• トップ
  • リリース
  • 大阪大学とUniversity College Londonが新たに連携合意、脳と心と認知症の共同研究を加速 -- 大阪・関西万博での「いのち輝く未来社会」への提言へ

プレスリリース

  • 記事画像1

大阪大学とUniversity College Londonが新たに連携合意、脳と心と認知症の共同研究を加速 -- 大阪・関西万博での「いのち輝く未来社会」への提言へ

(Digital PR Platform) 2023年03月14日(火)14時05分配信 Digital PR Platform



大阪大学とユニバーシティ・カレッジ・ロンドン(UCL)※1は、3月13日に大阪大学にて、認知症を始めとする社会課題の解決を目指した新たな学術連携に合意しました。SDGsの基本原則である「誰一人取り残さない」社会の実現を目指し、両国屈指の大学の英知を結集させ、認知症研究の基礎分野かつ人間の「こころ」の基盤である脳についてなど国際的に卓越した共同研究を実施します。その成果は、社会の幅広いステークホルダーと共有し、市民との対話を紡ぎ、一人ひとりの「いのち輝く未来社会」に対する提言として、2025年に大阪・関西万博の場で発信します。




 世界中が直面する高齢化社会の大きな課題である認知症研究は、英国の研究拠点では基礎から臨床まで一体となって取り組まれています。世界一の高齢化社会といわれているわが国において、大阪大学は、国立の認知症研究所を擁するUCLと共同で認知症研究に取り組み、2019年から認知症の予防、治療、ケアに関する総合的な共同研究を戦略的に実施してきました。これまでに、認知症の治療戦略、社会的機能や社会的決定要因の解明、介護における最適な環境づくりのシステム構築を図っています。
 今後、大阪大学は、今回の合意を契機に、国際的に卓越した研究大学として、UCLとこれらの共同研究を一層推進し、企業も交えて次世代の研究者育成に取り組みます。さらに、人のこころを作り出す脳のメカニズムや認知症と脳の炎症の関係性など、両大学が世界をリードする脳科学や免疫学の先端研究を、それぞれの国の研究機関とも連携して実施し、共同研究を飛躍的に発展させます。

■両大学間のこれまでの歩み、2025年大阪・関西万博に向けて
 両大学間では、既存の幅広い領域での研究交流に基づき2019年に戦略的パートナーシップの覚書を締結しました。以降、23件の共同研究プロジェクトを実施し、その研究成果として発出された論文は50報を数えるなど、以下のような認知症分野などをはじめとするさまざまな分野で学術連携を進めてきました。
 大阪大学は2025年の大阪・関西万博のテーマである「いのち輝く未来社会」のデザインを国際社会とともに実現するため、産官学民の議論をグローバルな次元でも推進しています。また、UCLは2021年に大阪大学創立90周年/大阪外国語大学創立100周年の記念事業として実施した海外の戦略的パートナー大学(グローバルナレッジパートナー ※2)との「パートナーサミット」にも参加し、SDGsの推進や2025年の大阪・関西万博に向けて、「ヘルス」「ウェルビーイング」「サステイナビリティ」の視点で未来社会を展望した共同研究の推進や学術会議の場を設けることに合意しています。
 大阪大学とUCLは社会とのエンゲージメントを大切にし、社会のさまざまな課題解決に貢献する価値を共有してこれまで両大学間のパートナーシップを深めてきました。

<2019年以降の大阪大学とUCLとの共同研究23プロジェクトの一例>
・2019年、認知症の総合研究拠点形成を目指したジョイントラボを共同で設置。
 UCLの公衆衛生研究部門と認知症の社会・生物的発症要因について共同研究を実施中(大学院医学系研究科公衆衛生学の磯博康名誉教授らの研究グループ)。
・2020年、認知症を含め日本における健康に関する課題を総合的に分析した、英語による初めての書籍『Health in Japan』を出版。
・老年精神医学の池田学教授は、UCLの認知症研究センターのJonathan Rohrer教授と、最も介護が難しい認知症の一つと言われている前頭側頭型認知症の治療戦略の開発に取り組む。また、UCL精神医学講座と認知症の社会機能に関する共同研究を実施し、双方からの共著論文が査読中と投稿準備中。
・基礎研究分野でも、免疫学分野での連携のほか、脳の機能の研究においてわが国を代表する脳情報通信融合研究センター(センター長:北澤茂教授)とも連携した共同研究を実施中。

<今後、両大学間で計画されている学術連携の取り組み例>
・産業科学研究所の関谷毅教授が開発した、精度と使用性を両立した画期的なパッチ式脳波計を用いた脳波解析について、英国を代表する認知症の臨床研究者であるUCLのGill Livingston教授とも共同で実施することを計画。
・基礎工学研究科の石黒浩教授の研究室にて、ロボットを利用した認知心理学的実験などを計画。
・UCLは英国の研究所であるUK Dementia Research Instituteを擁しており、両者の強みをいかした多様な分野の研究者による独創的かつ多角的なアプローチにより、超高齢化社会の学際的かつ包括的な共同研究を推進。
・UCLには近く新たな世界レベルの脳科学の研究センターが設置されることとなっており、大阪大学との研究および人材育成における連携も一層の拡大を見込んでいる。

■用語解説
※1 ユニバーシティ・カレッジ・ロンドン
 University College London。1826年に英国・イングランド地方で初めて一般市民に開放された大学であり、女性を平等に受け入れた最初の大学である。30名のノーベル賞受賞者(2020年統計)を輩出、2021年の英国の研究アセスメントにおいて全国2位の研究力と評価されている。伊藤博文、井上馨など長州五傑の留学先でもあり日本と縁の深い大学である。

※2 グローバルナレッジパートナー
 卓越した教育研究に向けた交流の深化に取り組みながら戦略的に連携する、大阪大学のパートナーである海外有力大学(UCL、上海交通大学、グローニンゲン大学、ブリティッシュ・コロンビア大学、カリフォルニア大学デービス校、カリフォルニア大学サンディエゴ校、メルボルン大学等)。


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

このページの先頭へ戻る