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シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

都市部のヒートアイランド現象:投資家が気温の上昇を気にかけるべき理由

(Digital PR Platform) 2022年08月30日(火)13時16分配信 Digital PR Platform

熱波の発生頻度が頻発化するにつれ、都心の建築物も適応していく必要があります。世界の都市不動産への投資家にとって、気象データを常に注視していくことが不可欠となるでしょう。



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トム・ウォーカー
グローバル上場リアルアセット 共同ヘッド



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チャールズ・フォックス
リード・データ・サイエンティスト(地理空間)担当、データ・インサイト・ユニット


世界の都市不動産への投資家として、私たちは2019年から地球規模の環境地理空間データを利用してきました。私たちは、NASAなどの宇宙関連機関が発表したデータを含め、学術研究において使用されるデータセットを継続的に調査・解析し、投資先の主要な環境リスクを探り出してきました。
私たちが分析のベースとするデータは、幅広いリスク指標をカバーしています。山火事に関する気象指数、過去の熱帯低気圧の発生率、落雷密度、地滑りリスク、洪水などといった、様々な気象データに関して地理的に詳細な数十億のデータポイントです。 欧州で最近、頻発している熱波は、こうした環境リスクを認識することがいかに重要であるかを示しています。きめ細かな気象データはシュローダーが長年にわたって投資してきた資産です。

私たちは、地球上の30キロメートル間隔の気象データにアクセスし、気温や降水量などの変数を1時間ごとに収集しています。このため、最近の欧州で観測されている熱波に関しても、主要都市で発生した熱波を視覚化することが可能です。私たちの環境データは、暑さに関して過去の状況を分析し、最近の出来事や状況がいかに異常であったかを理解するのに役立っています。

この異常な状況の背景を理解するために、過去10年間に欧州の主要グローバル都市で記録した7月の最高気温の日数を1つのヒストグラムにプロットし、その分布から2022年に観測したロンドンの熱波がどの部分に位置するのかを抽出することができます。
2022年7月18日にロンドンで記録された約36.5℃は、過去10年間に欧州の主要都市で7月に記録したすべての最高気温の日数の内、98%よりも暑く、7月19日に記録した約39℃は過去に記録した全日数の99%より暑かったことが分かります。



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下図が示すように、ロンドンで地表温度が40℃前後になることは非常にまれですが、欧州のいくつかの都市では、このようなピークが定期的に観測されています。ここでは、パリ、ローマ、マドリードをピックアップして比較してみます。これらの都市の赤い点線部分が、先ほどのヒストグラムの右側の裾の大部分を占めています。



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体感温度の重要性
ロンドンやパリでは短期的な変化が見られるものの、私たちは気候変動が南アジアの気温に与える影響をより懸念しています。メディアで最もよく報道されるのは地表面の大気中の温度ですが(上のグラフでは「地表温度」と表示)、人が感じる体感温度の方が快適性の観点からは重要です。

体感温度は、気温、相対湿度、風速の複合的な影響により、人間が感じる温度の感覚を定量的に表したものです。この指標を欧州の都市と南アジアの都市で比較すると、欧州の都市が南アジアの都市のように不快に感じるまでには、まだ長い道のりがあることがわかります。



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実際、湿度や風速の影響で、2022年7月19日にロンドンで記録された約39℃の地表温度は、実際よりも涼しく感じられました。対照的にデリーでは、実際の気温よりも10度以上も高く感じることが常態化しています。



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南アジアから中央・北欧州に至る都市環境において、気候変動の影響が明らかになるにつれ、私たちのインフラストラクチャー、オフィス、ソーシャルスペースは適応を迫られるようになってきています。
エアコンはクライアントを満足させるための短期的な対応策かもしれません。エアコンがないオフィスはすぐに二流の物件になってしまうでしょう。しかし、空調の普及は、これらのオフィススペースの運営上の二酸化炭素排出量をさらに増加させることになります。

中期的には、光の反射の利用、最小限の熱の取り込み、空気の循環や換気の改善など、革新的な新しい建築手法を用いた建築物が期待されます。また、都市のヒートアイランド現象を減らすことを意識した都市計画が標準となり、都市部の開発に緑地を保全し、推進することが奨励されていく必要があるでしょう。


補足
欧州の世界的な都市として、各国で以下の都市数を含みます:

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関連リンク
シュローダーの視点
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