プレスリリース
D2Cブランドに向けたリアル店舗とECを掛け合わせたソリューションなどの開発へ
本リリースのポイント
レイター期のスタートアップへ出資する「31VENTURES−グローバル・ブレイン−グロースI事業」からSaaS型ECカートシステム「ecforce」を展開するSUPER STUDIOへリードインベスターとして出資
D2Cブランドに向けたデジタルとリアル店舗を掛け合わせたビジネス成長を支援するOMOソリューションを提供
D2Cブランドの新たな顧客獲得につながるリアル店舗進出を促すゴーストリテーラーサービスも開始
物流や、「&mall」との連携なども視野に入れ、新たな購買体験を生み出すエコシステムの構築を目指す
三井不動産株式会社(本社:東京都中央区、代表取締役社長 菰田正信)は、自社ブランド運営のノウハウを生かして開発されたSaaS型ECカートシステム「ecforce」を展開する株式会社SUPER STUDIO(以下、SUPER STUDIO)へ、「31VENTURES−グローバル・ブレイン−グロースI事業(以下、本グロース事業)」からリードインベスターとして出資を実行しました。当社は、レイター期のスタートアップへ出資する「31VENTURES−グローバル・ブレイン−グロースI事業」を2018年から行っており、本グロース事業からの出資としては5社目となります。
今後は、SUPER STUDIOが持つデジタルチャネルの領域と、当社が持つリアルチャネルの領域を相互に活かし、D2C(Direct to Consumer)ブランドに向けて、デジタルとリアル店舗を掛け合わせたビジネス成長を支援するOMO(Online Merges with Offline)※1ソリューションを構築してまいります。
※1 「オンラインとオフラインの融合」を意味し、顧客にオンラインとオフラインの垣根を意識させず、モノやサービスの購入・体験ができるよう目指すマーケティングシステム。オンラインとオフラインそれぞれのデータを融合することで、情報を一元管理し、顧客体験の向上を図る。
[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/407/60121/700_248_2022062212132162b288d1bd00e.jpg
■出資の背景
製造者が商品を消費者に直接販売するD2Cは、2025年には3兆円のマーケットになるとも想定されており、オンライン販売だけに特化したデジタルネイティブなブランドも急増しています。一方で、EC主体で売上拡大に成功した多くのD2Cブランドが、販路拡大のためにリアル店舗進出を考えるものの、店舗契約や施工、スタッフ教育などのコスト面や、主要販売チャネルである自社のECシステムと、店舗の購買・在庫データ連携ができず、また購入者のプロセス分析などができないことが課題となり、ビジネス成長の機会となるリアル店舗進出ができていないことが多くあります。
当社では、「三井ショッピングパーク ららぽーと」「三井アウトレットパーク」といった郊外型施設や、「東京ミッドタウン」をはじめとする都心型施設など、128の商業施設を展開しています。2007年には個人消費者向けEコマース市場の拡大に備え、三井ショッピングパーク公式通販サイト「&mall(アンドモール)」を開始しました。そして、オムニチャネルの推進や、D2Cブランドをデジタルからリアルまで総合サポートする「NEW POINT」プロジェクトなど、購買体験を高めるさまざまな取り組みを行っています。
SUPER STUDIOは、D2Cブランドに向けて、ECカートシステムだけでなく、商品企画から製造、マーケティング、物流、コールセンター、CRM※2まで、トータルソリューションを提供しています。
そこで、当社のリアルアセットの強みと、SUPER STUDIOのEC事業の強みを組み合わせたOMOソリューションの構築を目指し、SUPER STUDIOへの出資を決定しました。OMOソリューションでは、D2Cブランドの新たな顧客獲得につながるリアル店舗進出を促すためにロケーション選定、店舗デザイン&施工、スタッフ派遣など店舗展開に必要な機能をパッケージで提供するゴーストリテーラーサービスも行います。一方で、EC化が十分でないブランドに対しては、EC運用をサポートし、リアル店舗とEC共に、D2Cブランドのビジネス成長支援を行います。またAIカメラを活用した来店者分析によるマーケティング施策の提案やカート連携等、リアル(店舗)とデジタル(EC)を掛け合わせたソリューション開発なども行っていく予定です。
