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古河電気工業株式会社

宇都宮市との「道路の小規模附属物点検業務の効率的な実施に係る実証実験」が完了

(Digital PR Platform) 2022年04月28日(木)10時00分配信 Digital PR Platform

〜独自RPAとドライブレコーダーの活用で、国交省が定める点検業務の効率化を実現〜

● 当社の附属物巡視支援システム「みちてんクルーズ(R)」による宇都宮市との実証実験が3月に完了
● 国交省の点検要領が定める「巡視」および「中間点検」の一部に対応できることを確認
● 独自RPAとドライブレコーダーの活用で、「中間点検」の業務量を削減できる可能性を確認

 古河電気工業株式会社(本社:東京都千代田区大手町2丁目6番4号、代表取締役社長:小林敬一)は、2021年6月に開始した、栃木県宇都宮市との「道路の小規模附属物の点検業務の効率的な実施に係る実証実験」を3月に完了しました。
 本実証実験の結果、当社が開発中の附属物巡視支援システム「みちてんクルーズ(R)」の導入により、国土交通省の小規模附属物点検要領(「点検要領」)が定める「巡視」および「中間点検」の一部に対応できることを確認したほか、「中間点検」の業務量を削減できる可能性も確認しました。

■背景
 高度成長期に整備された標識や照明などの道路附属物の老朽化が、全国の自治体で近年問題となっています。国土交通省は、2014年の「道路の老朽化対策の本格実施に関する提言」以降、点検要領を示していますが、数が膨大で業務負荷が高く、道路附属物等の点検実施率は低い状況です。人員不足や財政面の課題から、デジタル化・新技術導入によるメンテナンス業務の効率化とコスト最適化が求められています。
 また、国土交通省では、10年に1回の「詳細点検」だけでなく、5年に1回の「中間点検」や、パトロール車内からの目視を基本とした「巡視」を適切な頻度で実施することで、変状箇所をいち早く把握して不具合発生前に対応を講じる予防保全型メンテナンスへの切替えを推進しています。

■内容
 今回の実証実験では、宇都宮市が管理する道路のうち100kmに設置されている各道路標識146基を対象に、附属物巡視支援システム「みちてんクルーズ(R)」の活用による道路附属物の点検業務の効率化および高度化を目指してシステムの有用性を検証しました。
 「みちてんクルーズ(R)」は、当社独自のRPA(Robotic Process Automation)技術により、パトロール車に取り付けたドライブレコーダーの走行動画から台帳に記載されている位置情報に基づき道路附属物付近の短尺の動画を抽出・データ化し、効率的な点検を支援します。



[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/1782/58517/700_379_202204271541096268e585994a6.png


「みちてんクルーズ(R)」巡視画面

 実証実験の結果、「点検要領」が定める日常の「巡視」において、「みちてんクルーズ(R)」の動画拡大表示機能等を使うことで外観目視と遜色なく、附属物の変状有無を把握できることを確認しました。
 なお、一般的にドライブレコーダーは車両のフロント(正面)やリア(後方)を捉えるように搭載しますが、ドライブレコーダーが捉える画角の違いが与える影響も確認するため、146基のうち82基に対しては標識の基部を捉える向き(車両左側)にもドライブレコーダーを搭載して動画を取得しています。


[画像2]https://user.pr-automation.jp/simg/1782/58517/356_200_202204271541166268e58c35b3d.png
「みちてんクルーズ(R)」で抽出した標識画像例
(文字のかすれを確認できる)



[画像3]https://user.pr-automation.jp/simg/1782/58517/455_200_202204271541196268e58fa3508.png

「みちてんクルーズ(R)」で抽出した損傷画像例

 また、「中間点検」においても、特に劣化による倒壊リスクの高い基部や基礎の様子を、事務所にいながら現地での目視と同等レベルで動画から把握することができ、映像で確認できる部分に関しては、「点検要領」77項目のうち43項目に対応できるなど、「中間点検」にかかる業務工数の削減に繋げられる可能性が期待できます。今後、本結果を現地作業に照らし合わせ、さらなる業務の効率化に寄与してまいります。
 本結果は、膨大な数の小規模附属物のメンテナンス業務の効率化とコスト削減に有用な手段であり、国土交通省が掲げる「持続可能なインフラメンテナンス」の実現に貢献するものです。本結果を踏まえ、今後も道路管理者の課題解決に向けて技術開発を進め、道路維持管理業務の効率化、高度化に貢献してまいります。



[画像4]https://user.pr-automation.jp/simg/1782/58517/700_558_202204271541236268e5935e6ff.png


「点検要領」のうち、「みちてんクルーズ(R)」で現地と同程度に判定できる項目
(映像で確認できる部分のみ)

■宇都宮市コメント
 今回の実証実験を通じて、国土交通省が定める小規模附属物点検要領の「巡視」「中間点検」においては、時系列ごとに対象物の損傷状況を容易に把握できることや、車内からの映像で見える範囲について腐食やひび割れなどを確認することができました。その結果、「巡視」時における異常が認められたときの即座の変状確認や映像で確認できないような死角となる部分の損傷の把握に課題は残るものの、現地確認箇所を絞り込むなど効率的な点検に繋がる可能性を感じました。今後は、今回の実証実験で見えてきた効果や課題を踏まえた新技術の活用など、道路維持管理業務の効率化に向けたイノベーションの実現を期待しています。

■実証実験概要
名  称: 道路の小規模附属物の点検業務の効率的な実施に係る実証実験
実施期間: 2021年6月〜2022年3月
実施対象: 栃木県宇都宮市内の市道100km上に設置されている各道路標識146基
実施内容: 定期的なパトロールの中でドライブレコーダーを搭載した車両で撮影した動画から、道路小規模附属物を抽出・解析し、点検作業を支援する『附属物巡視支援システム』を活用することで、「小規模附属物点検要領」に基づく点検がどこまで実施できるのか検証を行う。

道路附属物維持管理ソリューション「みちてん(R)」シリーズ
https://www.furukawa.co.jp/infra-maintenance/

『みちてん』および『みちてんクルーズ』は日本における古河電気工業株式会社の登録商標です。

■古河電工グループのSDGsへの取り組み
当社グループは、国連で採択された「持続可能な開発目標(SDGs)」を念頭に置き、2030年をターゲットとした「古河電工グループ ビジョン2030」を策定して、「地球環境を守り、安全・安心・快適な生活を実現するため、情報/エネルギー/モビリティが融合した社会基盤を創る。」に向けた取り組みを進めています。ビジョン2030の達成に向けて、中長期的な企業価値向上を目指すESG経営をOpen,Agile,Innovativeに推進し、SDGsの達成に貢献します。



古河電工グループのSDGsへの取り組み
https://furukawaelectric.disclosure.site/ja/themes/182

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