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デロイト トーマツ グループ

デロイト調査、世界的な不確実性の中でも、大多数の企業がサステナビリティへの投資を増加させたことが明らかに

(Digital PR Platform) 2023年01月25日(水)11時14分配信 Digital PR Platform

本プレスリリースは、2023年1月16日にスイス・ダボスで配信されたプレスリリースの翻訳版に日本の調査結果を一部加筆したものです。日本語版と英語版に齟齬があった場合は、英語版を優先します。

なお、日本の調査レポート(和訳)は以下URLをクリックしてご覧ください。
https://www2.deloitte.com/content/dam/Deloitte/jp/Documents/about-deloitte/news-releases/jp-nr-nr20230125-report.pdf

【主なポイント】

CxOの75%が過去1年間にサステナビリティへの投資を増加させ、そのうちの20%近くは投資を「大幅に」増加させたと回答
ほぼ全ての回答者が、過去1年間で気候変動によって自社が何らかの影響を受けたとしており、CxOの82%は個人的な影響を受けたとしている
CxOは、環境インパクトの計測の難しさとサステナビリティ関連の取り組みのコストがアクションの主な障壁であると回答


「デロイト 2023年 CxOサステナビリティレポート:グリーンへの移行の加速」では、高い不確実性の中でも世界の企業経営者(CxO)が気候変動を自社の優先事項と捉えていることが示されました。自社にとって最も差し迫った問題のランキングでは、イノベーション、人材獲得競争、サプライチェーンなどの他7つの課題よりも優先して、多くのCxOが気候変動を「上位3項目以内の課題」としました。気候変動を若干上回る順位となったのは経済情勢のみです。さらに、CxOの約75%がこの1年で自社のサステナビリティへの投資を増加させたと回答し、そのうちの20%近くは投資を「大幅に」増加させたとしています。日本においても、80%のCxOがこの1年で自社のサステナビリティへの投資を増加させたと回答しています。

デロイトは過去の調査をもとに、24カ国の2,000人以上のCxOを対象に、気候変動とサステナビリティに関する企業経営者の懸念やアクションを調査しました。本レポートでは、低炭素経済への前進を加速させるために、目標とインパクトの間のギャップを埋めるべく企業に対する提言もしています。

「気候変動がビジネスのアジェンダの一つに今後もなることに懸念があったならば、この1年間でリーダーによるサステナビリティへの注力の高まりは収束していたでしょう。不確実性、混乱、競合するビジネス上の課題が続いた1年でしたが、リーダーは気候変動を優先事項と位置付けています」と、デロイト グローバルのCEOを務めるJoe Ucuzogluは述べています。「よりサステナブルな未来への道のりには時間がかかり、事業の投資が必要になります。この未来は新しい革新的なテクノロジーや創造的なアプローチによって促進されるものです。企業経営者がサステナビリティを優先事項に挙げて投資を増やし、道を拓いているのを見ると、未来は明るいと感じます」

気候への影響に対する懸念が高まっているものの、楽観的な見方が続く

調査対象となったほぼすべてのCxOがこの1年間で自社に気候変動の影響があったと回答しました。既に影響を与えている最も大きな問題として「資源不足/資源コスト」(46%)を挙げ、その他の大きな問題として「気候変動に関連した消費パターンや嗜好の変化」(45%)、「排出規制」(43%)も指摘されました。さらに、約3分の1の経営者が気候変動によって従業員の身体的な健康(37%)とメンタルヘルス(32%)にマイナスの影響があるとしています。一方、日本のCxOは、「気候変動緩和のコスト」(50%)、「政策の不透明感」(43%)、「従業員の身体的な健康」(43%)を上位に挙げています。

ビジネスやステークホルダーに対する影響だけではなく、経営者の82%はこの1年で個人的に気候事象の影響を受けたと回答しており、最も多かった問題は酷暑でした。62%は「常に/大半の場合」気候変動に懸念を覚えると回答しました。

このような懸念にも関わらず、リーダーの78%は気候変動の最悪の影響を避けるために世界が十分な措置を講じるという点に「ある程度」または「非常に」楽観的であると述べており、84%が世界は気候変動の目標を達成しつつ世界経済の成長も実現できるという点に「同意/強く同意」しています。日本の経営者も、82%が気候変動の最悪の影響を避けるために世界が適切な措置を講じている回答し、86%が気候変動の目標を達成しつつ経済的な成長も実現できると同意しており、気候変動に懸念を抱きつつも、アクションには楽観的な見解を示しています。

「調査を見ると、CxOは気候目標を達成し、温室効果ガス排出を削減しつつ、自社と世界経済の両方が成長を継続できると考えていることがわかります」と、デロイト グローバルのサステナビリティ&気候プラクティスのリーダーを務めるJennifer Steinmannは述べています。「企業経営者は自身の楽観的な見方を利用して、永続的で計測可能なインパクトを推進していく必要もあります。そのためには気候適応の取り組みを強化しつつ、あらゆるステークホルダーにとっての公正な移行(Just Transition)を徹底するイノベーションを進める必要があります」