さらに今後は当社の物流拠点を活用した配送までのトータルサポートや、「&mall」との連携なども視野に入れ、新たな購買体験を生み出すエコシステムの構築と拡充に努めてまいります。
※2 Customer Relationship Managementの略称で、顧客との信頼関係構築を目的としたコミュニケーション管理、運用を指す
■OMOソリューションについて
D2Cブランドに対して、ECからリアル店舗までトータルで支援するOMOソリューションを提供します。
◇カテゴリ:店舗出店支援 ※ゴーストリテーラーサービス
◇提供ソリューションイメージ:
・ブランド特性や商材特性に合わせた最適な店舗立地の提案
・不動産賃貸代行、各種事務手続き代行 等
・店舗デザイン、什器等の設備手配
・現場オペレーションや販売を担う人材のアサイン、および教育
・現場オペレーションを踏まえた決済等のシステム設計
◇カテゴリ:EC運用支援
◇提供ソリューションイメージ:EC運用サポート
◇カテゴリ:システム連携支援
◇提供ソリューションイメージ:
・クロスチャネルでの在庫管理 / 発送管理
・その他OMO踏まえたインフラ設計
◇カテゴリ:マーケティング支援
◇提供ソリューションイメージ:
・リアルチャネルを活用したPR / マーケティング施策の実行
・限定商品 / インフルエンサーを活用した集客の実現
・事前集客施策 / 購入後のアフターマーケティング施策の実行
■事業化に向けてPOPUPを実施
OMOソリューション開発に向けて、4月29日〜5月7日「RAYARD MIYASHITA PARK『&BASE』」にて、SUPER STUDIOが自ら運営するD2Cブランド「GO WITH WHITE(https://goww.tokyo/
)」のPOPUPを実施しました。「GO WITH WHITE」は「履けば履くほど劣化が目立っていく白スニーカーならではの悩みを解消し、気兼ねなく毎日履いて欲しい」そんな想いで作られた白スニーカー専門のブランドです。
[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/407/60121/300_200_2022062212132762b288d7b77e2.jpg
POPUPでは、試着や接客などは通常店舗と同様ですが、EC決済を活用しECの購買データと連携。そのほかにも来店客数、会員登録数、購買数などのデータを取得し、店舗開設における投資効果の検証を行いました。今後さらなる検証を重ね、EC・リアル双方のデータを連携させた費用対効果の可視化など今後のOMOソリューション開発の実証を進めてまいります。
[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/407/60121/700_359_2022062212132762b288d7c907b.png
【三井不動産 執行役員 ベンチャー共創事業部長 金谷篤実 コメント】
コロナ禍でECの重要性は増している中、SUPER STUDIOは、SaaS型ECカートサービス「ecforce」を中心とした豊富なサービスラインナップと、そこで蓄積したEC構築のノウハウにより、多くのD2Cブランドから支持され、大きく成長しています。都心部から郊外まで幅広い商業施設をもつ当社と連携を行うことで、D2Cブランドにとって最適なOMOソリューション開発が実現できると思っています。また物流領域での連携など、当社の他のアセットを活用することでの新サービスの創出などを通じて、同社の成長に貢献していきます。
【SUPER STUDIO 代表取締役社長 林紘祐 コメント】
SUPER STUDIOではD2C黎明期から数多くのECメーカーを支援してきました。多くのメーカーを支援するなかで、成長しているメーカーの多くは更なる成長を目指してリアルチャネルの活用を目指しているという共通点を見つけました。
もともとSUPER STUDIOにはecforceをはじめとした各種プロダクト、そしてサプライチェーンのあらゆる工程を支援するサービスがあります。より効率的なEC運用を行うことで、ブランド設計など製品やサービスに使う時間がさらに捻出され、プロダクトやサービスの質が向上し、そのような循環が生まれることでより本質的なECの世界が構築されると考えております。これらを実現するための方法を模索していたなかで、リアルチャネルに強力なリソースを有する三井不動産様と今回のご縁に繋がりました。
今後はecforceなどの当社既存サービスを三井不動産グループのアセットと連携するのみならず、三井不動産グループと連携した新サービス開発なども検討していき、2030年までに国内EC化率20%を目指してまいります。
■31VENTURESのCVC戦略
