プレスリリース
横浜市立大学は、令和3年度文部科学省「ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業」*1に、医学部から2件(医学科・看護学科)が採択され、ウィズコロナ時代の新たな医療ニーズに即戦力として対応できる人材の育成を推進します。
新型コロナウイルスによるパンデミックが未だに完全な収束を見ない中、臨床現場での実習の機会の減少が続いています。また、パンデミックによりニーズの増した、オンライン診療や訪問介護の充実など新たな医療ニーズに対応できる医療人材の育成と、それを可能にする実習の質の向上が急務となっています。本学ではこの課題をDXの活用により解決するため、本事業予算(医学科2千5百万円、看護学科1千万円)を、医学科には主に新たな感染症対策を身に付けるためのバーチャル・リアリティ(VR)教材、また看護学科には高機能小児シミュレーターの導入に充て、より高度で実践的な知識や技術をもった人材養成に活用します。
これにより本学は、新型コロナウイルスに代表される新興感染症に対応できる、基本的な感染対策のみならず、専門職連携を基盤としたアドバンスな感染マネジメントを学んだ医師を、また多様な社会でリーダーとして活躍できる看護のプロフェッショナルな人材を、医療現場に輩出することで、地域医療・社会に貢献します。
【事業概要】
医学科 :バーチャル・リアリティ(VR)臨床体験学習導入による感染症カリキュラムの拡充
感染症に関するカリキュラムに、バーチャル・リアリティ(VR)臨床体験学習プログラムを追加し、より充実した感染症カリキュラムを構築します。具体的には、(1)基本的な感染対策を確実に身に付けるためのVRを用いた実践的なシミュレーション教育、(2)救急外来・病棟・訪問診療等における感染対策のシナリオVR体験学習を行います。さらにダイアモンド・プリンセス号における対応実績を反映させ、(3)専門職連携を礎にした組織的な感染対策を体験するため、グループワークによる新興・再興感染症アウトブレイクマネジメント教育を実施します。
看護学科 :テーラーメイドDX実習トレーニング看護人材育成事業
看護学科の実習カリキュラムでは、現在、(1)教員とのキャリアカウンセリングを通じて希望する進路及び課題を抽出し、(2)設定された進路や課題を見据えてさらに磨きをかける必要のあるスキルを明確化、(3)それぞれの学生が志向するキャリアや必要なスキルに合わせてトレーニングプランを選ぶというテーラーメイドなキャリア形成支援の仕組みが構築されています。本事業では、新型コロナウイルスの影響により特に臨地実習での体験が難しい看護場面のVR教材、医療的ケアが必要な小児の看護技術トレーニングに資する高機能シミュレーターを導入し、安全にスキルを磨く場を提供することで、上記(3)のトレーニングプランの拡充を図ります。
なお、これら事業は後藤隆久附属病院長を事業統括責任者として、以下のメンバーを中心に推進します。
(医学科)
加藤 英明 附属病院感染制御部長
稲森 正彦 医学部医学教育学教授
秋山 浩利 附属病院シミュレーションセンター長(消化器外科診療教授)
(看護学科)
叶谷 由佳 医学部看護学科長
佐藤 朝美 医学部看護学科教務委員長
佐藤 政枝 医学部看護学科学生支援部門長
<参考>
*1 令和3年度補正予算「ウィズコロナ時代の新たな医療に対応できる医療人材養成事業」
新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、医療人材養成課程の学生等が患者を対象に行う実習が中止又は縮小を余儀なくされる中で、現在、いわば補完的に実施されているオンライン教育やシミュレーション教育を、デジタルトランスフォーメーション(DX)の技術を活用して大幅に向上させ、新型コロナウイルスの感染拡大以前の水準以上の実践的な教育プランを構築し、即戦力となり得る高度な医療人材を継続的に養成するための経費を支援する事業。
【募集された事業内容】
(メニュー1)
医師によるオンライン診療や薬剤師によるオンライン服薬指導に関する教育プログラムを開発し、必修化を行う取組
(メニュー2)
A 実習等に資するシミュレーター等のDX設備整備
B 感染症対策関連機器の導入
本事業には、262 大学から452 件の申請があり、180 大学の事業における 262 件が選定されました。本学は、メニュー2A医学部(申請大学:73大学 選定大学:39大学)とメニュー2A看護学部(申請大学:223大学 選定大学:138大学)に採択されました。
採択結果 https://www.mext.go.jp/a_menu/koutou/iryou/1384475_00013.htm
[画像1]https://user.pr-automation.jp/simg/1706/57991/350_77_2022041315535962567387085e5.jpg
本件に関するお問合わせ先
横浜市立大学広報課
E-mail:koho@yokohama-cu.ac.jp