ステークホルダーからの要求の高まりに応える

調査では、ステークホルダーから企業が気候変動へのアクションに対して大きな圧力を感じていることがわかります。CxOの68%は、取締役や経営陣、規制当局や政府、消費者や顧客といったそれぞれのグループから「大きな/相当の」圧力を感じていると回答しています。また、株主や投資家(66%)、従業員(64% )、市民社会(64%)からも圧力を感じています。日本では特に、消費者や顧客(67%)、競合他社(65%)、取締役や経営陣(64%)、規制当局や政府(64%)、従業員(63%)からの圧力を感じています。

従業員アクティビズムが特にアクションの増加を促しています。CxOの半数以上が気候問題に関する従業員アクティビズムがこの1年で自社のサステナビリティ関連のアクションを引き上げることにつながったと回答しています。そのうち24%は「大幅に」アクションを引き上げたとしています。規則からの影響もあります。CxOの65%は規制環境の変化がこの1年で自社のサステナビリティ関連のアクションを引き上げることにつながった、としています。グローバルよりは低い割合ではあるものの、日本でも、従業員アクティビズム(46%)や規制環境の変化(50%)によって自社のサステナビリティ関連のアクションを引き上げることにつながったと回答しています。

昨年のレポート同様に、CxOは自社のサステナビリティの取り組みのメリットとしてブランド認知や評判、顧客満足、従業員の士気やウェルビーイングという3つを上位4項目の中に挙げており、多くのCxOがステークホルダーとの関係強化の手段として気候変動に関する取り組みを考えていることが示されています。メリットとして順位が低かったものは全て財務関連となり、サステナビリティの取り組みから得られる長期的な財務機会を定義することが難しいことが読み取れます。

気候変動に関するアクションは続くが課題が残っている

企業はアクションを取っています。59%の企業がよりサステナブルな材料を使い、59%がエネルギー利用の効率を高めています。50%の企業は気候変動に関する従業員研修を実施し、49%が環境に配慮した新商品や新サービスを開発しています。また、気候変動への適応に向けた取り組みも増やしています。43%の企業が気候変動への耐性を身に着けるために設備の更新や移転を実施し、40%は異常気象リスクに対する保険に加入しており、36%が異常気象の影響を受けた従業員に対して経済的な支援を提供しています。従業員への経済的な支援を提供するという点では、日本企業の52%がアクションを講じたと回答し、グローバルの数値を大きく上回っています。

しかし昨年同様、自社の文化に気候への配慮を取り込んでいることを示すアクションはあまりとられておらず、有意義なトランスフォーメーションをもたらすための幹部の賛同や影響もあまり得られていません。例えば、CxOの21%は役員報酬と環境サステナビリティの実績を連動させる計画がないとしており、30%が気候の取り組みに関して政府へのロビー活動を実施する計画がないとしています。

さらに、特定のグループが気候変動対応をどの程度真剣に捉えているかについて聞かれると、民間セクターが「非常に」真剣に捉えているとしたCxOは29%にとどまりました。アクションを増やす障壁として、CxOの4分の1近くが自社の環境へのインパクトを測定することの難しさを挙げ、5分の1近くがコストや短期的な問題を障壁として挙げています。日本のCxOはグローバルと比較すると、民間セクターや政府のコミットメントの本気度に懐疑的ではありません。

低炭素経済への移行から得られる大きな恩恵を幅広く共有し、一方で経済的な損失を受ける立場にある当事者をサポートするという「公正な移行(Just Transition)」について多くの企業が懸念していますが、この問題の優先度は地域や国によって開きがあります。アジアパシフィック地域は特に公正な移行に注力していますが、欧州の一部の国や米国ではこの問題の優先度はあまり高くありません。

グリーンへの移行を加速させるための提言

デロイトの2023年の調査では、CxOが自社も世界経済も気候変動に対する目標を達成し、温室効果ガス排出を削減しながら成長を継続できると考えていることが示されています。それでは、どのように目標とインパクトの間のギャップを埋め、障壁を乗り越えてより大きなアクションにつなげ、気候の取り組みにかかる短期的なコストと長期的なメリットのバランスをとっていくことができるのでしょうか?

デロイトのレポートには、気候目標を事業全体の戦略やパーパスに取り込むこと、説得力のあるアクションを通じて信頼を構築すること、取締役会に権限を委譲すること、ステークホルダーのアクションを奨励すること、現在(と未来)のテクノロジーに投資すること、制度レベルの変化を促すために協働することなど、問題に着手していく上でCxOの助けとなる複数の提言が含まれています。

提言の掘り下げや、デロイトの2023年CxOサステナビリティレポートの詳細については、ウェブサイトをご覧ください。
https://www.deloitte.com/global/en/issues/climate/content/deloitte-cxo-sustainability-report.html

調査方法
本レポートは企業経営者2,016人に対する調査を基にしています。調査はKS&R Inc.とデロイトによって2022年9月から10月にかけて実施されました。調査対象の回答者は24カ国にわたり、48%が欧州/中東/南アフリカ、28%が米州、24%がアジアパシフィックです。全ての主要業界セクターを代表するサンプルを取りました。さらに、KS&Rとデロイトにより一部の世界の業界リーダーに対して一対一の面談を実施しました。



本件に関するお問合わせ先
報道関の方からの問い合わせ先
デロイト トーマツ グループ 広報担当 高木、菊池
Tel: 03-6213-3210 Email: press-release@tohmatsu.co.jp

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