31VENTURESではスタートアップとの共創の実現に向けて、アーリー期以降のスタートアップを対象としたCVCファンドと、レイター期を対象としたグロースI事業を、独立系VCのグローバル・ブレイン社と共同運営しています。特に、近年10億円を超える大型の資金調達を行うベンチャー企業数が増加している一方で、大型資金の出資が可能な国内のベンチャー投資機関は多くありません。31VENTURESでは、総額435億円のファンド資金を活かして、アーリーからレイターまでスタートアップの成長段階に合わせた継続的な支援を実施する体制を整えることで、ベンチャー企業側の選択肢を増やし、日本のベンチャーエコシステムの発展にも寄与していきます。
■三井不動産株式会社 ベンチャー共創事業部( http://www.31ventures.jp/
)
三井不動産は、本業強化・事業領域拡大に向け新産業を創造するため、2015年にベンチャー共創事業部を設立しました。スタートアップとの共創を仕掛ける「31VENTURES」では、共創事業の創出に向けてソリューションの整理を行い、今後は事業を前進させるWORKSPACE、成長を加速させるFUND、新たな知見との出会い互いを高めるCOMMUNITYの3つを切り口に、三井不動産グループのアセットを活用した共創創出に取り組んでいきます。
■グローバル・ブレイン株式会社( https://globalbrains.com/
)
経験豊富なプロフェッショナルによる徹底したハンズオン支援でベンチャー企業の成長と、イノベーションの創出にコミットする独立系ベンチャーキャピタル。日本の他にサンフランシスコ、ニューヨーク、イギリス、韓国、シンガポール、インドネシア、上海の8拠点を構え、グローバル規模でベンチャー企業とのネットワークを有します。三井不動産とは、総額50億のCVC1号(2015年)、85億のCVC2号(2020年)のファンド運用を行うとともに、レイター期を対象とした総額300億の「31VENTURES−グローバル・ブレイン−グロースI事業本投資事業」を2018年に共同で立ち上げました。これまでのグローバル・ブレインの累計運用資産総額は1,800億円を超えます。
■株式会社SUPER STUDIO( https://super-studio.jp/
)
SUPER STUDIOは2014年12月に創業し、D2Cトータルソリューションおよび、自社でブランド企画や運営を進めるR&D事業を行ってきました。D2Cブランド運営者向けのソリューションとして、クラウド型のECプラットフォーム「ecforce」を展開し、スタートアップから大企業まであらゆるビジネスのEC化を支援しています。また自社ブランドとして、ひとつのものを長く使い続けるという新しいファッションライフを提案するスニーカーブランド「GO WITH WHITE.」やsioオーナーシェフ鳥羽周作氏監修「ふつうのマヨネーズ」などを展開。自社ブランドを通じて最新トレンドやメーカーニーズを把握することで、「ecforce」のプロダクト開発にフィードバックしています。
■三井不動産グループのSDGsへの貢献について
( https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/esg_csr/
)
三井不動産グループは、「共生・共存」「多様な価値観の連繋」「持続可能な社会の実現」の理念のもと、人と地球がともに豊かになる社会を目指し、環境(E)・社会(S)・ガバナンス(G)を意識した事業推進、すなわちESG経営を推進しております。当社グループのESG経営をさらに加速させていくことで、日本政府が提唱する「Society 5.0」の実現や、「SDGs」の達成に大きく貢献できるものと考えています。また、2021年11月には「脱炭素社会の実現」、「ダイバーシティ&インクルージョン推進」に関し、下記の通りグループ指針を策定しました。今後も、当社グループは街づくりを通じた社会課題の解決に向けて取り組んでまいります。
【参考】
「脱炭素社会実現に向けグループ行動計画を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1124/
「ダイバーシティ&インクルージョン推進宣言および取り組み方針を策定」
https://www.mitsuifudosan.co.jp/corporate/news/2021/1129_02/
*なお、本リリースの取り組みは、SDGs(持続可能な開発目標)における3つの目標に貢献しています。
目標8 働きがいも経済成長も
目標9 産業と技術革新の基盤をつくろう
目標17 パートナーシップで目標を達成しよう