プレスリリース
参議院議員選挙(2022年6月22日公示、7月10日投開票)に向けて、セーブ・ザ・チルドレンは国内外の子どもの権利・政府開発援助(ODA)に関する各政党の意向や重点政策に関する政党アンケートを実施しました。
6月20日現在、自由民主党(自民)、立憲民主党(立憲)、公明党(公明)、日本共産党(共産)、日本維新の会(維新)、国民民主党(国民)、社会民主党(社民)の7政党から回答がありました。今回の政党アンケートでは、近い将来に有権者となる、あるいは初めて有権者となった16〜18才ぐらいの方々を想定し、特に自由記述部分については高校生にわかるような文面で回答してもらうよう、各政党に依頼しました。結果は、弊団体のホームページで公表しています。
【アンケート結果発表】
https://bit.ly/3OLFn7l
【アンケートの主な結果】
「なぜ政党として子どもの課題に取り組むのか(単一選択)」については、回答が3つに別れました。
(公明、維新)政治家(政党)は国の代表として、子どもの課題を解決する責任があるから
(自民)子どもは未来の国を支える国力となるから
(国民、立憲、共産、社民)子どもの人権を守る義務が国にあるから
「具体的にどのように子どもの声を聴いて政策に取り入れたらよいと思うか(複数選択)」については、多くの政党が「子ども向けの政党マニフェストや広報媒体をつくる」「子どもと議員の意見交換の場をつくる」「子どもの意見を聴き、出された意見を国会で議論する」「子どもの意見を聴き、それを反映した政党マニフェストや子ども政策などをつくる」を選択した一方、「子どもとともに政策や法案をつくる」を選択した政党は3政党(立憲、共産、社民)のみと半分以下となりました。
「子どもや若者が政治に参加するための仕組みとして、政党もしくは国・自治体がどの施策を実施することが効果的だと考えるか(複数選択)」については、立憲、共産、社民はすべての施策を選択、公明は「意見を聴き相談して決める」という参画の施策を重視、自民、維新、国民は情報の提供を重視する傾向が見られました。
「貧困や紛争など最も困難な状況にある世界の子どもたちが置かれた状況を改善するためには、今後あるべきODA の方向性としてどう考えるか(単一選択)」については、政党が最も重視するODAの分野についての回答が分かれました。
(公明)教育・保健など、直接子どもたちに裨益する社会サービス・社会インフラ
(自民)経済インフラへの ODA を手厚くし、経済成長を支援することで、子どもたちの状況を改善すべきである
(立憲・維新・社民)緊急援助や食料援助など、喫緊の支援を必要としている子どもたちに届く人道支援
(共産)教育等子どもに関わりのある分野に対する国家支出を増大させるために、国家に必要な財政支援
【アンケート概要と質問票】
〇アンケート回答期間:5月12日〜6月14日
6月20日現在、自由民主党(自民党)、立憲民主党、公明党、日本共産党(共産党)、日本維新の会(維新)、国民民主党(国民)、社会民主党(社民)の7政党から回答がありました。
〇質問票
質問1:子どもの課題に取り組む理由
貴党では、これまで虐待防止、貧困対策、教育、経済支援等、様々な子どもに関する政策を進めてこられたと思います。
貴党がなぜ子どもに関する課題に取り組むのか、その理由を下記の選択肢から1つ選んでください。
複数の選択肢が該当する場合であっても、最も重視するものを【1つのみ】選んでください。
政治家(政党)は国の代表として、子どもの課題を解決する責任があるから
子どもは未来の国を支える国力となるから
子どもの人権(児童の権利) を守る義務が国にあるから
子どもに係る課題に取り組むことは、少子化対策に繋がるから
現在の子どもを取り巻く社会課題を、未来の子どもに残してはいけないから
質問2:子どもの意見を聴くこと
セーブ・ザ・チルドレンが 2021 年に 18 歳までの子ども約 3,000 人に対して実施したアンケートでは、子どもの約 6 割が政治家から子どもの声が聴かれていないと感じていることが明らかになりました。「子どもの声を聴くこと」が国会で議論されていますが、貴党は具体的にどのように子どもの声を聴いて政策に取り入れたらよいと思いますか
以下の選択肢のうち、2 年以内に取り組みたいものを選んでください【複数回答可】。
子ども向けの政党マニフェストや広報媒体をつくる
