プレスリリース
PwCアドバイザリー合同会社
2023年03月28日
PwCアドバイザリー合同会社(以下、「PwCアドバイザリー」)は、この度PwC米国が取りまとめた「世界のM&A 業界別動向 2023年見通し」の日本語訳版を公開しました。本レポートは半期に一度、Refinitiv社より提供されたデータを基に世界のM&A動向についてデータを分析し、今後予想されるシナリオについてPwCの見解をまとめています。
2022年の総ディール件数は、過去最高となった2021年の6万5,000件を下回ったものの、パンデミック前の水準を引き続き9%上回りました。現在の市場環境は、企業が綿密に練り上げた戦略と変革的なディールを行うための資金力、およびそれを実行できる勇気を持ち合わせていれば、M&Aにとって最適な状況にあると言えます。
PwCの第26回世界CEO意識調査(https://www.pwc.com/gx/en/issues/c-suite-insights/ceo-survey-2023.html
)の結果より、厳しい時期におけるM&Aの魅力が見て取れます。経営者の73%が世界の経済成長について悲観的である一方、60%は、2023年に経済的課題とボラティリティ(株価や為替などの価格変動率)の影響を緩和するためにディールを延期する予定はない、と回答しており、CEOは成長の必要性に加え、自社のデジタルトランスフォーメーションや環境・社会・ガバナンス(ESG)重視の変革を加速する手段として、引き続きM&Aに目を向けていると考えられます。
2023年は変革とディールがCEOの価値創造戦略の前面に押し出され、M&Aにとって活気に満ちた時期になると予想されます。しかし、依然として景気後退への懸念が残ることから、安定性と確実性を高めるようなM&A(特にプライベートエクイティが関わる案件)の増加につながると考えています。
各業界の2023年M&A動向見通しの概要は以下のとおりです。
金融サービス:ESG、ポートフォリオの最適化、デジタル化が引き続き戦略的な優先事項となり、より規律ある慎重なディールが多くなると予想
ヘルスケア:イノベーションや成長見通しへの投資家の期待が高まる中、回復に向かうと予想
テクノロジー・メディア・情報通信:資本規律や戦略的かつオポチュニスティック(機会主義的)なM&Aが今後数か月間の業界全体の共通テーマになると予想
エネルギー・ユーティリティ・資源:エネルギートランジションとサプライチェーンの確保が引き続き活発なディール活動を支え、新たな投資家を引きこむとともに、さらなる複雑性をもたらすと予想
産業機械・自動車:ポートフォリオの最適化と事業売却は、主にテクノロジーとESG関連の分野において、戦略的なM&A投資とともにCEOにとっての重要課題になると予想
消費財・小売:ポートフォリオの見直しと変革型のディールへの注力により、M&Aの機会が創出されると予想
本レポート詳細につきましては、以下URLよりご覧ください。
世界のM&A 業界別動向:2023年見通し
https://www.pwc.com/jp/ja/knowledge/thoughtleadership/dealsinsights/deals-trends2023-outlook.html