プレスリリース
The International Association for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions
児童・青少年精神医学における世界の有力学会が、 4月23日を「子どものメンタルヘルスの啓発デー(WICAMHD)」に制定
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シンガポール-Media OutReach - 2022年5月17日 - 調査によると、ほとんどの精神障害は幼児期および青少年期(25歳未満)に発症し、精神障害や薬物使用による障害や疾病で失われる年数の4分の1が青少年であることが明らかになっています。急速に深刻化するこの問題に緊急に対処する必要性を認識し、国際社会に対して主体的な行動を喚起するために、国際児童青年精神医学会議(IACAPAP)、国際思春期青年期精神医学・心理学会(ISAPP)、世界乳幼児精神保健学会(WAIMH)、世界精神医学会 児童青年精神医学部会(WPA-CAP)が共同で、4月23日を「INFANT, CHILD AND ADOLESCENT MENTAL HEALTH DAY(WICAMHD:子どものメンタルヘルスの世界啓発デー)」とすることを宣言し、同日、立ち上げイベントを開催しました。
児童と青少年で世界人口の約3分の1を占めます。幼児期および青年期は人生の基盤を形成する時期であり、成長および学習し、さまざまな可能性を思うままに切り拓いていくことのできる時期であることが理想です。しかし、世界では多数の子供たちがトラウマや危機に苦しめられており、そうした体験が生涯に渡って心身の健康に悪影響を及ぼすことが調査からも実証されています。
さらに調査では、ほとんどの精神障害が児童期および青年期(25歳未満)に発症していることや、精神障害や薬物使用障害による障害調整余命年の4分の1が青少年に起因していることも明らかになっています。逆境的小児期体験(ACE)も成人後の精神疾患の発症要因とされており、そうした体験の影響は特に医療の利用や生産性の損失の面で、間接的かつ複合的に、社会の経済的負担の拡大にもつながっています。
以下は、このイベントでのスピーチの抜粋です:
IACAPAPのプレジデントであるDaniel Fung教授は次のように述べています。「心身に疾患を持つ成人の調査から、逆境的小児期体験は長期にわたって影響を及ぼす可能性があることが示されています。ほとんどの国の政府は、財政的な予算編成と政策立案の両方において、常に成人に重点を置いてきました。『World Infant Child and Adolescent Mental Health Day(子どものメンタルヘルスの啓発デー)』の制定を契機に、優先順位を見直し、適切な根拠に基づく将来設計を行うことによってこうした点が変わっていくことを期待しています。健全な精神なくして身体の健康はないと考えるなら、人や国の健康や幸福のカギは若い人たちにあり、子どもたちのメンタルヘルスを守るために早期に手を打つべきです。」
WAIMHのプレジデントであるCampbell Paul教授は次のように述べています。「早期の介入とは、メンタルヘルスの問題が確定し、子どもや青少年を健康な社会生活や健全な情緒的発達の軌道に戻すことが難しくなる前の、幼児期の早い段階で介入するということです。世界各国で幼児、児童、青少年のための十分なメンタルヘルスサービスが提供されているとは言えず、多くの国や地域にはそうしたサービスへのアクセスがほぼゼロに近いのが実情です。」
WPA-CAPの議長であるNorbert Skokauskas教授は次のように述べています。「私たちは世界の子どもや青少年のメンタルヘルスの領域には現在、満たされていないニーズが存在していることを認識しており、ビジョンを実現するための政治的な支援や資金援助、臨床の場で変革を実行することのできる熟練した医療従事者等を揃えた総合的なアプローチを進めることが急務だと言えます。
ISAPPのプレジデント、Mario Speranza教授は次のように述べています。「青少年は人口のかなりの部分を占めており、そのメンタルヘルスをサポートすることは単なる義務ではありません。児童や思春期の青年が世界人口の4分の1を占めているという事実を、改めて認識する上でも有効です。これはむしろ、私たちの社会において将来最も有望な要素への投資の問題と言えます。子どもや青少年の特定のニーズに対する意識を高め、メンタルヘルスをサポートすることは、まさに私たちの未来への投資であり、これこそ『子どものメンタルヘルスの啓発デー』を祝う理由です。」