子どもと議員の意見交換の場をつくる
子どもの意見を聴き、出された意見を国会で議論する
子どもの意見を聴き、それを反映した政党マニフェストや子ども政策などをつくる
子どもとともに政策や法案をつくる
その他【 】
また、どのように子どもの声を聴き、政策に反映していくのか、もし貴党としての具体的な計画があれば教えてください。
【自由回答 / 250 字以内でご記入ください】
質問3:子ども・若者が政治に参加する仕組み
さまざまな調査から、日本の子どもや若者が、政治や国会で議論されている内容を理解できていないこと、政治に関する話を日常的に行っていないこと、意見を言っても変わらないという無力感や、日本の将来に希望が持てていないと感じていることなどが浮き彫りになっています。このような状況を受け、貴党は、子どもや若者が政治に参加するための仕組みとして、下記のどの施策を政党もしくは国・自治体が実施することが効果的だと考えますか 理由と共に教えてください【複数回答可、すでに実施している取り組みを選ぶこともできます】
子どもや若者の意見や考えを聴くための仕組みを設置する
子どもや若者に、政治や政策に関する十分な情報を提供する
子どもや若者に、選挙で選ばれた各議員の主張や議員活動に関する十分な情報を提供する
子どもや若者と継続的に議論する場を持ち、それらへの参加を促進する
子どもや若者が感じている課題を吸い上げ、政策として取り組むべき課題を彼らと相談して決める
子どもや若者と相談し、政策や法案の策定・決定プロセスに彼らの意見を反映する
(例)子ども議会が実際に政策予算を持ち、子どもによる政策提言が実際の政策に反映される(例)子どもたちによる法案が国会に提出され、実際に国会で議論される
【上で選んだ方法が効果的だと思う理由 / 250 字以内でご記入ください】
質問 4:世界の子どもたちが置かれた状況を改善するための日本の ODA のあり方について
日本の開発協力大綱の基本方針として、「特に脆弱な立場に置かれやすい子ども、(中略)に焦点を当て、その保護と能力強化を通じて, 人間の安全保障の実現に向けた協力を行う」ことがうたわれています。貧困、紛争、気候変動やパンデミックなど、それらを引き起こした原因をつくっているのは子どもたちではないにも関わらず、その影響を被るのは子どもたちであり、子どもたちの権利や「人間の安全保障」の実現のための支援が求められています。
他の主要援助国と比較して日本の ODA(二国間)が重視する分野は、経済インフラが突出しています。貧困や紛争など最も困難な状況にある世界の子どもたちが置かれた状況を改善するためには、今後あるべきODA の方向性として、貴党はどのように考えますか 以下の選択肢から1つ選び、理由とともに回答ください。
複数の選択肢が該当する場合であっても、最も重視するものを【1つのみ】選んでください。
教育・保健など、直接子どもたちに裨益する社会サービス・社会インフラに対して、ODA を手厚くするべきである経済インフラへの ODA を手厚くし、経済成長を支援することで、子どもたちの状況を改善すべきである
途上国の主要産業である、農業水産分野への ODA を手厚くし、子どもたちの状況を改善すべきである
工業等の生産分野への ODA を手厚くし、産業の育成を支援することで、子どもたちの状況を改善すべきである
緊急援助や食料援助など、喫緊の支援を必要としている子どもたちに届く人道支援に対して、ODA を手厚くするべきである
教育等子どもに関わりのある分野に対する国家支出を増大させるために、国家に必要な財政支援への ODA を手厚くするべきである
【上記を選んだ理由 / 250 字以内でご記入ください】
<セーブ・ザ・チルドレン概要>
1919 年に英国にて創設。子どもの権利のパイオニアとして、すべての子どもにとって、生きる・育つ・守られる・参加する「子どもの権利」が実現されている世界を目指し、現在、世界約120ヶ国で子ども支援活動を展開する国際 NGO です。日本では1986年にセーブ・ザ・チルドレン・ジャパンが設立しました。
本件に関するお問合わせ先
公益社団法人セーブ・ザ・チルドレン・ジャパン 広報 太田
TEL:03-6859-0011 携帯:080-2568-3144/ E-mail: japan.press@savethechildren.org