プレスリリース
【プレスリリース】「こども家庭庁」の発足を知らない子どもが約7割 認知度向上が課題 「こども家庭庁に関する子どもアンケート調査」結果発表ー国際NGOセーブ・ザ・チルドレン
全国(47都道府県)の18歳未満の子どもと高校3年生1,050人を対象に調査を実施
子ども支援専門の国際NGO公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン(理事長:井田純一郎、本部:東京都千代田区)は、2022年6月から7月にかけて実施したインターネット調査「こども家庭庁に関する子どもアンケート調査」の結果を発表しました。本調査は来年4月のこども家庭庁発足に向けて、子どもたちの声を聴き、実態を把握することを目的としています。アンケート調査の結果、以下のようなことが明らかになりました。(有効アンケート回答数1,050件)
1)「こども家庭庁」の発足を知らない子どもが約7割
2)こども家庭庁に優先的に取り組んでほしいこととして「いじめ」や「虐待」に関する回答が多数
いじめ防止をはじめとした学校における子どもの権利保障のほか、子育てに困難を抱える家庭(虐待、貧困など)への支援や、学びの場の提供(学習支援、フリースクールなど)などが上位に挙がった。
それらを「優先的に取り組んでほしいこと」として挙げた理由の多くは、自らがいじめや虐待などをうけている当事者であることや、身近な人や友人が困っているのを見聞きしたため。
一方で、8人に1人(約13%)が「答えたくない」と回答。選択肢には「わからない」もあるが、「わからない」という回答(約2%)をかなり上回る子どもが「答えたくない」を選択している。この点について、心理的安全性が担保されていない懸念や意見形成支援が必要な可能性がある。
3)身の回りの困っていることや心配なことに対する相談相手は、「信頼している身近な人」もしくは「関わり合いの少ない人」という二極化
「学校の友だちが」約4割、「親やそのほかの家族」が約3割と、身近な人を選択した子どもが多数。
一方で普段の生活では関わり合いの少ない「SNS上でつながった名前のわからない人」「ちがう学校に通っている同年代の子ども」を選択した子どもがそれぞれ約1割という結果に。
4)相談方法は、対面・非対面に関わらず、身近な場所を回答した子どもが多数
非対面でやり取りが可能な「チャット」と回答した子どもが約4割いるのに対して、対面で話す「学校」と回答した子どもは約3割。
「わからない・答えたくない」という回答は2割以上。相談しやすい相手、場所が思いつかない子どもも一定数いることが推測できる。
5)『子どもの権利』を学校で学んだと回答したのはわずか半数程度
約3割の子どもが「子どもの権利」を基本的人権だと理解していないことが明らかに。
これらの結果を受け、セーブ・ザ・チルドレンは、来年4月の「こども家庭庁」発足に向けて、こども家庭庁の目的や役割、子どもの権利とは何かなどについて、改めて広く周知していく必要があると考えます。
こども家庭庁は、子どもの目線で、子どもの権利を大切にして、すべての子どもがその命を守られ、自分らしく健やかに安心して成長することができるようにするために作られる組織です。そのためにはまず当事者である子どもたちが自分たちの権利について理解し、想いを声に、形にできるよう、子どもが理解できるような情報提供や意見形成のための支援が求められていると考えています。
またそれらの意見を尊重・反映できるような子ども参加の仕組みづくりや、大人が子どもの声を聞く際の望ましい姿勢が必要であることを、私たちは引き続き行政や政治家、社会に訴えていきます。
【「こども家庭庁に関する子どもアンケート調査」実施概要】
調査対象 : 日本(47都道府県)に在住する18歳未満の子どもと高校3年生(18歳含む)
調査方法 :
(1)(株)クロス・マーケティングのインターネット調査ツール「QiQUMO」提携先会員の15歳〜18歳の子どもによる任意回答
(2)(株)クロス・マーケティングのインターネット調査ツール「QiQUMO」のアンケートフォームを用いた一般の対象者に対するウェブアンケート
※(1)(2)ともに質問内容・順番については統一
実施期間 : 2022年6月15日〜2022年7月24日 ※調査会社による調査:6月20日〜6月23日
有効回答数 : 1,050人
【調査目的】
来年4月「こども家庭庁」の創設に向けて、18歳未満の子どもと高校3年生(18歳含む)を対象に下記3点に関する意見を集め、実態を把握する。
1.こども家庭庁に関すること
2.子どもが自分の困りごとや悩みについて誰かに相談をすることについての想いや考え
3.子どもの権利の認知度
アンケート調査結果(全24ページ)の詳細はこちら:
https://bit.ly/3MG7iG0
<セーブ・ザ・チルドレン概要>
セーブ・ザ・チルドレンは、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現された世界を目指して活動する国際NGOです。1919年にイギリスで創設され、現在、世界約120ヶ国で子ども支援活動を実施しています。日本では1986年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが設立され、国内外で活動を展開しています。
本件に関するお問合わせ先
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報 太田
TEL: 03-6859-0011 E-mail: japan.press@savethechildren.org