• トップ
  • リリース
  • プライベート・エクイティのリターンに持続性はあるのか?

プレスリリース

  • 記事画像1
  • 記事画像2
  • 記事画像3

シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社

プライベート・エクイティのリターンに持続性はあるのか?

(Digital PR Platform) 2022年08月29日(月)13時16分配信 Digital PR Platform

シュローダー・キャピタルの新しい調査によると、プライベート・エクイティ市場の一部の分野では、過去のパフォーマンスが最も参考になりうる可能性があることが示唆されました。


ジェームス・エリソン
ヘッド・オブ・プライベート・アセット・データ・インサイト

エウフェミアーノ・フエンテス・ペレス
データ・サイエンティスト



[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/2027/62364/100_98_20220829123058630c32f248713.png

ダンカン・ラモント、 CFA
ヘッド・オブ・ストラテジック・リサーチ、シュローダー


私たちの新しい調査によると、あるビンテージで上位四分位に入ったプライベート・エクイティ・ファンドの内、36%のGPにおいて、次のビンテージでも上位四分位に入っていたことがわかりました。また64%のGPは第2四分位数までに入り、下位四分位となったのは16%にとどまりました。

これは1980年以降に資金調達を行った、3,512のプライベート・エクイティ・ファンドを分析(最低2つのファンドを組成したGP、かつ、組成後まもないファンドのパフォーマンスは変動が大きく信頼性が低いため、7年以上が経過したファンドのみを対象)した結果です。

プライベート・エクイティのパフォーマンスに関する免責事項には、過去のパフォーマンスは将来の投資成果等の指針にはならず、繰り返されない可能性があることが繰り返し述べられていますが、それは事実です。しかし、この点に関して、上場株式とプライベート・エクイティのファンド間で考慮すべき差異があるのでしょうか。

私たちの分析では、プライベート・エクイティ・ファンドの過去のパフォーマンスは、将来どのようなパフォーマンスを発揮するかを考える上で、有用な情報を提供する可能性があることが示唆されました。

これは上場株式ファンドの場合とは全く異なる結果です。最近のある調査によると、ある5年間に上位四分位に入った上場株式ファンドが、次の5年間に下位四分位に転落する確率の方が、上位四分位を維持するよりも高いことが分かりました。

一方で、低いパフォーマンスとなったプライベート・エクイティ・ファンドに関して、下位四分位のファンドを運用するGPは、次号ファンドも下位四分位となる傾向があります。また、下位四分位となったGPが次号ファンドで上位にランクインすることはほとんどありません。

さらに掘り下げてみると、この傾向は北米とヨーロッパ、そしてバイアウトとベンチャーキャピタルの両方に投資を行うジェネラルなファンドで強く見られることがわかります。重要なことは、このパフォーマンスの持続性は統計的に有意であるということです(詳細に関しては末尾の「分析の説明」をご参照ください)。一方で、この傾向は、アジアに投資するファンドにも当てはまりますが、同程度の統計的な有意性はありません。というのは、アジアに投資するファンド数は少なく、確固とした結論を導き出すには限界があることが影響しています。

図1: プライベート・エクイティ・ファンドのパフォーマンスの 持続性を示す証拠


[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/2027/62364/550_394_20220829123058630c32f24f37a.png



大型ファンドは中小型ファンドに比べ、良好なパフォーマンスを維持することができない傾向
ファンドを規模別に分析したところ、顕著な結果が得られました。良好なパフォーマンスの持続性は、小型ファンドで最大となり、中型でも強力な有意性が見られましたが、大型ファンドでは弱い結果となりました。
一方で、下位のパフォーマンスとなったファンドは、どのファンド規模においても継続性を示しました。即ち、下位四分位のファンドとなったマネージャーは、次号ファンドでも下位四分位にとどまる可能性が高いということです。

これは、プライベート・エクイティの投資家にとって重要な結果であり、特に、多くの投資家が大規模な運用会社によって運営される大型なファンドに投資していることを考えれば、なおさらです。これらのように、大型ファンドの過去のパフォーマンスを詳しく調べることは、思っているよりも価値がないかもしれません – その意味でパフォーマンスの免責条項はやはり正しかったのです。しかし、ファンド数でプライベート・エクイティ業界の大半を占める、中小型ファンドのパフォーマンスを見る場合には、過去のパフォーマンスは有益な情報となりえるかもしれません。

図2: 中小型ファンドの良好なパフォーマンスは持続するが、大型ファンドは持続しない


[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/2027/62364/550_370_20220829123058630c32f24724a.png



