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ライオン株式会社

〜歯科健診をより多くの人に〜 日立とライオンが健康診断データを解析 職域における歯科健診の導入が口腔及び全身の健康状態に寄与する可能性を確認

(Digital PR Platform) 2023年02月09日(木)11時00分配信 Digital PR Platform

ライオン株式会社(代表取締役社長 掬川 正純)は、株式会社日立製作所の日立健康管理センタ(茨城県日立市)と協働で、職域における歯科健診の導入が従業員の口腔・全身健康に及ぼす影響について、調査研究を実施しました。2016年10月から2020年3月までの約4年間、日立健康管理センタで人間ドックを受診した従業員(年間約13,000名)を対象に、歯科健診を実施し、そのデータを解析しました。その結果、歯科健診の導入により従業員のオーラルケア行動の実施頻度が経年で増加し、口腔の健康状態が改善することが明らかとなりました。また、唾液検査指標※1と全身健康指標※2との間に関連性が認められ、口腔の健康状態が全身健康と関連することを見出しました。本研究の一部内容は、2023年1月27日(金)〜28日(土)に開催された「日本総合健診医学会 第51回大会」にて日立健康管理センタと当社が共同で発表しました。
※1 唾液検査指標(唾液中の白血球値:歯ぐきの健康状態の指標)
※2 全身健康指標(CRP:全身の炎症反応により増加するタンパク質、HbA1c:赤血球中の糖化したへモグロビンの存在割合。検査前1〜2ヶ月間の血糖値を反映しており、糖尿病の診断にも活用される値)

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■研究の背景
 近年、歯周病が糖尿病をはじめとする様々な全身疾患の悪化の一因となる可能性が報告されており、口腔健康の維持増進に向けた取り組みは全身健康の維持にも非常に重要です。「骨太方針2022」では、健康維持を目的とした国民皆歯科健診の概念が提唱されており、その施策の一つとして、企業の健康診断における歯科健診に対しても注目が集まることが考えられます。しかし、これまで、職域で歯科健診を実施することによる口腔や全身健康への影響を解析した大規模な調査研究は少なく、情報が限られていました。
当社は、年間1万人以上の従業員に対して人間ドックを実施している日立健康管理センタと協働で、職域における口腔と全身健康状態との関連性の解明に向けた調査研究を推進してきました。同センタでは、2016年度から受診項目に歯科健診を導入しており、本検討では、職域における歯科健診の実施が従業員の口腔状態・全身健康状態に及ぼす影響について検証しました。

■研究内容
対象者:株式会社日立製作所日立健康管理センタにおける歯科健診受診者
受診期間:2016年10月〜2020年3月
対象者数:4,794人(2016年度)、12,150人(2017年度)、12,246人(2018年度)、11,319人(2019年度)
歯科健診内容:オーラルケア行動に関する問診(歯みがき回数、フロス・歯間ブラシ使用頻度など)
唾液検査(salivary multi test ; SMT、結果をレーダーチャートで提示)
口腔内カメラによる撮影
解析項目  :問診によるオーラルケア行動の経年変化
       唾液検査(SMT)による口腔の健康状態評価※3
口腔の健康状態と全身健康状態(CRP、HbA1c)の関係
※3 歯ぐきの健康状態として白血球値を測定(好中球エラスターゼ活性測定)

■研究結果
(1)歯科健診導入後4年間で、従業員のオーラルケア行動(1日の歯みがき回数、フロス使用率、歯科通院率)の実施頻度が増加
2016〜2019年度に取得したオーラルケア行動に関する問診データを解析した結果、健診導入後から経年的にオーラルケア行動(1日の歯みがき回数、フロス使用率)の実施頻度が増加しました(図1A、B)。また、歯科通院率に関しても同様に歯科健診導入後から経年的な増加を確認できました(図1C)。定期的に歯科健診を受診し、更に自身の口腔内の状態をSMTや口腔内カメラで視覚的に把握することが、従業員のオーラルケア習慣の向上に繋がると考えられます。

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図1 オーラルケア行動変化


(2)歯科健診導入後4年間で、従業員の口腔健康状態(唾液中の白血球値)が改善
2016〜2019年度に取得した唾液検査項目のうち、歯ぐきの健康状態(唾液中の白血球値)を口腔の健康状態の指標として解析しました。その結果、歯ぐきの健康状態が悪い人(白血球値が高め)の割合は、歯科健診導入年度の2016年度と比較して、2019年度では約20%減少し、歯ぐきの健康状態が良い人(白血球値が低め)の割合は約10%増加していました(図2)。オーラルケア習慣が向上したことにより、口腔健康状態が改善した結果と推察します。

[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/2414/67833/400_200_2023020815594363e3485fcb5e4.jpg


図2 歯ぐきの健康状態(白血球値)の変化


(3)唾液検査指標が改善した群では、全身健康指標(CRP:全身の炎症反応で増加する値、及びHbA1c:検査前1〜2ヶ月間の血糖値を反映した値)の悪化が有意に低減
歯科健診の初回受診時における、歯ぐきの健康状態(唾液中の白血球値)と全身健康の指標(CRP、HbA1c)との関連性を解析したところ、歯ぐきの健康状態が悪い(白血球値が高め)群では、全身の炎症状態を示すCRP値、及び検査前1〜2ヶ月間の血糖値を反映するHbA1c値が有意に高いことがわかりました(図3A、B)。このことから、口腔の健康状態と全身の健康状態が関連する可能性が考えられました。さらに、初回の受診時に唾液中の白血球値が高かった群のうち、2回目受診時にその値が改善した群では、改善しなかった群と比較してCRP、HbA1cの値の悪化が有意に低減していました(図3C、D)。このことは、口腔健康状態の変化が全身健康の変化と関連することを示唆しています。

研究結果(1)(2)について、下記の通り発表しました。

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■今後の予定
当社は、オーラルヘルス領域の基本的考え方に基づく全ての企業活動を「LIONオーラルヘルスイニシアチブ」※4として順次展開しております。本取り組みも、この一環として実施し、今後もお口を起点とした人々の健康増進への貢献を目指してまいります。
※4 当社の中長期経営戦略フレーム「Vision2030」実現に向けたオーラルヘルス領域活動の総称
概要は、2022 年 8 月 8 日発表資料参照(https://doc.lion.co.jp/uploads/tmg_block_page_image/file/8251/20220808a.pdf


■参考情報
当社では、企業の従業員を始めとした法人向けに、唾液検査やセミナーなどを通じてオーラルケアの習慣づくりを支援するサービスを提供しています。
▼詳細はこちら
法人向けウェルビーイング(健康経営)サポートサービス
『おくちプラスユー』
https://oral-kenkou.lion.co.jp/

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■日立健康管理センタ
日立製作所病院統括本部配下4施設※5の1つであり、茨城地区を中心とした事業所の従業員を対象として、人間ドックを実施しています。メタボリックシンドローム改善施策である「はらすまダイエット※6」など、従業員の健康増進に積極的に取り組んでいます。
※5 日立総合病院、ひたちなか総合病院、日立健康管理センタ、土浦診療健診センタ
※6 株式会社ニッセイコムの登録商標














本件に関するお問合わせ先
<報道関係の方> コーポレートコミュニケーションセンター 03−6739−3443

関連リンク
『おくちプラスユー』
https://oral-kenkou.lion.co.jp/

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