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酪農学園大学の北村浩教授らが、血糖値を調節する脳の酵素を発見 -- 糖尿病や脳神経疾患の治療に期待

(Digital PR Platform) 2022年05月14日(土)08時05分配信 Digital PR Platform



酪農学園大学(北海道江別市)獣医学類の北村浩教授と藤本政毅助教、日本学術振興会の橋本茉由子特別研究員(現、大阪大谷大学助教)、大阪大谷大学、北海道大学の共同研究グループは、間脳視床下部の酵素が血糖値の上昇を抑えることを明らかにした。この研究成果は『The Journal of Neuroscience』に掲載されている。




【ポイント】
・間脳視床下部の神経細胞にあるUSP2という酵素が血糖値を正常に保つことを明らかにした。
・ USP2は脳への酸化ストレスを軽減することで血糖値を維持した。
・ USP2は交感神経の活動を抑えることで血糖値を維持した。
・ 脳のUSP2を調節することで糖尿病の発症を防ぐことが期待される。

【研究成果の概要】
 平成28年度の厚労省の調査では、全国で1,000万人は糖尿病が強く疑われるとされ、さらに1,000万人が糖尿病の可能性を否定できないとされている。
 糖尿病を制圧するためには、日常生活で血糖値を上手にコントロールするかが大きなポイントとなる。研究グループは、血糖調節の中枢と想定される間脳視床下部の腹内側核にUSP2の選択的な阻害剤を投薬したところ、血糖値が劇的に高まることを見出した。また、USP2を阻害すると視床下部の神経細胞内で活性酸素による酸化ストレスが増え、AMPKという別の酵素が活性化した。結果、交感神経が活性化し、これにより血糖値が上昇した。つまり視床下部腹内側核のUSP2は、脳への酸化ストレスの蓄積や交感神経系の活性化を抑えることで、血糖値を正常に保つことを証明した。

 北村教授のグループは、これまでにUSP2が炎症反応や精子の活動などさまざまな役割を果たすことを明らかにしてきた。血糖調節に関しては、脂肪組織や肝臓、骨格筋などの糖を貯蔵・消費する臓器での役割を明らかにしてきたが、今回の研究は、USP2が糖代謝の制御中枢である脳においても重要な役割を果たすことを示したものである。
 全糖尿病患者の9割以上を占める2型糖尿病は腎不全や動脈硬化症など他の生活習慣病の引き金となる疾患である。医学領域は元より、獣医学領域でも近年問題視されている。また脳の酸化ストレスはアルツハイマー病やパーキンソン病など神経変性疾患への関与が示されている。USP2がこれら社会的問題となっている脳神経疾患の治療の標的分子となることが期待される。

【論文発表の概要】
・著者: Hashimoto M, Fujimoto M, Konno K, Lee MM, Yamada Y, Yamashita K, Toda C, Tomura M, Watanabe M, Inanami O, Kitamura H.
・タイトル: USP2 in the ventromedial hypothalamus modifies blood glucose levels by controlling sympathetic nervous activation.
・掲載誌: The Journal of Neuroscience, in press.
・DOI: https://doi.org/10.1523/JNEUROSCI.2504-21.2022

【これまでの関連した論文発表の概要】
・著者: Kitamura H, Hashimoto M.
・タイトル: USP2-related cellular signaling and consequent pathophysiological outcomes.
・掲載誌: International Journal of Molecular Sciences, 22, 1209, 2021.
・DOI: 10.3390/ijms22031209

・著者: Hashimoto M, Kimura S, Kanno C, Yanagawa Y, Watanabe T, Okabe J, Takahashi E, Nagano M, Kitamura H.
・タイトル: Macrophage ubiquitin-specific protease 2 contributes to motility, hyperactivation, capacitation, and in vitro fertilization activity of mouse sperm.
・掲載誌: Cellular and Molecular Life Sciences 78, 2929-2948, 2021.
・DOI: 10.1007/s00018-020-03683-9

・著者: Kitamura H, Kimura S, Shimamoto Y, Okabe J, Ito M, Miyamoto T, Naoe Y, Kikuguchi C, Meek, B, Toda C, Okamoto S, Kanehira K, Hase K, Watarai H, Ishizuka M, El-Osta A, Ohara O, Miyoshi I.
・タイトル: Ubiquitin-specific protease 2-69 in macrophages potentially modulates metainflammation.
・タイトル: The FASEB Journal 27, 4940-4953, 2013.
・DOI: 10.1096/fj.13-233528

【参考】
教員・研究室一覧
北村 浩 教授(実験動物学ユニット)
 https://www.rakuno.ac.jp/archives/teacher/9424.html


▼本件に関する問い合わせ先
酪農学園大学 獣医学群 獣医学類
教授 北村 浩
住所:北海道江別市文京台緑町582番地
TEL:011-388-4781
FAX:011-388-5890
メール:ktmr@rakuno.ac.jp


【リリース発信元】 大学プレスセンター https://www.u-presscenter.jp/

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