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プレスリリース

日本電信電話株式会社

理研、NII及びNTTがIOWNによる大規模研究データの利活用促進に向けて連携

(Digital PR Platform) 2023年03月29日(水)14時07分配信 Digital PR Platform

 理化学研究所(理研)、情報・システム研究機構 国立情報学研究所(NII)および日本電信電話株式会社(NTT)は、超高速、超低遅延、超低消費電力を実現するIOWN(Innovative Optical and Wireless Network)※による研究データ利活用促進に向けた連携・協力に関する覚書を2023年3月27日に締結しました。
 今後は、三者それぞれの強みを活かし、IOWNを活用した大規模・高品質なデータ転送等に関する検討やPoCを実施していきます。さらに、将来的に多くの研究分野や研究機関のモデルとなり、日本全体の研究環境の改善と研究力の強化に繋がることを期待しています。

1.協定の概要                               
(1)背景
 ビッグデータやIoT(Internet of Things)、AI(人工知能)といった分野に限らず、あらゆる研究分野において大規模なデータを扱う機会が増えています。そのデータを最大限に活用して研究活動を効果的に進めるためには、物理的に離れた研究拠点間で大規模な研究データを効率的に転送し、蓄積・処理・解析などを行うニーズが高まっています。
 国内唯一の自然科学の総合研究所である理研では、現在、次期中長期計画となる第5期中長期計画(2025年度〜2031年度)に向けた先行的な取り組みとして、理研全体で横断的なプロジェクトである「Transformative Research Innovation Platform of RIKEN platforms(TRIP)」を2023年度から開始すべく、準備を進めています。TRIPは、理研の最先端研究プラットフォーム(スーパーコンピュータ、大型放射光施設、バイオリソース事業など)をつなぐとともに、先駆的に研究デジタルトランスフォーメーション(研究DX)を加速・発展させ、社会変革のエンジンを提供しようとする挑戦的なプロジェクトです。これを遂行していくためには、研究拠点間で大規模・高品質な研究データを効率的に転送して利活用する環境の構築が急務となっています。
 国内唯一の情報学の学術総合研究所であるNIIでは、情報学分野における未来価値創成のための研究を推進するとともに、学術コミュニティー全体の研究・教育活動に不可欠な学術情報ネットワーク(SINET)などの学術情報基盤の構築・運用に取り組んでいます。2022年度からは全都道府県を400Gbps(沖縄は100Gbps×2)かつ最短ルートで接続した新しいSINET(SINET6)の運用を開始し、ますます増大する研究データの高性能な転送を支えるとともに、セキュアかつ高速のデータ転送のための仮想プライベート網(VPN)などを提供しています。また、オープンサイエンスを推進するための研究データ基盤の開発・整備を進めており、SINET6と効果的に融合させることで革新的な学術研究プラットフォームの実現をめざしています。
 グローバルに事業を展開するICT企業であるNTTは、2019年にIOWN構想を提唱し、オールフォトニクス・ネットワーク、デジタルツインコンピューティングなどに関する研究開発を世界中のパートナーとともに進めています。カーボンニュートラルの実現に向けて、光技術による革新的なコミュニケーションインフラをグローバルに普及させることをめざしています。
 この度三者は、超低遅延かつゆらぎのない超高速ネットワークで物理的に動かすことができない実験施設と研究施設を結び、遠隔地間の大規模な実験データや分析結果などを効率的にマネジメントすることで、研究者が遠隔地からあたかも現地でそのデータを扱えているかのような環境の実現、さらにはさまざまなデータの融合による新たな研究成果の創出をめざします。

(2)覚書の目的
 本覚書は、理研、NIIおよびNTTがそれぞれの能力および人材などの強みを生かして互いに誠実に連携・協力をすることにより、IOWNを活用した大規模・高品質な研究データの利活用の振興及び発展を加速し、それぞれの研究開発活動に資することを目的としています。

(3)連携内容
 三者は、本覚書の目的を達成する範囲において、三者が合意した検討内容やPoC(Proof of Concept。概念実証)実施に関する次の事項について、連携・協力を推進する。

@IOWNを活用したネットワーク環境の構築・管理
Aデータ管理・データ処理に関する技術・環境構築
BIOWNを利用したデータ転送・データ管理と既存ネットワークとの比較
CIOWNの将来機能を踏まえた研究データ利活用環境の拡張

(4)今後の取組
 理研、NIIおよびNTTは、今後、本覚書に基づく連携・協力の中で、IOWNを活用した大規模・高品質なデータ転送などに関する検討やPoCを実施していきます。NTTが構築しているIOWN基盤や知見およびNIIの技術・知見を、理研の研究拠点で活用し、研究現場からのフィードバックを受け、共同で研究データ利活用環境の拡張、特にIOWNの将来機能も踏まえ、TRIPプロジェクト構想が掲げる研究環境の前提を変えるようなデータ利活用環境の構築に向けた検討を進めていきます。こうした取組が、将来的に、多くの研究分野や研究機関のモデルとなり、日本全体の研究環境の改善と研究力の強化に繋がることを期待しています。

※IOWN(Innovative Optical and Wireless Network)は、スマートな世界を実現する最先端の光関連技術および情報処理技術を活用した未来のコミュニケーション基盤です。

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