4月23日を「子どものメンタルヘルスの啓発デー」に制定することによって、乳幼児・児童、青少年のメンタルヘルスの重要性に対する意識を高め、各方面の関係者に児童や青少年のメンタルヘルスの促進、精神疾患の予防について以下のような啓発活動を推進するよう促すことができます。
世界中で児童・青少年のメンタルヘルスについての意識を高める
乳幼児や児童、青少年のメンタルヘルスを推進するためのリテラシーや能力を高め、こうした人たちの精神障害に対するスティグマを軽減する
国際的な協調や理解を通じ、乳幼児や児童、青少年の精神障害の診断や治療、予防を向上させる
リソースの乏しい国のために、幼児や児童、思春期の青年のメンタルヘルスの専門家を育成する
若年層における精神障害の有病率は、高齢者層を上回るペースで上昇し続けており、こうした疾患に対する理解を高めると同時に、地域社会における意識を向上させ、専門職が十分に尊重されるよう支援して行きます。
立ち上げイベントの様子は、こちらで視聴することができます:
https://www.youtube.com/watch?v=jgOV4WR0m7I
参加組織について
国際児童青年精神医学会議(IACAPAP)
国際児童青年精神医学会議(IACAPAP)は、子どもや青少年のメンタルヘルスや発達を促進することを使命とし、政策、実践、研修、研究を通じて、さまざまな提唱を行っています。
詳細については https://iacapap.org/
をご覧ください。
国際思春期青年期精神医学・心理学会(ISAPP)
国際思春期青年期精神医学・心理学会(ISAPP)は、思春期の青年のメンタルヘルスに取り組むことを目的に設立された組織で、児童精神医学や心理学、もしくは成人精神医学や心理学の分野で思春期のメンタルヘルスを専門とする個人会員によって構成されています。
ISAPPは世界中の思春期青年のメンタルヘルスや発達について、一般大衆及び専門職の関心や意識を高めることを使命としています。
詳細については http://www.isapp.org/
をご覧ください。
世界乳幼児精神保健学会(WAIMH)
世界乳幼児精神保健学会(WAIMH)は、世界中の乳幼児の健全な心の発達を促進することを目的とした科学者や教育関係者のための非営利組織で、文化的、地域的あるいは環境による違いを考慮したうえで科学的知識を創造し、普及していくことを目指しています。
WAIMHは乳幼児期における精神的、情緒的、社会的発達がその後の正常な精神病理学的発達に及ぼす影響について、国際的かつ学際的な協力や出版、関連組織との連携を通じて啓発活動や調査研究を促進し、乳幼児および保護者を専門とする科学、教育、臨床の専門家を対象に各地域および隔年で開催する会議を通じて関連分野の教育や調査・研究を促進していくことを使命としています。
詳細については https://waimh.org/
をご覧ください。
世界精神医学会 児童青年精神医学部会(WPA-CAP)
世界精神医学会 児童青年精神医学部会(WPA-CAP)は、WPA全体の使命を支え、目標を達成するために次のような活動を行います。
全世界の会員およびパートナーが連携して、児童や青少年のメンタルヘルス増進に取り組み、児童および青年精神医学の領域において最高水準の臨床実践と倫理的行動を奨励する。
児童および青少年の精神疾患やその対応におけるスキルの向上のための教育プログラムや研究、会議、出版物の作成に貢献する。
児童青年精神医学におけるエビデンスに基いた治療や、価値に基づく診療に関する知識を普及する。
若年層の患者とその家族の尊厳および人権の代弁者となる
困難にさらされる可能性のある場面での児童・思春期精神科医の権利擁護
詳細については、 https://www.wpanet.org/child-adolescent-psychiatry
をご覧ください。
#IACAPAP
本件に関するお問合わせ先
Ms Sue Wong
International Association for Child and Adolescent Psychiatry and Allied Professions (IACAPAP)
Email: info@iacapap.org