唆されるとともに、プレバイオティクス・プロバイオティクスを用いた攻撃性の改善技術の確立につなげてきたいと考えています。


<今後の展開>
本稿において、攻撃性と腸内環境の関係性が明確化されてきました。現在は、動物モデルなどを構築し、攻撃性に影響を及ぼすような特有の腸内細菌の探索などを実施する研究を行っております。また、将来的には、腸内環境を改善する素材である「プレバイオティクス・プロバイオティクス」を投与することで攻撃性を伴う疾患を改善する研究検討しています。
最終的には、ヒトの様々な行動障害において、影響を受けている患者のQOLを改善する研究にまで発展させることをめざします。


<用語解説>
注1) 攻撃性:生物にとって必須の本能であり社会的秩序の構築に重要な役割を果たす行動。過剰な攻撃性は社会的秩序を乱し大きな社会的・経済的損失を与える
注2) プレバイオティクス:体に存在する良い効果を発揮する菌を選択的に増やす食品成分。オリゴ糖・食物繊維など。
注3) プロバイオティクス:体に良い効果を発揮する生きた菌。ビフィズス菌や乳酸菌など。 


<文献情報>
●論文タイトル
Impact of Gut Microbiota on Host Aggression: Potential Applications for Therapeutic Interventions Early in Development

●日本語タイトル
腸内細菌叢が宿主の攻撃性に与える影響

●著者
三上克央1、渡邉己弦1、栃尾巧2、木本啓太郎1、赤間史明1、山本賢司1

●所属
1 東海大学医学部精神科学
2 藤田医科大学医学部消化器内科学講座
(現医科プレ・プロバイオティクス講座)

●掲載誌
microorganisms 2023, 11, 1008 11041008

●掲載日
2023年4月12日(オンライン版)

●DOI
10.3390/ microorganisms 11041008



本件に関するお問合わせ先
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp

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