プレスリリース
デジタルコヒーレント通信用狭線幅波長可変光源の研究開発と実用化について2021年度電子情報通信学会業績賞を受賞
〜5Gに代表される次世代大容量通信網構築への貢献が高く評価〜
● 当社デジタルコヒーレント通信用狭線幅波長可変光源の研究開発実績と実用化で「電子情報通信学会業績賞」を受賞
● 独自設計による開発技術と量産化技術が5Gに代表される次世代通信網に大きく貢献したと高く評価
● 今後も通信用レーザの開発・製造を通じて真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献
古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:小林敬一)の従業員3名が、これまでのデジタルコヒーレント通信用狭線幅波長可変光源(以下、波長可変レーザ)の研究開発と実用化の功績により、6月9日の授賞式にて「2021年度電子情報通信学会業績賞」を受賞しました。
電子情報通信学会業績賞は、電子工学および情報通信に関する新しい発明、理論、実験、手法などの基礎的研究および実用化における成果のうち、学問分野への貢献が明確な貢献者に贈呈されるものです。今回、当社レーザ技術開発と量産に至る実用実績が大きく通信業界に貢献したと高く評価されました。
■内容
当社の制御回路付き波長可変レーザモジュールは、高出力で狭線幅動作が可能となるよう独自に設計された半導体レーザ素子設計、微小光学接合技術を駆使した高結合と低消費電力小型パッケージ設計、ならびに狭線幅特性を維持する電気制御回路の低雑音設計からなり、これらの技術による製品の量産化を実現した先駆的なものとなります。この技術の実用化により、現在光ファイバ通信で広く使われているデジタルコヒーレント通信用光源が実現しました。
現代の情報化社会を支え、特に5Gに代表される次世代大容量通信網構築に世界的に大きく貢献したものと、その業績を高く評価されました。
デジタルコヒーレント通信について
コヒーレント通信とは、従来広く使われてきた光の強弱による信号伝達方法に対して、光の位相や偏波を使って信号を送る方法です。信号劣化が少ないため長距離へ大容量の信号を送るのに適しています。現在使われている光デジタルコヒーレント通信は、これにデジタル信号処理技術を組み合わせることで2010年頃から実用化されています。
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コヒーレント方式では、信号光源およびLOの位相ノイズ、すなわちスペクトル線幅が重要な特性であり、線幅が広いと位相ノイズが増えて信号にノイズが乗ってしまいます。より高速、より長距離への通信においては、より狭い線幅の半導体レーザが信号光源として必要となりますが、高速化に対応する変調器は光損失も大きくなるため、従来以上に高い光出力の信号光源が必要とされています。
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<当社の波長可変レーザ>
当社は、今後も高性能な半導体レーザ光源製品の研究・開発・製品化を行い、光通信の発展を通じて真に豊かで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
受賞者
● 情報通信ソリューション統括部門 ファイテル製品事業部門 光デバイス部 向原智一
● 次世代フォトニクス事業創造プロジェクトチーム 次世代コンポーネント開発部 木村俊雄
● 研究開発本部 情報通信・エネルギー研究所 黒部立郎
■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。
古河電工グループのSDGsへの取り組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182