結論
私たちの分析では、プライベート・エクイティにおいて、大型ファンドを除くすべての主要な分野で、プライベート・エクイティのパフォーマンスの持続性を示す証拠が得られました。上位の好成績をおさめたマネージャーは、次号ファンドでも良い結果を出す可能性が高くなります。一方で下位のマネージャーは、次号ファンドでも下位のパフォーマンスが継続する可能性が高いでしょう。

過去のパフォーマンスだけに基づいて投資判断を下すべきではありませんが、これらの事実は、投資家が過去のパフォーマンスを無視することができない可能性を示唆するでしょう。


分析の説明
本調査では、プライベート・キャピタルに関するPreqinのパフォーマンスデータベースを用いました。ただし、パフォーマンスが低いファンドでは、ファンドマネジャーからの任意のデータ提供がほとんどないため、Preqinのデータベースは選択バイアスの影響を受ける可能性があります。Preqinは、情報公開法(FOIA)や規制当局への提出書類、プレスリリース、ニュース、ウェブサイトの体系的な処理など、様々な他のアプローチを使用して、これらのデータ欠損を制限することを目指しています。

Preqinのデータベースには、9,834のファンドが登録されています。私たちの分析では、ファンドは「クローズド」(資金調達が終了している)または「清算済み」のいずれかであり、また7年以上経過したファンドのみを分析対象としています。これは、パフォーマンスの変動が大きく、信頼性が低い、立ち上げ期のファンドを避けるためです。ビンテージは1980年以降のファンドのみを分析対象としています。各ファンドのネットIRRまたはネットMOICのいずれか(理想的には両方)が入手可能でなければなりません。単一の資産からなるファンドと、1号ファンドしかないGPは分析対象から外しています。これらのフィルターを適用すると、分析ユニバースに含まれるファンド数は3,512に減少します。




【本資料に関するご留意事項】


本資料は、情報提供を目的として、シュローダー・キャピタル(以下、「作成者」といいます。)が作成した資料を、シュローダー・インベストメント・マネジメント株式会社(以下「弊社」といいます。)が和訳および編集したものであり、いかなる有価証券の売買の申し込み、その他勧誘を目的とするものではありません。英語原文と本資料の内容に相違がある場合には、原文が優先します。
本資料に示されている運用実績、データ等は過去のものであり、将来の投資成果等を示唆あるいは保証するものではありません。投資資産および投資によりもたらされる収益の価値は上方にも下方にも変動し、投資元本を毀損する場合があります。また外貨建て資産の場合は、為替レートの変動により投資価値が変動します。
本資料は、作成時点において弊社が信頼できると判断した情報に基づいて作成されておりますが、弊社はその内容の正確性あるいは完全性について、これを保証するものではありません。
本資料中に記載されたシュローダーの見解は、策定時点で知りうる範囲内の妥当な前提に基づく所見や展望を示すものであり、将来の動向や予測の実現を保証するものではありません。市場環境やその他の状況等によって将来予告なく変更する場合があります。
本資料中に個別銘柄についての言及がある場合は例示を目的とするものであり、当該個別銘柄等の購入、売却などいかなる投資推奨を目的とするものではありません。また当該銘柄の株価の上昇または下落等を示唆するものでもありません。
本資料に記載された予測値は、様々な仮定を元にした統計モデルにより導出された結果です。予測値は将来の経済や市場の要因に関する高い不確実性により変動し、将来の投資成果に影響を与える可能性があります。これらの予測値は、本資料使用時点における情報提供を目的とするものです。今後、経済や市場の状況が変化するのに伴い、予測値の前提となっている仮定が変わり、その結果予測値が大きく変動する場合があります。シュローダーは予測値、前提となる仮定、経済および市場状況の変化、予測モデルその他に関する変更や更新について情報提供を行う義務を有しません。
本資料中に含まれる第三者機関提供のデータは、データ提供者の同意なく再製、抽出、あるいは使用することが禁じられている場合があります。第三者機関提供データはいかなる保証も提供いたしません。第三者提供データに関して、本資料の作成者あるいは提供者はいかなる責任を負うものではありません。
シュローダー/Schroders とは、シュローダー plcおよびシュローダー・グループに属する同社の子会社および関連会社等を意味します。
本資料を弊社の許諾なく複製、転用、配布することを禁じます。



関連リンク
シュローダーの視点
https://www.schroders.com/ja-jp/jp/asset-management/insights/

このページの先頭へ戻る