プレスリリース
銀行はより迅速でスマートな「フィジタル」な未来を実現するためクレジットリスク改革を促進しながら、高度な分析に取り組む
アナリティクスのリーディング・カンパニーである米国SAS Institute Inc.(https://www.sas.com/ja_jp/solutions/risk-management.html
)(以下 SAS)は、銀行業界のデジタル革命の中核にあるのが、クレジットリスク改革と考え、Global Association of Risk Professionals(GARP)とリスク関連技術に関する調査(https://www.sas.com/en/whitepapers/garp-credit-risk-transformations-ai-113178.html
)(英文)を実施しました。
透明性やアクセシビリティへの規制要求が厳しくなる中、顧客が柔軟で対応力の強いフィンテック企業へ乗り換えようとする流れも起こり、銀行業界のリスク担当者は、デジタル革命の必然性を目の当たりにしています。
SASとGARPによる調査報告書『クレジットリスク改革の価値とAIの役割』は、世界の銀行業界のリスク担当者約300名を対象とした調査に基づいています。その調査の内容によると、クレジットリスク改革(CRT)は、他行に先行して改革を進め、競争力を確保しようとする銀行にとって最優先の課題であることが分かりました。リスク管理の専門家は、CRTが銀行業界ではかつてないほどのスピードと範囲で、これまでにない高い目標を目指して進められていることを実感しています。その結果は、調査担当者の事前予想を大きく上回っていました。
最も重要な進化:クレジットリスク担当者の79%が、銀行内における組織変革の他の課題に対して、CRTの優先度を中〜高程度としました。
全速かつ最優先で:回答者の半数以上(55%)が、自行では2年以内に改革が完了すると予測しています。この進行ペースについて、報告書では、「…ビジネスの中核に関わるとき、従来現実重視で慎重であった銀行業界としては驚くべきこと」と記述されています。
迅速でスマートな判断:回答者の約4分の3(72%)が、CRTビジネスの主な目的として、与信判断の最適化を挙げています。
SASのリスク調査・定量分析ソリューション担当シニアバイスプレジデントであるトロイ・ヘインズ(Troy Haines)は、次のように述べています。「クレジットリスク改革の実現とは、『航空機を飛行中に作り直す』ようなものであると思います。リスク担当者は、デジタル化のためには高度な分析に関する十分な知識を持ち、それを既存のオペレーションにどのように組み込んで行けばよいのかを理解していなければならないということを知っていますが、それを実現するには時間がかかることがあります。従来、ROIを重視する銀行が、クレジットリスク改革を重要な事業目標として掲げ、その達成に向けて猛スピードで取り組んでいることは、信用リスクの測定や積極的な信用ポートフォリオ管理が金融機関の生き残りのためにいかに重要であるかを示しています」
より賢明で「フィジタル」な未来を分析力で構築
コロナ禍にあって、多くの業界でデジタル化の公約を果たすことが重要な命題となりました。それは銀行業界も例外ではありません。しかし、他の業界と異なっていたのは、今回調査の対象となったリスク担当者からの回答で、銀行業界が消費者に対してフィジカルとデジタルの両面でタッチポイントを持つ「フィジタル」な構図を目指すと回答したリスク担当者が、52%もいたことです。
金融機関の未来(https://www.sas.com/en_us/offers/22q3/better-banking.html
)(英文)を築くにあたり、「フィジタル」世界を運営する基盤として、具体的な行動に結びつくインサイトやデータを提供する高度なアナリティクス、機械学習、自動化は最も重要な要素になります。しかし、そのような一般的理解に反して、今回の調査対象者達は、自分が所属する組織では、未だにこうしたテクノロジーをCRTに向けた取り組みに適用できる準備が整っていないと考えているようです。実際、改革における最大の課題は何かという質問に対して、リスク担当者の回答の上位3項目は、以下のとおりでした。
人工知能(AI)や機械学習を含む高度なアナリティクス(48%)
プロセスの自動化と効率化(47%)
顧客データ管理の強化(45%)
GARPベンチマーキング・イニシアチブのマネージングディレクター、クリストファー・ドナヒュー(Christopher Donohue)氏は、次のように述べています。「銀行業界で、CRTの取り組みが大きく進んでいることは明らかです。しかし、AIや機械学習の統合、顧客データ管理の改善、与信判断の最適化に関しては、まだ多くの課題が残されていることもわかりました」
今回の調査から、回答者の所属する組織の半数以上が、すでにAIや機械学習を採用している、もしくは今後12カ月以内に利用を開始する予定があることが明らかになりました。調査によると、現時点でこうしたテクノロジーの利用頻度が最も高いのは、プロセスの自動化(62%)、リファインメント(58%)、クレジット・スコアリング(58%)の順になっています。
この結果について、SASのEMEA地域リスク判断部門責任者、ゼイネップ・サルマン(Zeynep Salman)は次のように述べています。「銀行がクレジットリスク改革の成果を最大限に発揮するためには、高度なアナリティクスを理解して、効果的に適用できるようにすることが必要です。リスク管理の実務担当者によって組織の変革は進められていますが、いまだ課題として残るテクノロジーの活用こそが、より迅速でスマートな、銀行にとっても消費者にとってもアクセスしやすい未来を築いていくための礎となるはずです」
CRTの価値とAIの役割の詳細について
GARPの調査報告書の全文は、SAS.com/CRTsurvey(https://www.sas.com/en/whitepapers/garp-credit-risk-transformations-ai-113178.html
)(英文)でご覧いただけます。GARPがオンデマンドで提供している無料のGARP webinar(https://event.on24.com/wcc/r/3979044/DE43CA63935792AEA1C733BEAF115C63
)では、クレジットリスク改革の範囲と内在する課題について学ぶことができます。
GARPについて
Global Association of Risk Professionals(世界リスク管理専門家協会、GARP)は、リスク管理の実践徹底を推進する非党派・非営利の会員制組織です。GARPは、リスクマネージャーの主要なグローバル認定資格であるFinancial Risk Manager(FRM®)のほか、Sustainability and Climate Risk(持続可能性および気候リスク、SCR®)の認定を行っており、継続的専門能力開発による教育機会を随時提供しています。GARPは、GARPベンチマーキング・イニシアチブ(GBI)およびGARPリスク・インスティチュート(GRI)を通じて、リスク管理に関する調査に出資し、実務者、研究者、規制当局間の相互協力を推進しています。
1996年に設立され、評議員会によって統括されるGARPは、ニュージャージー州ジャージーシティに本部を置き、ロンドン、北京、香港にオフィスを構えています。詳しくは、https://www.garp.org/
をご覧ください。
*2022年12月8日に米国SAS Institute Inc.より発表されたプレスリリース(https://www.sas.com/en_za/news/press-releases/2022/december/credit-risk-transformation-survey.html
)の抄訳です。
本原稿はSAS本社プレスリリースの原稿を抄訳したものです。本記事の正式言語は英語であり、その内容および解釈については英語を優先します。
SASについて
SASは、アナリティクスのリーディング・カンパニーです。SASは、革新的なソフトウェアとサービスを通じて、世界中の顧客に対し、データをインテリジェンスに変換するためのパワーとインスピレーションを届けています。SASは「The Power to Know®(知る力)」をお届けします。
*SASとその他の製品は米国とその他の国における米国SAS Institute Inc.の商標または登録商標です。その他の会社名ならびに製品名は、各社の商標または登録商標です。