プレスリリース
日本母乳バンク協会(東京都中央区日本橋久松町)は、藤田医科大学病院(愛知県豊明市沓掛町田楽ヶ窪1番地98、病院長:白木良一)に国内3カ所目となる母乳バンクを設置するため、現在クラウドファンディングサイト「GoodMorning」で支援を呼びかけています。募集期間10月15日(土)23時59分まで。
国内における母乳バンクの活動は現在、日本母乳バンク協会および日本財団母乳バンクの2カ所のみとなっています。いずれも東京都中央区日本橋に所在し、首都直下型地震などの災害時には、ドナーミルクで命をつないでいる赤ちゃんたちへの影響が懸念されています。これらのリスクを分散し、ドナーミルクを安定して提供できる体制を整えるため、両団体の理事を務める水野克己昭和大学教授が藤田医科大学病院に第3の母乳バンク設置を提案。今回のクラウドファンディングキャンペーン実施に至りました。今年度中に施設工事を開始し、2023年度からの運用開始をめざしています。
寄付については、クラウドファンディングサイト「GoodMorning」のほか、日本母乳バンク協会ホームページ内の「寄付」でも受付可能です。併せて、企業様からの支援も募集しています。
▽母乳バンク設置に向けたクラウドファンディングについて
目標額:1,500,000円
募集期間:2022年10月15日(土)23時59分まで
募集サイト:GoodMorning(下記アドレスよりご覧いただけます)
https://camp-fire.jp/projects/view/601418
資金用途:バイオメディカルフリーザ 2台、クリーンブース1台
募集者:水野 克己(昭和大学医学部小児科教授、日本母乳バンク協会代表理事、日本財団母乳バンク理事長)
■母乳バンクとは?
なんらかの事情で母乳が出ない、またはあげられない母親と赤ちゃんに対し、母乳がたくさん出る母親から母乳を無償提供してもらい低温殺菌するなどして安全に管理された「ドナーミルク」を必要な赤ちゃんに提供する活動です。2014年に昭和大学医学部小児科学の水野克己教授の呼びかけで始まり、2017年に日本母乳バンク協会として法人化されました。現在、藤田医科大学病院を含めて全国59の協会連携病院のNICU(新生児集中治療室)が同バンクよりドナーミルクの提供を受けています。
欧米では国営もあるなど一般的となっている母乳バンクですが、日本ではまだ認知度が低く、普及に至っていないのが現状です。また、ドナーや運営などは善意によるため、資金難が大きな課題となっています。
近年高まる母乳バンクの需要を受け、2019年12月に厚生労働省が母乳バンクを全国に整備する方針を発表。2020年度より医学的効果や衛生基準についての調査研究が進められています。
■藤田医科大学病院内に設置「国内3カ所目の母乳バンク」
ドナーは自宅等で搾乳した母乳を母乳バッグに入れて冷凍後、クール便で母乳バンク(東京)へ送付します(搾乳器、母乳バッグ、送付セットは母乳バンクから提供されます)。提供された母乳は、母乳バンクで細菌検査と低温殺菌処理(62.5℃、30分)を行い、冷凍保存。その後、改めて細菌検査を行い、いかなる菌も検出されなかったものを母乳バンク施設で保管し、発注のあった日本母乳バンク協会連携病院のNICU(新生児集中治療室)に送られます。
藤田医科大学病院内の母乳バンクには、約2週間分の母乳が保存できる施設を整備予定。通常時は東海地方のNICUへの発送を行い、災害時など東京のライフラインが停止した時には当院から全国のNICUに母乳を届けます。
[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/2299/63045/500_564_202209161045026323d51e932fa.jpg
■1500g以下の低出生体重児が対象
ドナーミルクの提供対象となるのは、NICUで治療を受けている1500g以下の低出生体重児です。低体重で生まれた赤ちゃんは消化管が未発達なため、人工乳では上手に消化・吸収することができないことがあります。それに対し母乳であるドナーミルクは、元来母乳に含まれている消化酵素や消化管ホルモンの作用が消化・吸収を助け、また免疫成分も含まれるため、母乳分泌が十分でない時期や母乳を使用することができない場合に赤ちゃんに飲んでもらうことで、生死に関わる「新生児壊死性腸炎」にかかるリスクを約1/3に減らすことが分かっています。
みなさんのご支援お願いいたします
ドナーミルクが利用できることで、多くの小さい命が救われています。災害時にもこの「母乳でつなぐ命のたすき(日本財団母乳バンクホームページから抜粋)」が途切れることのないような仕組みを整備しておく必要があります。すでに多くの方からのご支援をいただいておりますが、より多くの方に「母乳バンク」のことを知っていただきご支援いただけますようお願い申し上げます。
藤田医科大学 小児科学 准教授 宮田昌史
〈寄付についてのお問合わせ〉
一般社団法人日本母乳バンク協会
MAIL:webinfo@jhmba.or.jp
本件に関するお問合わせ先
学校法人 藤田学園 広報部 TEL:0562-93-2868 e-mail:koho-pr@fujita-hu.ac.jp