プレスリリース
〜横浜市民の健康維持に貢献〜
横浜市立大学附属病院は、令和5年1月より横浜市民の健康維持に貢献することを目的とした「YCU 横浜早期膵癌診断プロジェクト2023」を実施します。
本プロジェクトは、かかりつけ医師を通じて、附属病院において膵がんの早期診断(特に腫瘍径10o以下の膵がん)を、CTや超音波内視鏡等による精密画像診断を用いて推進することにより、膵がんの切除率を向上させ、その5年生存率を改善することで、横浜市民の健康維持に貢献することを目的とするものです。
横浜市南部地区(金沢区・磯子区・栄区)の住民を中心にモデル事業としてスタートしますが、将来的にはモデル事業の成果を踏まえ、横浜市や横浜市医師会と連携のうえで横浜市全域に拡大することを目指します。
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取組背景
「膵臓がん」は、5年生存率が 8.5%と最も厳しい病気の1つですが、ステージ0 で発見された場合の5年生存率は90%以上、大きさ10o以下のステージIbまででは80%以上とされており、早期発見が極めて重要な病気です。しかし、初期の膵臓がんは症状が出にくく、実際にステージ0 で発見された患者さんは全体の1%以下となっています。高齢社会を迎えている横浜市においては、膵臓がんは今後も増加することが懸念され、早期発見に向けた取組が必要となっています。
具体的な取組内容
横浜市金沢区・磯子区・栄区の診療所より、裏面に掲載した基準と照らして合計2点分以上に当てはまる方をかかりつけ医師から附属病院に紹介いただきます。
紹介いただいた患者に、附属病院にて造影CTまたはMRIと、超音波内視鏡による精査を行います。ご病気が見つかった場合は外科手術を含めた治療を行います。本プロジェクトでは、地域連携(かかりつけ医師)を通じ、精密検査を市大で行うという流れをつくることで患者への適切なフォローが可能となります。それにより、膵臓がん患者の5年生存率を改善し、横浜市民の健康維持に貢献できる取組となっています。
1点 症状がある(痛み・食欲低下・体重減少・黄疸・便が白い)
1点 1年以内に糖尿病を発症、またはHbA1cが3以上悪化した
1点 慢性膵炎と言われた
1点 アミラーゼ・リパーゼが高い (血液・尿)
1点 CA19-9が高い
2点 エコーで膵管が太い・嚢胞がある・膵臓が痩せている(萎縮)又は見えない
今後の展開
本プロジェクトにより、国内最大の政令指定都市である横浜市で当該の実効性・有用性が明らかになれば、将来、他の政令指定都市でも施行可能な診断システムのモデルケースとなることが期待されます。
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